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むさしの写真帖

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「写真っていうのはねぇ。いい被写体が来たっ、て思ってからカメラ向けたらもう遅いんですよ。その場の空気に自分が溶け込めば、二、三秒前に来るのがわかるんですよ。その二、三秒のあいだに…
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2023年6月の記事一覧

コンビニにアイスを買いに行く

コンビニにアイスを買いに行く

娘は社会人で一人暮らしをしている。
特に用事のない休日前に帰ってきて、休日は完璧なまでの「上げ膳据え膳」な一日を過ごして翌朝に弁当を作らせて出勤していく。

休みがほとんど平日なので、ぼくとはパターンが合わず、帰る日の夕飯(これも娘のシフトが遅番だと帰宅が夜遅いので一緒には食べられない)と休日の夕飯を一緒に食べるくらいだ。
ここしばらくはそんな生活をしている。

先日帰ってきた時は、珍しくぼくが在

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ロミオとジュリエット

ロミオとジュリエット

もう時効だろうから白状するが、もう30年以上昔、大学生の頃にお付き合いさせてもらっていたガールフレンドと真夜中にこっそり家を抜け出して、度々デートをしていた。
彼女は典型的な箱入り娘で、そうそう頻繁に会うことが叶わなかったので、苦肉の策として、そういうことになっていたのだ。

ぼくは男だから夜中に家を抜け出したところで母親に文句を言われる程度だろうが、彼女はそういうわけにもいかないから、かなりスリ

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父の日

父の日

娘の手による刺繍笑
むかしから何かしらプレゼントを忘れない娘。
ぼくは自分の父になにかしたことがあるか、と思い返すけれど、何度かは食事に連れて行ったことはある気がするが他には思い出せない。
ぼくは果報者だと思う。
#父の日プレゼント #娘からのプレゼント

新宿

新宿

もうだいぶ見慣れたはずだけども、やはりあの人混みを目の前にすると気後れしてしまう。
朝の名古屋駅の私鉄から地下鉄へと移動する人の多さもかなりのものだが、新宿のそれとは比較にならない。

たぶんもうキャパシティ的には限界を超えているのだと思う。
というか東京には人が多すぎるのだ。
こちらに来て驚いたことの一つに「人がいない場所がない」というのがある。
例えば夜遅くに駅から歩いて帰るときにも、ぼくの家

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6月

6月

「死ぬかもしれない」と思った話をしよう。
ぼくが36歳の頃の話だ。
6月の終わり頃、給料日の後だったから25日は過ぎていたんだろうと思う。当時は名古屋で両親と一緒に住んでいた。

仕事を終えて帰宅し、20時過ぎだったと思うが夕食を摂った。
そこまでは何事もない一日だったのだ。

2階に上がりテレビを見ている時、喉の奥に違和感があった。
何だか食べたものが引っかかるような嫌な感じだ。
唾を飲み下して

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銀座

銀座

母は出不精な人だった。
父はあちこち見て歩くのが好きな人だったが母は正反対で、家族で旅行なんかに行っても浮かない顔でついて来る感じだった。
だから母と二人で出かけた記憶といえば普段の買い物くらいである。

ぼくが仕事で東京やら大阪などあちこちに行くようになり、その話を母にすると「へー」だとかの気のない返事ばかりしていたが、初めて銀座に行った話には珍しく乗ってきた。
そんな反応するなんて珍しいね、と

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あじさい

あじさい

カタカナで書くと「アジサイ」
なんだか「アジシオ」みたいだな、とか。
#紫陽花 #コンビニ行くついでに撮影

紫陽花

紫陽花

白い紫陽花が美しい。
雨に濡れそぼる姿は殊更である。
#紫陽花 #雨 #西新宿

ノウゼンカズラ

ノウゼンカズラ

華のある人生を。

昨日の異動内示でショックがデカいので、今日はなーんにもする気にならず家でゴロゴロ。昼過ぎになってようやく顔を洗うありさま。
さすがにまずいな、と思い、ゴリゴリに固まった全身をほぐしにマッサージに行く。
お尻の辺りが凝りまくっているらしく、しばらくいじめられて帰ってきた。

今日は暑かった。
空は夏の色に染まったので白いカイトを探したが見当たらなかった(My Little Lov

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水のある風景

水のある風景

ぼくは名古屋の堀川沿いの街で育った。
堀川というのは名古屋城築城の時に掘られた運河だが、明治に入り、その堀川と名古屋市境を流れる庄内川を結んだ人の名前を取りぼくの住んでいた辺りでは「黒川」としていた。
子どもの頃はずいぶん水質汚染が進んでいて夏になるとなんとも言えない悪臭がしたものだが、近年ではかなり改善されて川沿いには遊歩道なども整備された。

名古屋市内で引越しをした先は、ちょうどその庄内川と

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