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関東と地方の差、外国の人の防災意識、自然災害時の情報難民…。いま、防災について思うこと。

関東と地方の差

一概には言い切れないが、
関東周辺で生まれ育った人は、
防災への意識が地方の人よりも高い気がする。
関東は兎に角、頻繁に地震が起きるし、
人も密集、高層の建物も密集、地下には高速道路や線路が何重にも敷かれて空洞で…

自然災害の被害が大きくなることが
容易に予測できる。

だから、防災対策を練っている人が多い印象。

もちろん、どこに住んでいようと、
人により、家庭により、
防災意識に差はあると思うけど、
私が防災を考える上で、
東京で生まれ育ってよかったと思う理由は、
「学校教育の中でみっちり防災を学ぶ」から。

いま思えば、すごくありがたかったなと思う。

学校で教えてもらえれば、分け隔てなく
みんな平等に自分自身の守り方や
災害に備えることへの大切さを知れる。
それに子どもの頃に教えられたことって、
大人になっても意外と自分の中に根付くから。

ちなみに私は東京で生まれ育ち、
15歳で山口県に引っ越したのだが、
山口の高校でも
もちろん避難訓練というものがあった。
しかし、小学生時代に行っていた訓練より  
なぜだろう、ほぼ内容が思い出せない…。
「校内放送が鳴ったら外に出ればいいんでしょ」
というようなマンネリ感の中での訓練だった。
それに山口県、大きめの地震とは無縁なので、
訓練が訓練として成り立ちにくいのかな?

それに比べて東京での学生時代は、
学校の椅子につねに防災頭巾を敷き、
消防署が来校してスモークの中を歩いたり、
起震車で震度七の揺れを体験をしたり、
避難順路の確認や教室から校庭に避難する
時間も計測されて少しでも以前の訓練より
遅かったら長いこと説教されたな。
とにかく頻繁に色んな訓練を受けてきた。


授業中に震度3以上の地震が起きることも
稀ではなかったので、「おかしも」(おさない、かけない、しゃべらない、もどらない)の掟を
教え込まれ、学校外で実際に地震が起こっても、低学年の頃から冷静に守ることができていた。

しかし、山口県に引っ越してから、
震度3の地震でも、軽いパニックになる
大人を沢山を見てきた。

やっぱり、防災って実際体験していないと
危機感や備えにも差が出るから、
そういうところも、災害の被害の大小に
違いを生み出すんだろうなぁと思った。

自然災害が起きた時に、
怯えてパニックになるか、それとも、 
すぐに今すべきことを行動をうつせるかで 
生死を分けることだってある。

地震がたくさん起きる関東圏の
ちょっとストイックな防災教育が
地方にももっと広まればいいなと思う。

外国人の防災意識

外国には自然災害が全く起きない国もある。

だから、日本のことを
自然災害が頻繁に起きる国だと
異常に怖がる人もたくさんいる。

それでも日本が好きで、
日本に来てくれる外国の人には
なるべく怖い印象を残して
日本を去ってほしくないから、
私たちが外国の友達やパートナーを
日本に招くなら防災の話をしておくのも大切だ。

自然災害が多い日本の中でさえ、
防災意識に差があるんだから、
外国の人は考え方も捉え方も全く違うと
思っておいた方がいい。

津波や地震を面白半分で
「体験したみたい!」なんて話す
外国の若者は本当に多い…。

甘く見てる人が本当に多いから、
それにイラッとするのではなく、 
相手が大切な人なら事実をちゃんと
伝えてあげてほしい。

地震=揺れるだけ、 
と思ってる人、いるんですよ。

台風は強風が吹いて荒波が立って
なんか映画みたいで面白そう!みたいな。

揺れや暴風によって建物が倒壊したり、
水や電気が供給されなくなったり、
家を失ったり、避難所での集団生活を
余儀なくされることがある…。
こういう地震による二次被害まで
想定できない外国の人が多い。

私のオランダ人の彼も軽く考えてた方でしたが、
日本滞在中に地震と台風に遭遇した時は
やはり恐怖を感じたようです。

どういう恐怖だったかというと、
まず、オランダで彼は生きてきた中で、
自然災害を体験したことがない。

だから、地震が起きた時に、
「揺れ=地震だ!」と理解するにも
数十秒の時間を要したとのこと。
つまり、揺れが何によるものなのか、
分からないで立ち尽くす間の恐怖が1つ。

そして、揺れが続き、地震と認識したあと、
これまで聞いたことのないアラーム音が
スマホから鳴り響き、不安を掻き立てられ、
流石に恐ろしさを感じた、と。

言葉もわからない土地勘もない国で
緊急を要する雰囲気や事態は、恐怖ですよね。

彼の体験談から思うのは、
外国の方を日本に呼ぶなら呼ぶ方が
しっかりと防災対策を教えてあげること!

外国の方へ防災を伝えるときのポイントは、
自然災害がどれだけ恐ろしいものかと
相手をビビらせるだけで終わらせないこと。
そして、軽く考えている相手に呆れて
放置しないこと!簡単じゃないけど。

自分の言葉でやんわりと何となく伝えるよりも、外国人向けの防災ガイドを手に持ちながら
説明して渡す、防災にの動画を一緒に見るなど
既存の防災コンテンツを活用して
本人にリアル感、臨場感を与えることが
大切だと思う。

ちなみにオランダ人の彼に見せたのは、
山口県が作成している
外国人向けの防災ハンドブック!
読みやすくて、わかりやすい!
県のホームページから
多言語で無料ダウンロードできます。


まだまだ知られていない災害時の支援

私が社会福祉協議会で勤務していたころ、
熊本県の震災で災害ボランティアセンターの 
立ち上げに携わらせていただいたのですが、
この時、「これって結構大きな問題かも」と、
思ったのは、災害時に情報難民となる人が
たくさんいるということです。

家が倒壊したときに、まずは何から始めたら良いのか、どこに相談したらいいのかを知ってる人は被害に遭ったときに立ち尽くすのではなく、
行動に移せるから被害を最小限に抑えられる。

家の中が土砂だらけになったら
誰が助けてくれるのか知ってる人は、
被害に悲しむ暇もなく支援先へ連絡できるから
復興までの時間が短くなる。

あらかじめ最寄りの災害避難所を知っていれば、恐怖で怯えながら過ごすのではなく、
避難所へ移動して精神的な安心を得られる。

福祉避難所の存在を知っていたら
福祉的な支援が必要な家族や友人の居場所を
しっかりと確保して守ることができる。

備えあれば憂いなし。
知ってるか、知ってないかが大きな差を生む。

自然災害を止めることはできないから、
どれだけ本物をイメージして備えられるかが
災害の被害を小さくするために
一番大事だと思う。

それに、自然災害に遭ったときに
想定できる大体のリスクへの対処や支援は、
すでに、いろんな支援団体や組織の方々が、
用意してくださっていたりする。

その情報を日頃から知っていたら、
災害時の予測ができるようになっていって、
余計な不安に悩まされず、
やるべきことが見えてくるのではと思う。

「自然災害は怖い」だけではいけない!
ちゃんと備えれば悲しみや苦しみが確実に減る。

それが防災だと思う。

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