「君たちはどう生きるか」は宮崎駿の引退宣言

以下、ネタバレ注意


今更ながら、「君たちはどう生きるか」を見てきました。
正直、私にはとても難解で、アオサギやペリカン、インコがなにを意味しているのか、塔や墓は何だったのかは、全くわかりませんでした。

ただ、私にはこの作品は宮崎駿の引退宣言のように思えました。
主人公である「まひと」は私たち観客で、映画前半はアオサギ(アニメ?ファンタジー?の表れ?)が現れ、観客を塔(アニメーション)へと誘おうとする。
そして、一度、塔に入ると、現実離れした不思議な世界(死者の世界?)に迷い込んだり、不思議な力を持つヒミと出会ったりする。そして、映画後半では、夢の中で、マヒトは大叔父と出会う。実は、大叔父は、13個の積み木を組み合わせ、積み上げることで世界を構築していたのだ。これは後から調べてわかったことですが、宮崎駿が監督した作品数は13作品で、積み木の数と一致していました。

そして、まひとに、「後継者」になることを提案する。
しかし、まひとはこれを拒否する。

その後、実際に大叔父と直接会い、後継者となることをもちかけられたが、それを拒否し、元の世界に戻ることを希望する。

そのような中、インコ王が積み木を破壊し、世界の崩壊が始まる。
インコ王は宮崎吾朗かなとも思ったのですが、よくわかりません。

ここで、大叔父(宮崎駿)が作り上げてきた世界が崩壊していきます。

まひと、ヒミ、アオサギ、夏子はなんとか崩壊する世界から脱出し、父と再会を果たします。

そして、急に2年後となり、戦争が終わり、疎開先から東京に戻るシーンで終わり迎える。

私たちは、これから宮崎駿がいない世界を生きていきます。これは最後のシーン、戦後(0になった世界)でまた1から積み上げていくまひろ達の姿とも重なるのではないでしょうか。
私たちは、世界を、積み木をどのように積み上げていくのかを問いかけているのではないのでしょうか。
ただ、まひろは積み木を一つだけ持ち帰っています。そのために、塔での出来事を完全には忘れていませんでした。そして、アオサギが「だんだん忘れていく」と言います。宮崎駿が引退し、作品が世に発表されなくなれば、だんだんと宮崎駿や彼が作った作品は忘れ去られていくことになるでしょう。
しかし、崩壊した宮崎駿の世界も誰かに影響を与え、誰かの積み木のパーツになっているかもしれない。
そのような希望も見えました。

大変、うろ覚えな記憶で、矛盾も多くあると思いますが、私はこのように「君たちはどう生きるか」を受け取りました。

うろ覚えなセリフですが、大叔父の「世界を醜くも綺麗にもできる」という旨のセリフや、まひとの「穏やかな世界は望まない」という旨のセリフは、印象に残りました。

皆様はどのようにこの作品を解釈したのか教えていただけると幸いです。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?