ネガティブは悪い事ですか? いいえ、善悪なんてありません【短編】
ご高覧いただきありがとうございます。
世間ではネガティブな思考や思想は悪い印象があると思います。
その中には、失敗や失意の諸悪の根源であるような考えもあります。
ただ、それは本当に正しいのでしょうか?
私個人としては、考え方として別に問題ないと思います。
しかし、上下や善悪など区別自体は意味がないと思ってもいます。
そもそもネガティブな思考は人間として正しい性質なんですね。
分かりやすくいうなら「危機回避能力」と言えます。
起こり得るかもしれない危機を事前に回避する。
これが人間が生き残る上で最も大事な能力でした。
例えば、犬が苦手な人。
その人は過去に犬に噛まれてケガをした。
この場合、犬は危険な生物だと脳が覚えてしまいます。
これを『一般化』といいます。
これ自体は別に悪い事ではないんです。
犬が危険なのは、その人にとって変えようのない事実です。
では、これが犬ではなくクマだとしたら?
狩猟が一般的な時代なら、クマが危険だと知らないのはマズイです。
危険とは、知識と体験なら意味合いも大きく変化します。
その分、生き残る確率は高くなる。
つまり、必要だったから存在している能力なのです。
これは一例にすぎません。
様々な要素で人間はネガティブにもポジティブにもなります。
重要なのは、人に必要なものだから善悪はなくて当然なのです。
話の根幹に戻ってきました。
現代社会のおいてネガティブな思考が嫌われてしまう。
理由は単純で、現代社会において不必要な要素と考えられるからです。
現代社会とは、危険を極限まで削いだもの。
そんな世界では、不安自体が足を引っ張ると考えがあるのです。
ただ、私の感覚ではありますが、この認識にはズレがあると感じます。
そもそもとして問題とはなんでしょうか?
ネガティブな思考や思想に悪い印象がある。
そう思っているのは、どんな人たちでしょう?
キャリアアップや自己啓発を推す人。
向上心が高い人。
そんな人たちではないでしょうか?
彼らが、一応に「ネガティブなのは良くない!」と言うのは何故ですか?
色々な憶測はいくらでも考えることができます。
ただ、1つだけ確実に言えることは?
彼らの人生はその方が都合が良かったのでしょう。
つまり、
「ネガティブの方が悪い!」ではないんです。
「ポジティブの方が得が多いよ!」と言っているんです。
その考え自体を否定はしません。
正しい主張ではあります。
ただ、ネガティブが故に成功した人もいない訳ではないのです。
例えば、言葉だけで受け取るなら一流のスポーツ選手の言葉があります。
「不安だから練習する」
不安が原動力となって練習したと考えられますよね。
結局は、ものを捉える時、どういう感情で処理するか。
それだけで、不安は止まる理由にも進む理由にもなってしまいます。
ネガティブもポジティブもどちらも人間に必要なものです。
いくら現代社会は危険度が低いとは言え、ゼロではありません。
そんな時、不安は間違いなくあなたを救ってくれるでしょう。
なにより「不安だから練習する」の言葉通り、不安は原動力にもなります。
ネガティブもポジティブ。
どちらも良く考えることができるし、悪く考えることもできる。
重要なのは、あなたにとって良い所どりをすればいいのです。
その為に何ができるか、考えていきましょう。
あなたの人生がより良い方向へと繋がるかもしれません。
あなたの人生が輝くきっかけになると願っております。
ご高覧いただきありがとうございました。
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