【デザイナーの読書録】2月に読んだ本(2023年)

こんにちは。
2月は、デザインの基本要素に対する理解を深めることと、過去に学ぶことをテーマに本選びをしました。
3冊と少ないながらも、良い本と出会えたので満足度が高いです。

「北欧デザイン」の考え方: プロダクト、建築、テキスタイル 名作をつくった人と時代とアイデンティティ

  1. 世界的に評価の高い「北欧デザイン」の成り立ちを歴史とともに紐解く1冊

  2. クオリティを追求することで付加価値が生まれることを、史実と、現代の北欧デザインに対する評価の両側面から実感できる

  3. 時代ごと、地域ごとに抱える課題をデザインでどのように解決してきたのか、その考え方を学べる

  4. 時代(過去〜現代)、プロダクト・テキスタイル・建築と横断的に紹介されていることで共通する思想や差異に気づくことができる

これまで北欧デザインの表層的な価値にのみ注目してきましたが、その裏にある歴史や思想を学ぶことで「デザインは課題解決の手段である」こと、付加価値を与える営みについて知見が深まりました。
学生時代、歴史の授業は大の苦手科目でしたが、デザイナーになって実感するのは「歴史から学ぶことは多い」ことです。

色のコードを読む なぜ「怒り」は赤で「憂鬱」はブルーなのか

  1. 配色にいつも迷ってしまい、決定的な理由付けができないデザイナーさんにオススメ

  2. 「赤は怒り」「青は憂鬱」など当たり前のように語られる色の印象。その所以を数万年前まで遡り、様々な史実とあわせて紹介している

  3. 色彩に対する解像度が一層高まり、配色選びに説得力が生まれる知識を得られる

  4. 明日、会社のデザイナーに話したくなるような「色にまつわるエピソード」が満載

デザイナーなら誰しも聞いたことのある「信頼感を出すためにブルーを基調とした配色にしました」というフレーズ。「なぜブルーだと信頼感を感じるんですか?」と返されると困るあれ。
「なんとなくそういうもの」とされてる色の印象を、エピソードとともに紐解いてくれる、よくある配色本とは一線を画した一冊でした。
面白くて何度も読んでしまいます。

ディック・ブルーナ 永遠のデザインとことば

  1. 難しく考えすぎて疲れてしまったデザイナーさんにオススメの一冊

  2. 息抜きをしながら、デザイナーとしての自分のスタイルを見つめ直すきっかけになります

  3. ブルーナカラーに込められたメッセージ。線一本一本に込められたこだわり。ミッフィーが世界的に愛される理由を感じられます

前述の2冊で「北欧デザイン」と「色」について触れ、もう少し自分の仕事に近い領域で具体例を知りたいと思ったときに出会った1冊。
最近仕事でもブルーナカラーに触れる機会があったので、偶然のようで運命的なめぐり合わせでした。
この本には疲れたデザイナーの脳と心を癒やす働きと、デザイナーとしてもっとこだわりたくなるような気を引き締める働きの両方があり、それはディック・ブルーナという偉大なデザイナーの残した言葉と仕事の説得力が生み出しています。

最後に

私がデザインをする上で一番苦手意識を感じるのが「配色」でした。
いつも配色をしたあとに「この色でいいのか?」と悩んでしまい、調整を繰り返すうちにわからなくなってしまうことの繰り返し。
今月出会った本は、そんな苦手意識を払拭し、色選びに説得力と自信を与えてくれる良書たちだったと思います。

やっぱり、テーマを意識して書店を歩くことで、いまの自分に必要な本と巡り合えるのが紙の本の面白いところですね。

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