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逃げるのも才能
逃げていいんだと思う。
逃げなかったら生きていなかったかもしれない。
逃げていけないのは、権力のある人、その権力で、権力のない人たちの命や暮らしを左右してしまう人。
逃亡の人生だったと思う。
子供のころは借金取りから逃げるために夜逃げを繰り返した。
どこに逃げても貧乏は変わらず、東京に逃げたら、いじめが待っていた。
だから、いじめっこから逃げるために不登校になった。
ようやく東京に慣れても、家庭の混乱は収まらず、そんな家が嫌で、中学を卒業してすぐに旅に逃げた。
でも、お金が尽きたら、旅からは帰らなければならない。
帰ればまた修羅場が待っている。
そのためだけではないけれど、帰らない旅の選択のひとつに、結婚があった。
しかしすぐに気づく。
帰らなければならない場所が変わっただけだということに。
26年半我慢したあげく、逃げた。
引き換えに貧乏がやってくる。
しかし、介護の対象が実家だけになったことを考えると、やはり逃げたのは正解で、あのままでは、兄を看ることはできなかったと思う。
逃げられるものからは逃げたらいいと思う。
逃げても逃げても、逃げられないものが必ずあって、それと真っ向勝負するための力を、ほかのものから逃げながら蓄えるのだ。
狙うのは大将の首ひとつ。
一番強い敵を倒す前に、農兵の竹槍にやられちゃならんのだ。
逃げるのも才能。
「いやなことから逃げてばっかりいたらろくな大人にならない」と説教する大人はいまもいるけれど、明日死ぬかもしれない人生ならば、自分が前向きになれることのほうに時間を使いたい。
そのうち、何かのきっかけで、これまで見向きもしなかったことに興味が持てるかもしれない。
逃げるときにやり過ごしてしたことを、それから学び直しても遅くない。
人生の時間配分は、自分ですればいいのだ。
みんなで同時に同じことを学ばなくてもいい。
成長やものごとの取得には、みんなそれぞれ時差もあれば、方向も違うのだから。
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昨日のお昼は、生クリームを入れたフランス風カルボナーラ。
久しぶりに朝からしっかり目に掃除をしたら汗だくになったので、お昼前にシャワーを浴びた。
それで、久しぶりにお昼寝をした。
いつもはお昼寝さえ不眠症だが、昨日は寝た。
夢の中で追って来る者はいないのに、私は逃げている。
昔住んでいた懐かしい街、いま暮らしているリアルな風景を、必死というほどでもなく、ふわふわな足取りで。
逃げるって、進むってことだよなぁ。
停滞とか後退とか退化じゃないよなぁ、と思う。
逃げながら見える風景、逃げなかったら見えなかった光景。
うん。
これはこれでいいんじゃないか。
外は曇り空。
雨になるらしい。
冷房の要らない涼しさが嬉しい。
雨が「天気が悪い」って誰が決めたの?
お湯が沸いた。
珈琲を飲むとしよう。
今日はマンダリンを挽く。
いつもより、すこし丁寧に。
読んでいただきありがとうございますm(__)m