本山エリ

ラジオや映画、音楽が好きで、感想を書いています。

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最近の記事

突然、笑顔で殴られるのに、なぜか感謝したくなる漫画『アフターゴッド』(ネタバレなし)

最近、アフターゴッドという漫画を読み始めて、2日で読み終わりました。なぜ今まで読んでいなかったのか、腹立たしくなるほど、面白かったし、僕の好みのど真ん中でした。 なによりも設定がとにかくドストライク。 人間世界に突如として現れた「神」IPOが東日本を壊滅させられ、東京も壊滅状態に、、、 そんな組織と戦うために、東京の地下に作られた対神組織。 そんな対神組織の下っ端の獣医「時永」と佐賀のJKで、神の目を持つ「和花」が出会うところから始まる。 とにかく出てくる登場人物、全員

    • ミスチル「miss you」は優しい響きに騙されて、桜井和寿に何度も殴られた後、最後に世界1優しい「おはよう」を聴くためのDVアルバム

      最近、ミスチルへの愛が平熱になっていて、アルバムが出たけど、サブスクで配信されるまでは待てるという状態でした。 それまで評判はなんとなく聞いていて、賛否両論って感じで、期待値もそこまで高くありませんでした。 最も「優しい響き」に満ちているという謳い文句の通り、reflectionのような派手さはなく、ヒカリノアトリエ的な曲の詰まったアルバムなのかなと思っていました。街の外れにある白髪・白髭のおじいさんがやってる喫茶店くらい温かく、どこか包み込んでくれるアルバムを想像していま

      • 低気圧不調のデンジは、ポチタと出会っても寝ているだけ

        雨の日って憂鬱じゃないですか? 頭痛くなるじゃないですか? 体だるくなるじゃないですか? お腹壊すじゃないですか? それ気象病とか低気圧不調っていうらしいんですよ。 思えば、中学くらいから、ずっとこれに苦しまされてるんですよ。 朝起きて、雨降ってたら最悪。朝起きて曇ってたら最悪。朝起きて晴れてても、午後から曇ったり雨降ったりしそうだったら最悪。次の日の天気が悪そうだったらその日の夜は最悪。梅雨は絶句。 しかも、これ晴れててもなるみたいなんですよ。どうやら、気圧が上がったり下

        • 鬱エンド、逆スカッとジャパンだった「噛み合わない会話と、ある過去について」(辻村深月)

          (少しネタバレを含んでいます) 辻村深月さんの短編集「噛み合わない会話と、ある過去について」を、「短編だし、通学時間の暇つぶしに読めるなー」と思い、手に取りました。間違いでした。後悔しました。すみませんでした。 暇つぶし感覚では手軽に読めない、本当にかがみの孤城を書いた人と同じ人物なのかと疑うレベルの、闇辻村深月さんでした。まるで私が追求されているような気分になる、逆スカッとジャパン。 どの話も、言う側はギリギリ覚えているような、なんの気なしに発した言葉が、言われた側はか

        突然、笑顔で殴られるのに、なぜか感謝したくなる漫画『アフターゴッド』(ネタバレなし)

        • ミスチル「miss you」は優しい響きに騙されて、桜井和寿に何度も殴られた後、最後に世界1優しい「おはよう」を聴くためのDVアルバム

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        • 鬱エンド、逆スカッとジャパンだった「噛み合わない会話と、ある過去について」(辻村深月)

          ネトフリで逃げ恥を見返したら、ちょうど7年前が「恋」の発売日だったことを知り、星野源と運命を感じた話。

          ネトフリでたまたま、逃げ恥を全部見ました。 そして、逃げ恥がもう7年前という事実にも恐怖しました。当時、私は15歳。親とご飯を食べながら見ていたのを思い出して、よくこれを親と見ていたなと思うと同時に、当時の自分にはよくわからなかっただろうなというポイントが多くありました。 例えば、平匡さんの心を閉ざしてしまう病は、自分も共感できることがあるのですが、結局、誰かに閉した心をこじ開けてもらうことにしか解決策はないのかなあと思ったり(エヴァしかり)、自分が決めつけられるのはものす

          ネトフリで逃げ恥を見返したら、ちょうど7年前が「恋」の発売日だったことを知り、星野源と運命を感じた話。

          俺が言い始めたことにしたい星野源の歌詞8選を考えていたら、俺が星野源だった。

          星野源の曲が刺さりすぎて辛い。それ、俺も考えていたというのもあれば、本当にそうだよなーとストレートに胸に突き刺さるものもある。 これはもう俺が言い始めたことにしたいと思った歌詞をまとめました。 「喜劇」 争い合って壊れかかったお茶目な星で 生まれ落ちた日から よそ者 「争い合って壊れかかった」と「お茶目」を組み合わせる言葉のチョイス。スパイファミリーの世界観をこの一文だけですごく表現できている。 「生まれ落ちた日から よそ者」 これもスパイファミリーのメインキャラ3人に

          俺が言い始めたことにしたい星野源の歌詞8選を考えていたら、俺が星野源だった。

          「花束みたいな恋をした」を軽い気持ちでみたら、頭部を花束でぶん殴られた

          なんか気持ちが沈んでるし、心温まる話見たいなあ、と思って、ネトフリを漁っていると、以前から気になっていた「花束みたいな恋をした」を見つけた。 昔、映画館に友達と見に行ったのだが、私が予約する映画館を間違えてしまい、結局、映画料金だけを払って、映画を見ることができずに帰ったという苦い思い出がある映画だ。 とは言っても、全然情報を仕入れていなかった。強いて言えば、サブカル同士が恋愛する話というくらいだった。 前から気になっていた+恋愛映画だしほんわするだろ、という軽々しい気

          「花束みたいな恋をした」を軽い気持ちでみたら、頭部を花束でぶん殴られた

          クソみたいな地獄で生きる私と星野源

          ネットフリックスで配信されている若林と星野源のトーク番組、LIGHT HOUSEを配信開始日に視聴し、大変感銘を受けたと同時に、無番組内でのトークをもとに作った新曲5曲が配信されることを待ちに待ち、ついに今日配信されました!! 当然、番組を見た時にも、これまでに抱いたことのない感情を持った。そして、曲にも同様の感情を抱いた。 そして、配信された曲を聴いてやっぱり色褪せていなかった。 違う惑星に住んでいるはずの星野源と若林の話は、まだ大学生の私には共感できるところとできな

          クソみたいな地獄で生きる私と星野源

          女王蜂とあいみょんに刺された(ロッキン2023)

          人生で初めてのロッキンに行ってきました。色々なアーティストを見ましたが、女王蜂とあいみょんに喰らいました。 1.女王蜂 まずは女王蜂 リハでは、機材の調整に手間取っているようで、開始が少し遅れました。そのため、少し不安なところはありました。しかし、改めてステージに登場した際、そのビジュアルとその歌唱力が放つオーラに圧倒されました。アヴちゃんの想像以上のスタイルの良さや、佇まいから放たれるオーラをまといながら圧倒的な存在感を示しつつ、どこか消えてしまいそうな儚さがありました

          女王蜂とあいみょんに刺された(ロッキン2023)

          『違国日記11巻』不条理な世界の温かい居場所(ネタバレあり)

          私がずっと好きだった違国日記がついに最終巻を迎えましたので、感想を書きたいと思います。 以下ネタバレを含みます。 私が違国日記で好きなところは、「人と人は根本的に分かり合えない。それでも、わかろうとする、寄り添うことができる」というところをずっと貫いているところです。それは11巻でもありました。 弁護士の塔野さんが、槙生さんとの電話で、「共感に欠ける私が人と関わろうとすること自体が傲慢なのではないかと思う」という話に対して、槙生さんは と言います。 5巻でも、朝が両

          『違国日記11巻』不条理な世界の温かい居場所(ネタバレあり)

          「君たちはどう生きるか」は宮崎駿の引退宣言

          以下、ネタバレ注意 今更ながら、「君たちはどう生きるか」を見てきました。 正直、私にはとても難解で、アオサギやペリカン、インコがなにを意味しているのか、塔や墓は何だったのかは、全くわかりませんでした。 ただ、私にはこの作品は宮崎駿の引退宣言のように思えました。 主人公である「まひと」は私たち観客で、映画前半はアオサギ(アニメ?ファンタジー?の表れ?)が現れ、観客を塔(アニメーション)へと誘おうとする。 そして、一度、塔に入ると、現実離れした不思議な世界(死者の世界?)に迷

          「君たちはどう生きるか」は宮崎駿の引退宣言

          ゴジラVSコングで脳みそ溶けた話(ネタバレ有り)

          ゴジラVSコング観てきました。 正直言って最高でした。相変わらずの人間ドラマへのアンチテーゼ、怪獣プロレス、全てが最高。 ゴジラが暴れているだけでニヤニヤしてしまい、半分ギャグみたいな人間ドラマで爆笑。それは を帳消しにするかのようなゴジラVSコング。 そして、最後はゴジラとコングのファンアートができそうなぐらいの尊さ。熱い熱い熱い。 数えられそうなくらいしか喋っていない小栗旬、人間ドラマなんてクソ喰らえ精神で、前作の芹沢博士とは雲泥の差の扱いを受けるウイスキー、相変わらず

          ゴジラVSコングで脳みそ溶けた話(ネタバレ有り)