夢水アスナ

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最近の記事

描写の書き方について言葉のレシピ帳第1回~

0 はじめに こんにちは、夢水です。 さて、また記事に少しだけ空白が出そうなので、今回は、『言葉のレシピ帳』と題して、自分がどんなことに気をつけて執筆しているのか簡単に書いてみようと思います。というのも、まったく視覚が使えない私が、「趣味で小説を書いています。」なんて周りの人に言うと、「どうやって小説を書いてるんですか?」とか、「小説書いてて楽しいんですか?」などと聞かれることがあるからです。それだけでなく、自分の執筆の極意やクセについて改めて文字で残しておくことで、もし筆

    • 僕の漫画の主人公第8話~充実と苦悩は二つで一つなんですね

      →前のお話を読んでいない方はこちら: https://note.com/asu_name_dream/n/n41b83abd142b 銀梓(シロガネアズサ)と漫画の話をして、椿に人生の意味を諭された日から、ぼくはできるだけ現実に向き合っていこうと思って生活した。学校では先生が黒板に書いていく、漫画の何倍もつまらないモノクロの文字の羅列を追いかけて、漫画部ではそれを忘れたい化のように漫画を書き続けた。自分が描いた通りにならないのが人生だという椿の言い分がほんとなら、新しく発

      • 鑑賞記録1~『消しゴム山』を観劇して

        0 はじめに こんにちは、夢水です。 少し記事に余裕が出来たので、2ヶ月ほど前の演劇鑑賞のことについて書くことにします。 私は、さる2月の中旬に、主催者の方の紹介で、チェルフィッチュという劇団の『消しゴム山』という演劇を見に行きました。この記事では、その感想について書きます。できるだけ内容のネタバレには注意いたしますが、ぜひご覧になったりじょうほうをしゅうしゅうしたりしてからお読みいただけると分かりやすいでしょう。また、2ヶ月前の話を急に書きたくなった者ですから、記憶に若干

        • 僕の漫画の主人公第7話~きみにこの花をあげる

          前のお話を読みたい方はこちら: https://note.com/asu_name_dream/n/n3e39a6419f24 夏の終わりというのは人を悲しくさせる季節だ。夏休みという安息が終わる。厚くて元気な季節が、少しずつ寒くて静かな季節に向かっていく。日がだんだん短くなっていく…。そんなことを考えると、9月が始まったときは、いつも悲しい気持ちになってしまう。 今年もそうだった。でも今年の悲しさはかなり純粋な理由によるものだと思う。 にぎやかだったぼくの家は、エマがい

        描写の書き方について言葉のレシピ帳第1回~

          僕の漫画の主人公第6話~一番楽しい夏だった

          →前のお話を読んでいない方はこちら:https://note.com/asu_name_dream/n/n7c8164e89fe4 「ええ?がっかり…!」 彼女は僕の方をみていきなりそう言った。 「もっとイケメンかと思って期待してたのにただのでぶじゃない。道理でみつからないわけだ。エマ、かっこいい男子しかさがしてなかったから…。」 僕は、自分の容姿が攻められることよりも、いくらハーフとは言え、彼女がものすごく流暢に、しかもなんの問題もなく日本語を話していることに対して、かな

          僕の漫画の主人公第6話~一番楽しい夏だった

          言葉で訪ねる『音ちゃん』の世界第7号~映像編その2

          0 はじめに こんにちは、夢水です。 さて、今回の記事が、とうとう「言葉で尋ねる『音ちゃん』の世界」の最終号となりました。約1ヶ月にわたって連載してきたこの記事ですが、今回は前回に引き続き、映像やリモート合唱のことに触れながら、最後の記事とさせていただこうと思います。 今回お話を伺ったのは、映像編集と『命の音色』のリモート合唱編集をメインに携わっていただき、エキストラとしても出演していただいた、ゆうみさんです。最終号ですので、ぜひ心して読んでくださいね。 1 作者とゆうみ

          言葉で訪ねる『音ちゃん』の世界第7号~映像編その2

          言葉で訪ねる『音チャン』の世界第6号~映像編その1

          0はじめに こんにちは、夢水です。 すっかりお久しぶりの更新になってしまいましたが、今回も、前回までと引き続き、「言葉で訪ねる『音ちゃん』の世界」ということで、1ヶ月あまり前に公開されたラジオドラマ、『音ちゃん』の製作に携わった方々にお話しを伺っていきます。 前回までは、音楽のお話やシナリオのお話が中心となりましたが、今回からは、ラジオドラマの製作でもう一つの重要な柱となったイラストや映像に関することを掘り下げていきます。 今回お話を伺ったのは、主に『音ちゃん』の製作でイラ

          言葉で訪ねる『音チャン』の世界第6号~映像編その1

          言葉で訪ねる『音ちゃん』の世界第5号~音楽編その2

          0 はじめに こんにちは、夢水です。 今回も、前回までと引き続き、『言葉で訪ねる音ちゃんの世界』ということで、先日公開されましたラジオドラマ、『音ちゃん』の製作に関わった皆さんにお話しを伺っていきます。 今回は、前回と同様、『音ちゃん』には欠かせない音楽の世界を引き立たせてくださったコッシーさんにお話を伺いました。前回第4号では、主題歌である『命の音色』を中心とした内容になりましたが、今回は広く、このお話と音楽との関係について掘り下げていきます。 1 作者とコッシーさんと

          言葉で訪ねる『音ちゃん』の世界第5号~音楽編その2

          言葉で訪ねる『音ちゃん』の世界第4号~音楽編その1

          0 はじめに こんにちは、夢水です。 今回の記事も、先日公開されましたラジオドラマ、『音チャン』の世界を言葉で体感していただきます。今回は、このドラマの主題歌であり、「音ちゃんとの約束」の歌でもある、『命の音色』を作曲いただき、役者としても出演いただいた和音(ワオン)さんに『命の音色』という曲に込めた思いを伺いました。ドラマの本編はもちろんのことですが、『命の音色』を聞きながらご覧いただければ幸いです。 1 作者と和音さんとの関係 私と和音さんは、高校生の頃からの知り合

          言葉で訪ねる『音ちゃん』の世界第4号~音楽編その1

          言葉で訪ねる『音チャン』の世界第3号~監督編

          0 はじめに こんにちは、夢見ずです。 今回の記事も、「言葉で訪ねる『音ちゃん』の世界第3号」として、先日公開されたラジオドラマ第6弾、『音ちゃん』について書きます。 今回は、監督兼音声編集のげんさんにお話を伺い、この作品の演出や編集に関する裏話をご紹介していきます。この作品のまた新たな顔を見つけることができるかもしれませんよ。 また、前回までの記事よりも、さらに具体的なシーンについて言及しますので、まだご覧になっていない方は、下記のリンクよりご覧になりながらお楽しみくださ

          言葉で訪ねる『音チャン』の世界第3号~監督編

          言葉で訪ねる『音ちゃん』の世界第2号~脚本について(後半)

          0 はじめに こんにちは、夢水です。 ラジオドラマ第6弾、『音ちゃん』が公開されて二日ほど経ちましたね。今日も、「言葉で訪ねる『音ちゃん』の世界」の第2号として、脚本の裏話を中心に書いていきます。 前回の裏話では、脚本に込めた思いを中心に書いたのですが、今回は少し、音楽とシナリオとの関係にも焦点を当てながら書いていきます。 1 時間的・空間的公共性を担保する駅ピアノ さて、この作品で何よりもカギとなるのは、「白と黒の毛を持つ怪物」こと、主人公たちの住む町の駅前に置かれて

          言葉で訪ねる『音ちゃん』の世界第2号~脚本について(後半)

          言葉で訪ねる音ちゃん』の世界第1号~脚本について(前半)

          0 はじめに こんにちは、夢水です。 昨日、とうとう私が脚本担当として携わったラジオドラマの最新作、『音ちゃん』が公開となりました。改めて、この作品に関わった全ての皆さんに、原作者として深く感謝申し上げます。そして、すでに作品をご覧になり、温かいコメントを寄せてくださった方々も、本当にありがとうございました。まだ見ていないという方は、ぜひ記事末尾のリンクよりご視聴ください。 さて、この「言葉で訪ねる『音ちゃん』の世界」では、この作品に関わった人たちにお話を伺いながら、この作

          言葉で訪ねる音ちゃん』の世界第1号~脚本について(前半)

          ラジオドラマ製作裏話第3章~『アップデート』について

          0はじめに こんにちは、夢水です。 さて、昨日新作の第5話を更新しましたが、読んでいただきましたか? 少しずつ新作も中盤に入って参りました。 そして、Twitterのほうでも宣伝したように、明日いよいよラジオドラマの新作も公開となります。そちらについては特集記事として掲載しますのでお楽しみに。 さて、今日もラジオドラマの過去作品についての裏話です。今回取りあげる作品は、『アップデート』という、公開されているものでは最新の作品についてです。気になった方は末尾のリンクからご視聴

          ラジオドラマ製作裏話第3章~『アップデート』について

          僕の漫画の主人公第5話~こういうことはよくあります

          今年の7月の空は明るい。7月のカレンダーがめくられた瞬間に、雨は降らなくなった。野球部の大会に向けての練習もきっと本格的になりだすはずだ。だがその前に、僕たちは試練に立ち向かわなければならない。 勉強という怪物と戦うためにはコツがいる。たいていはうまくいかない。特に僕みたいに、勉強も運動も…以下略、のような人間は太刀打ちできないのだ。僕はダメ元で机に向かって問題を解くしかなかった。ただ、鉄に勉強を教えられたり、椿に勉強を教えたりしたことで、前よりは少しだけ勉強に対する意欲がわ

          僕の漫画の主人公第5話~こういうことはよくあります

          ラジオドラマ製作裏話第2章~『アナタが主役のワンカット』について

          0 はじめに こんにちは、夢水です。昨日は投稿をおサボりしてしまいましたね、すみません。 今日も、一昨日の記事に引き続き、いままで私が脚本担当として携わったラジオドラマの脚本製作裏話を書いていきます。今回取りあげる作品は、去年の夏に作った、『アナタが主役のワンカット』という作品です。記事の最後にリンクを記載しておきますので、ぜひそこからご視聴ください。 1 あらすじ 舞台はとある総合大学。小説家を目指す女子学生、丹坂文乃(ニサカフミノ)は、ある非、ラジオドラマを作らない

          ラジオドラマ製作裏話第2章~『アナタが主役のワンカット』について

          ラジオドラマ製作裏話第1章~『君の兄弟になりたい』について

          0はじめに こんにちは、夢水です。本日も新作アップはお休みです。もう少々お待ちください。 新作アップの合間を縫って、今日もラジオドラマの製作裏話について書いていきます。昨日は、私がラジオドラマの製作に携わるようになったきっかけを書きましたが、今日は私が本格的に脚本担当として携わった第1作目、『君の兄弟になりたい』について、脚本担当として思ったことを書きます。なお、今日からご紹介する私の携わったラジオドラマは、すべてげんラジチャンネルという、知人の運営するユーチューブチャンネ

          ラジオドラマ製作裏話第1章~『君の兄弟になりたい』について