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読書のススメ ~「正しさ」の商人 情報災害を広める風評加害者は誰か~

こんにちは! あたたけ です。

今回は気分転換?で、久方ぶりの読書感想文です。

「正しさ」の商人 情報災害を広める風評加害者は誰か

著者:林智裕

著者は福島の方で、東電福島原発事故での経験を基に『風評被害・情報災害はなぜ起こるのか、誰が起こすのか』をまとめられた本です。
出版は2022年3月ですが、処理水放出前に風評被害/風評加害が話題になったこともあり手に取った次第です。

まぁ、仕事の実務(食品企業の品管担当)としても風評被害って身近な脅威ですのでね。
(駅弁の売上が。。。。。)

ぶっちゃけ、2回目、3回目の処理水放出時の報道やネットニュースを見ていると、本書で伝えたいであろう『風評被害は自然に起こるものではない。誰かが意思(悪意)を持って起こす。』というのが実感できます。
風評加害者にとって価値がなくなった話題では、風評被害ってホントに起こらないんだなぁと。

本書には印象的な言葉が多数出てくるのですが、『はじめに』の章に出てくる以下の文章が心に残りました。

現代社会は「正しさ(Correctness)を僭称した正義(Justice)」や「不安」「怒り」を売る「『正しさ』の商人(「正義」を売る商人)」、あるいは「不安の商人」「怒りの商人」がしのぎを削っているとさえ言える。

「正しさ」の商人 

『商人』という言葉の選び方が本質をつかれているのかなと。
『武器商人=死の商人』というところから取ったとのことです。
小売にいる立場として『商人は世の中の役に立つ』と信じていますが、やっぱり言葉の印象として『自分の利益に繋げる、利己的』というのがありますからね。
自分の正義(主観的な正しさ、客観的・普遍的に正しいとは限らない)を『絶対に正しい』と押しつけて実利(金銭に限らず承認や地位向上などなど)を得ようとしている感がとても伝わってきますね。

こういう(本人がどう思っているかは別として、他人にとっては紛れもない)悪意に基づいて行動する人って、扱いが難しいんですよね。
なるべく関わりたくはないのですが、仕事をしていると言いがかりを受けることもありますし、社内でも『あえて』ルールを無視する人もいますから。
特に品管の立場では後者をどう導くのかが悩ましいものです。

そもそもあたたけのスタンスが『人の善意に基づく管理が一番!』というものですからね。
一歩間違えば積み上げてきたものが全否定されかねないっていうね。
沈黙は黙認と同じ』という言葉を忘れず、ダメなものはダメと毅然と言い続けないとなぁと改めて思います。

さて、『正しさを僭称した正義』という言葉が最初に出てきましたが、『正義』についてはこの本ですね。

正義の教室

著者:飲茶

▼こちら、あたたけの感想文です▼

個人的にですが『正義』って自分の中に持つのは大切だと思うんですよね。
言いかえれば『自分の芯になる考え方』ですので、迷いや不安に対し、『自分は何を大切にするのか』を見つめることで次の一歩を踏み出す後押しになるだろうなぁと。

ただ、『自分の正義』を他人に押しつけるのはダメですよね。
あと、自分の正義に基づいた判断・行動の結果には、自分で責任を取る覚悟を持つのも大事でしょう。
責任と言うと重い気がしますが、『1人で抱え込む』というのではなく、『間違い・失敗は認める』『迷惑をかけたら謝罪する』『助けてもらったら感謝する』くらいのイメージですね。

今の時代、『多様性』が重視されています。
実際、いろんな考え・価値観の人が共存できる社会が良いです。
が、『多様性』あるいはそれに関連する言葉を使って攻撃的な行動をとっている人って、多様性から一番遠い存在じゃないでしょうか。
だって、『多様性』って『自分の正しさを押し売りする』のではなく、『他人の正しさも存在を認める(好悪は別)』ってことだと思いますから。

周り人のそれぞれの想い・考え(心理的な正しさ、正義)は認めつつ、実際にはどうなのか(客観的な正しさ、科学的な正しさ、エビデンス)を考えながら生きていきたいですね。

ご意見・ご質問等、▼こちらからお願いします!

ではでは。今回はこの辺りで!

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