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Remdesivirの中国での臨床試験

【医療従事者は自分でLANCETを読んで下さい】

武漢で行われたレムデシビルのRCTは、皮肉にも流行が収束に向かったため試験参加者の人数が集まらず、検出力不足になって結論が先送りになりました。 #COVID19 #レムデシビル

中国米国相反と言われたのに米国と日本が承認ありきで動いてます。
Twitter上の欧米諸国からの歓迎はスゴいですね
日本は #国会答弁#安倍総理 の口から #Remdesivir しか出てこない時点で悟りました。
米国はしばらく #無償配布 で事実上二回目の大規模臨床試験なのだから日本も無償配布勝ち取って欲しいです。

LANCET掲載の米国の臨床試験結果は送ったので比較対象で一応送りましょうか。
承認されたからいらんかもしれんけど。
英語を読める人は英語で読んでもらいます。

いつでも出せるように #PubMed アプリには保存しときましょうか→何故か引っかからないのでTwitterのツリーに保存しました。

みんな読めるように以下引用
中国National Clinical Research Center for Respiratory DiseasesのYeming Wang氏らは、武漢市の10病院に入院した成人のCOVID-19確定例に、レムデシビルまたはプラセボを投与する二重盲検のランダム化比較試験(RCT)を行い、いくつかの評価指標についてレムデシビルの有意な利益を示せなかったと報告した。結果はLancet誌電子版に2020年4月29日に掲載された。

 レムデシビル(GS-5734)は、核酸アナログのプロドラッグで、ウイルスのRNAポリメラーゼを阻害する。in vitroでSARS-CoV-2に作用することが示され、動物モデルでもこのウイルスの複製を阻害することが明らかになっていた。

 そこで著者らは、中国湖北省武漢市の10病院で、18歳以上の男性と妊娠していない女性で、SARS-CoV-2感染が確定し入院したCOVID-19患者を対象に、二重盲検のRCTを計画した。組み入れ条件は、発症からの日数が12日以内で、室内気下のSpO2が94%以下、あるいはPao2/Fio2が300mmHg以下で、胸部画像で肺炎が確認された患者とした。妊娠可能年齢の患者には、男女とも試験期間中に避妊法を実施してもらうことにした。

 組み入れ除外基準は、妊婦や授乳中の女性、肝硬変、ASTやALTが基準範囲上限の5倍以上、重度の腎機能障害、血液透析や腹膜透析患者、スクリーニング前の30日間に他の研究的治療薬を用いる試験に参加した人などとした。

 条件を満たした患者は、2対1の割合でレムデシビル静注(1日目は200mg、2日目から10日目までは100mgを1日1回投与)、またはプラセボを10日間静注に割り付けた。層別化は呼吸器症状の重症度(機械的換気の使用など)で2段階に分けた。その他の薬では、ロピナビル-リトナビル、インターフェロン、コルチコステロイドの併用を許可した。1日1回の患者の状態評価を28日後まで継続した。

 主要評価項目は、28日以内の臨床的な改善に設定した。6ポイントからなる順序尺度で2段階以上変化した場合を改善とした。6は死亡、5はECMOまたは機械的換気を受けた状態での入院、4は非侵襲的換気または高流量酸素療法を受けた状態での入院、3はより軽度の酸素療法を受けた状態での入院、2は酸素療法無しでの入院、1は退院または退院の基準を満たした状態と規定した。ベースラインから2段階以上の改善を示した日、または生存退院した日のいずれか早いほうまでの日数を比較した。

 副次評価項目は、割り付けから7日目、14日目、28日目に行った順序尺度を用いた評価で、それぞれのカテゴリーに分類された患者の割合や、28日後までの総死亡、侵襲的換気を受けた患者の割合、酸素療法の継続期間、入院期間、院内感染を発症した患者の割合などに設定。ウイルス学的指標は、PCR陽性患者の割合とPCR検査により明らかになったウイルス量とし、安全性の評価指標は、治療下で発現した有害事象、重篤な有害事象、早期の治療中止とした。

 2020年2月6日から3月12日までに255人の患者をスクリーニングし、条件を満たした237人が試験に参加した。158人をレムデシビル群に、79人をプラセボ群にランダムに割り付けた。プラセボ群の1人が割り付け後に離脱したため、236人を分析対象とした。当初の試験デザインでは、453人の参加者を募集し、レムデシビル群302人とプラセボ群151人に割り付け、参加者が240人に到達した時点で中間解析を行う計画だった。

しかし武漢での流行が収束に向かったため、3月12日以後は条件を満たす入院患者が増えなくなり、236人で止まったため、80%を想定した検出力は58%まで下がることになった。

 レムデシビル群158人の年齢の中央値は66歳で女性が44%、プラセボ群78人の年齢の中央値は64歳で女性が35%だった。併存疾患の中で最も多かったのは高血圧で、続いて糖尿病と冠動脈疾患が多く見られた。

 ベースラインでの順序尺度を用いた評価では、レムデシビル群の82%とプラセボ群の83%がカテゴリー3に、また、それぞれ18%と12%がカテゴリー4に分類された。プラセボ群では4%がカテゴリー2、1%はカテゴリー5と判定されていた。両群間で、患者特性の一部(併存疾患保有率や呼吸数など)に差が生じていたが、ベースラインで両群の患者が示した症状や検査値、重症度、適用されていた治療には差はなかった。発症から割り付け薬の投与開始までの日数の中央値は、リトナビル群が11日(四分位範囲9~12日)、プラセボ群は10日(9~12日)だった。ロピナビル-リトナビルまたはコルチコステロイドを投与された患者の割合には差はなかった。

 参加者の状態は4月10日まで追跡した。臨床的な改善までの日数は、レムデシビル群が中央値21.0日(四分位範囲13.0~28.0日)、プラセボ群は23.0日(15.0~28.0日)で、ハザード比は1.23(95%信頼区間0.87-1.75)だった。

 統計学的有意差は見られなかったが、発症から10日以内に割り付け薬の使用を開始した患者では、レムデシビル群の方が臨床的改善の発現が早かった。割り付けからの日数は中央値で18.0日(12.0~28.0日)と23.0日(15.0~28.0日)、ハザード比は1.52(0.95-2.43)だった。

 28日死亡率は、レムデシビル群が14%(22人)、プラセボ群は13%(10人)で、差は1.1%(95%信頼区間-8.1から10.3%)だった。発症から10日以内に割り付け薬の使用を開始していた患者に限定しても、28日死亡率に差は見られなかった。

 酸素療法の適用期間、入院期間、割り付けから退院までの日数、割り付けから死亡までの日数、割り付けから7日目、14日目、28日目の評価で順序尺度の個々のカテゴリーに分類された患者の割合などに差は見られなかった。追跡期間中に行われたPCR検査で明らかになったウイルス量は、両群ともに割り付けから28日後に向けて、同様に低下していた。

 有害事象は、レムデシビル群155人中102人(66%)とプラセボ群78人中50人(64%)に報告された。レムデシビル群に多かったのは、便秘、低アルブミン血症、低カリウム血症、貧血、血小板減少症、総ビリルビン値の上昇で、プラセボ群に多かったのは、低アルブミン血症、便秘、貧血、低カリウム血症、アスパラギン酸アミノ基転移酵素値の上昇、血中脂質量上昇、総ビリルビン値の上昇だった

 重篤な有害事象はレムデシビル群の28人(18%)とプラセボ群の20人(26%)に報告された。また、有害事象または重篤な有害事象によって割り付け薬の投与を早期に中止せざるを得なかった患者は、レムデシビル群の18人(12%)とプラセボ群の4人(5%)だった。

 これらの結果から著者らは、入院しているCOVID-19患者を対象とする #RCTで統計的に有意なレムデシビルの臨床利益は示せなかった が、改善までの日数はレムデシビルの方がやや短い傾向を示したため、さらに #規模の大きい臨床試験の結果を待って判断する必要がある と結論している。この研究はChinese Academy of Medical Sciencesなどの支援を受けている。

原題は「Remdesivir in adults with severe COVID-19: a randomised, double-blind, placebo-controlled, multicentre trial」

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