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体内を走り回るジェットコースター!「月経周期」による性欲の変化とは?

「女性はいつでもセックスできる」

ぼくら男性はそう思いがちだ。

もちろん、生理中は物理的に血が流れているからできないことはわかっている。だけど、それ以外ならいつでもできると思っている。

ぼくもそう思っていた。

だけど、そうではなかった。特に子どもが生まれてからは。

前回、産後に妻からセックスを断られる根本的な原因について書いたけど、今回はそもそもの「女性の月経周期に伴う性欲の変化」について書こうと思う。

ぼくのように、子どもが生まれてから妻との親密性が失われてしまったと感じている方には、きっと参考になると思う。

そして、なぜ自分の性欲はどこに消えてしまったのだろうと悩んでいる女性にも。

妻との夫婦関係に悩み、調べまくってわかったこの事実を、どうか多くの人に知って欲しい。

女性の体には四季というジェットコースターが走っている。

「なぜ、妻はイライラしている日と元気な日があるんだろう?」

結婚してしばらく経った頃、そんな疑問を感じるようになりました。

今ならば、それが月経周期による気分の変化だということは分かりますが、妻から教えてもらうまで、女性にそんな周期があるなんて思いもしませんでした。

そして、それが性欲に大きな影響を与えていることも。

女性の体には止まらないジェットコースターが走っている。

女性の性欲の変化について知るなら、ますは月経周期について知っておいた方がいい。

この動画がものすごく分かりやすいです。理解しやすいように「季節」を使った例え話をつけ加えますね。

●1〜2日目(冬)
月経スタート、エストロゲンが下がり倦怠感を感じる、子宮が収縮し痙攣を感じる。

雪が降り積もる冬、気持ちがひたすら滅入る日々

●3〜5日目(春)
エストロゲンが増加し、元気になり始める。

冬眠から覚め、恐る恐る春の山を散歩し始める。

●6〜9日目(初夏)
エストロゲンがさらに増え、顔が対象的に整い、肌が輝く。テストステロンが上昇し、万能感が増し、状況にすぐに適用でき、行動への積極性が増す。

初夏の訪れにより、気持ちも明るくなってくる。

●10〜13日目(夏!)
エストロゲンがピークに達し、性的魅力と生殖能力が最高潮に、オーガズムの強さと達しやさが最高潮に。楽観的で社交的になる。挑戦に適したタイミング。

一年で一番元気になる夏!海!山!空!もう世界が輝いて見える!

●14日目(秋)
黄金期はたった3日で終わり、排卵期となる。

急に寒くなり、コートが必要となる秋の訪れ

●15〜18日目(秋)
ホルモンの急変化により気分のムラが激しくなり、疲れやすくなる。

日照時間が短くなり、気持ちが上がらない秋の終わり

●19〜22日目(冬)
エストロゲンレベルが低下し、テストステロンとプロゲステロンレベルは急上昇。皮脂が増え、皮膚が敏感になり、吹き出物が出る。

寒さで家に閉じこもる日々が増える冬の訪れ

●23〜25日目(まだ冬)
プロゲステロン上昇により、膨満感やむくみが起こり、性欲が低下。体がだるくなり何もしたくなくなる。

春の訪れを待ち焦がれる真冬の生活、寒さで皮膚が荒れる。

●26〜28日目(まだまだ冬)
PMS(月経前症候群)克服のため運動する時期、すぐに始まる月経に備える。

運動はできるが春はまだ遠い。

そして、また1日目が始まる……。

男性にはびっくりの変化ですよね。まるで一カ月の中に四季がびっちり詰まってるみたいです。

さらに驚きなのは、性欲が増すのは28日間の中でたった3日(10日目から13日目)しかないことです。

男性はいつだって簡単に性欲が上昇しますが、性欲を上げるテストステロンが女性には元々少なく、生殖能力を向上させるエストロゲンが活発になる期間も限られていることが原因です。

なんでこれを学校で教えないのか……。必須科目にして欲しいくらいです。

エストロゲンに振り回される女性のリビドー

いくつかの研究でも、排卵時期に女性の性欲が増す事例が確認されています。

バージニア大学の調査では、女性は排卵時期に性的願望が高まり、オーガズムに達しやすいと報告されています。

バージニア大学の研究者たちは、23歳から45歳の115人の女性を対象に、排卵中と月経前に性欲と性的機能に関する調査を行いました。女性たちは排卵中に性への関心が高まり、オーガズムによる満足度が高いと報告しました。

原文:
University of Virginia, Charlottesville, researchers used standard surveys to chart libido and sexual functioning in 115 women, age 23 to 45. Each participant completed the survey twice, once mid-cycle around ovulation, and once pre-menstrually. The women reported significantly more interest in sex and greater satisfaction from orgasm at mid-cycle.

https://www.psychologytoday.com/us/blog/all-about-sex/201503/how-the-menstrual-cycle-affects-womens-libido

こちらはオランダの調査で、女性器に電極を取り付け、血流の変化によって排卵期の性的願望の高まりを確認しました。

オランダの研究者たちは、20人の女性にエロティックなビデオを見せ、生理的な興奮の指標である血流の増加を検出するために女性器に電極を取り付けました。排卵時に最も血流が増加し、女性たちはその時期が月の中で最も興奮すると述べました。

原文:
Dutch researchers showed erotic videos to 20 women whose genitals were wired to detect blood flow. Increased blood flow is an indicator of physiological arousal. Genital blood flow increased the most around the time of ovulation, and in an accompanying survey, the women said they felt most aroused at that time of the month.

https://www.psychologytoday.com/us/blog/all-about-sex/201503/how-the-menstrual-cycle-affects-womens-libido

ロードアイランド大学の調査では、女性は排卵が近くなるとエロティクな映画に関心を持つことが報告されています。

ロードアイランド大学の研究者たちは、96人の大学生の女性を募集し、4種類の映画(コメディ、ロマンス、アクション・アドベンチャー、エロティック)に対する興味を評価させました。研究者たちは、女性が排卵に近づくにつれて、エロティックな映画への興味が「急増」することを記録しました。

原文:
Researchers at the University of Rhode Island recruited 96 college-age women who were asked to rate their interest in four types of films: comedies, romances, action-adventure, and erotica. The researchers recorded a "surge” in interest in the erotic films as the women approached ovulation.

https://www.psychologytoday.com/us/blog/all-about-sex/201503/how-the-menstrual-cycle-affects-womens-libido

いずれの調査でも、女性は排卵時期にもっとも性的興味が増すことが確認されています。

排卵時期に女性ホルモンであるエストロゲンの分泌がピークに達するからです。

ですが、問題が一つあります。加齢によるエストロゲン減少です。

https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/health/symptom/30_kounenki/

この図の通り、女性は30歳まではエストロゲン分泌量が増えていきますが、30歳頃を頂点に下がっていきます。

女性の平均第一子出産年齢は30.7歳。つまり、子どもが生まれたとたんに自然と性欲が減少するのです。

上の年齢別エストロゲン分泌グラフは、そのまま「年齢別性欲の変化」であるとも言えます。

もし、あなたの妻が30歳を超えており、性欲が下がっているならば、それはとても自然な減少だということです。

妻が相手にしてくれないと悩んでいるのなら、それはあなたが嫌いになったのではなく、加齢によるエストロゲン減少の影響で性欲が減少しているだけかもしれません。

そして、かろうじて性欲が向上する排卵期をあなたが見逃しているだけかもしれません。

28日間の月経周期の中で、女性はたった3日間しか性的興味が強くなりませんから、適当な日に誘っても断れるだけです。真冬なのに海に泳ぎに行こうと言うようなものです。

さらにやっかいなことに、女性の性的願望の上昇を邪魔するものが日常生活に潜んでいます。

結婚生活そのものが性欲を減退させる。

女性の性欲メカニズムは月経周期によって作られる。では、月経周期が乱れるとどうなるか?性欲も上昇しなくなるのです。

こちらの記事(Psychology Today)によると、月経周期を変えるものは3つあると言います。ピル、仕事、長期的な関係です。

月経周期を変えるピルを服用している女性には性欲の波が存在せず、服用していない女性のみ性欲の変化が現れました。

ピルを使うと性欲がなくなる女性がたまにいますが、どうも本当のようです。

また、仕事でストレスを抱えている女性も月経周期が乱れ、性欲が湧かなくなります。

そして、長期間の結婚生活を続けている女性よりも、独身女性の方が排卵期に強い性的興味を抱く傾向があります。

つまり、結婚生活が長く(長期的な関係)、子どもが生まれ(エストロゲン減少)、働いている(ストレスによる月経周期の乱れ)女性は、排卵時期であっても性欲が減少するということです。

これって、ほぼすべての女性に当てはまるんじゃないんでしょうか……?

女性が性的に活発になるには、28日周期の中のたった3日間。そして、日常生活にストレスを抱えていると、その3日間さえ失われてしまう。

これでは、ほとんどの夫婦がセックスレスになるのも無理はないですよね。

妻の月経周期にコミュニケーションをアジャストさせる。

あなたの妻は「私、月経周期の15日目だから機嫌悪いの」とは言ってくれません。

ましてや、性欲が活発になるタイミングを教えてくれることなんて絶対にないですよね。

だから、ぼくら男性はひたすら無駄玉を打ち続け、妻が相手にしてくれないと嘆くのです。もう妻から愛されていないのだと。

かつてのぼくもそうでした。

だけど、それは妻の身体に流れる四季を理解せず、真冬に水着で過ごすことを強要しているようなものなのです。

それがわかってから、ぼくは季節ごとに衣替えをするように、妻の月経周期に合わせ、日々のコミュニケーションを変えるようにしました。

さすがに記録をつけているわけではないですが、今は生理(月経)前だからイライラしやすいな、今は生理が終わって元気になってきたな、今は排卵前の黄金期だけどあと2日で終わるな、今は排卵が終わって疲れやすくなる時期だな、などと目星をつけています。

妻も以前は月経周期について積極的に話してはくれませんでしたが、ぼくらが隠された四季の存在を知ってからは、今がどのタイミングかを教えてくれるようになり、そのおかげでどの季節であっても一緒に過ごしやすくなりました。

妻の性欲減少を問題視するのではなく、妻への接し方やタイミングを工夫することが重要だったのです。

イライラしやすい時期、疲れやすい時期、元気になりやすい時期がわかっていれば、それに合わせて接し方を変えることができますから。

妻の月経周期を理解し、その周期に妻への接し方をアジャストさせる。

日常生活から妻のストレスとなるものを取り除く。

この二つを徹底させることで、妻との親密な絆を取り戻しやすくなるはずです。


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ーー📗ーー

この記事は「男性向け夫婦関係改善本」のための下書きであり、下の目次に沿って記事を書き足していき、最後に一冊の本にします。

下線がある目次は執筆済み記事へのリンクです。クリックすると記事に飛びます。

本が完成するまで記事を書き続けますので、応援していただけると幸いです…!


第一部:なぜ、あなたは妻から嫌われたのか?

◾️第一章:恋から愛への移行不具合

恋のメカニズム
○産後の妻の変化への無理解
産後の妻の変化1:オキシトシン分泌によるガルガル期突入
産後の妻の変化2:肉体と精神がズタボロになる産褥期
産後の妻の変化3:産後女性の性欲減少メカニズム
産後の妻の変化4:圧倒的な社会的孤立
産後の妻の変化5:失われたアインデンティティ
絆を構築する共同体験の欠如

◾️第二章:無から愛の生成不良

○「Who you are? 」ではなく「What you have ?」であなたが選ばれた場合

◾️第三章:夫への恨みの生成過程

○未完に終わった夫婦の発達課題
結婚前に獲得すべきだった「本当の親密さ」とは?
未確立な夫婦のアイデンティティ
親になること、夫婦になること
○非主張的自己表現の呪いから抜け出せない妻
○攻撃的自己表現をやめられない夫たち
○妻の不信感を募らせる、夫の非自己開示
○「夫への恨み」はいかにして生まれるのか?
○なぜ、あなたの妻は「婚外恋愛」を望むのか?

◾️第四章:セックスに関する無理解

○産後にセックスに興味を失う理由
○生理周期に伴う性欲の変化(←今ここ)
○性に関する夫婦の話し合いの不在

◾️第五章:現状把握と事態の受け入れ

○妻の恨みの根幹を知る
○思い込みにとらわれず質問を恐れない
○客観的に自分たちを見つめる

◾️第六章:妻から嫌われる3つのパターン

○家庭より仕事を優先してきた
○家族の幸せより自己実現を優先させてきた
○妻への思いやりより自己の欲望を優先させてきた

第二部:では、どうするか?

◾️第一章:皿洗いをする前にやるべきこと

○夫婦の絆の土台となる”親密性”
○「受け止めてもらえる」安心感を妻に与える
○柔らかな感情の掘り起こし

◾️第ニ章:愛着の形成が二人の絆を作る

○柔らかな感情の共有
○相互理解という快感
○夫婦に恋愛は必要ない
○ドーパミンではなく、オキシトシンが愛を作る

◾️第三章:自分も相手も大切にするアサーティブコミュニケーション

→詳細考え中

◾️第四章:セルフコンパッションで関係改善の努力を継続

→詳細考え中

◾️第五章:セックスは愛の最終形態

○セックスは手段、目的は親密性への触れ合い
○性の話し合いを恐れない

第三部:フェニックスマンの特徴

○夫婦関係を改善できる男性の特徴とは?


ーー🎙️ーー

ポッドキャスト「アツの夫婦関係学ラジオ」にて、毎週月曜 AM5:00に夫婦関係改善のヒントをお送りしています。

こちらも聞いていただけると、さらにヒントが見つかると思います。

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