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ChatGPTによる真理の勇気

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ミシェル・フーコーの講義録の「パレーシア」について新約聖書でパレーシアを講義していた方法論を真似て、5世紀の偽ディオニシオスの「神名論」のパレーシアを提示、さらにエリウゲナによる…
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#パレーシア

ChatGPTによる真理の勇気その1 ギリシアのパレーシアとキリスト教神秘主義への展開

 さすがギリシア哲学。真理を述べるということに専用の言葉がある。
 それはパレーシア(名詞)。動詞ではパレーシアゼスタイ。
 早速ChatGPTにその意味を聞いてみよう:「自分の意見や考えを隠さずに率直に表現することを指します。」
 この言葉を取り出して哲学の俎上に乗せたのは私の推しのミシェル・フーコー(Michel Foucault)である。
 フーコーと言っても話題は広いが、私は、フーコー最晩

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ChatGPTによる真理の勇気 その2 ギリシア哲学をキリスト教に接続した偽ディオニシオスのパレーシア

ChatGPTによる真理の勇気 その2 ギリシア哲学をキリスト教に接続した偽ディオニシオスのパレーシア

前回はギリシアの哲学のパレーシアの政治的な面と聖書の中の具体例、それをChatGPTでギリシアの原文からのデータ変換を検討。フーコーの指摘により聖書においてパレーシアに「神の愛への信頼、最後の審判の日に神が人間を迎え入れるやり方への信頼」が加わっているを見ました。そしてパレーシアは神秘主義の一つの極であるとフーコーは結論します。フーコーはその後、もう一つの極としてバレーシアに懐疑的な態度を取る人々

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ChatGPTによる真理の勇気 その3 エリウゲナによる偽ディオニシオスのパレーシアのギリシア語からラテン語への翻訳

ChatGPTによる真理の勇気 その3 エリウゲナによる偽ディオニシオスのパレーシアのギリシア語からラテン語への翻訳

ギリシア哲学に起源をもつパレーシアが聖書に使われ、「神への信頼」「復活への信頼」の意味が付与され、偽ディオニシオスで使われているのも、同じ論調でポジティブなパレーシアと言えるものでした。
 この文書はエリウゲナ(Johannes Scotus Eriugena, 810年? - 877年?)によって9世紀に翻訳されました。出典を失念しましたが翻訳チームを作っての翻訳であったようです。
 エリウゲナ

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ChatGPTによる真理の勇気 その4 エリウゲナの翻訳と修道院規則からパレーシアを思索する

ChatGPTによる真理の勇気 その4 エリウゲナの翻訳と修道院規則からパレーシアを思索する

 前回は、3つのパレーシアのラテン語翻訳の訳しわけを検討し、一番初めのラテン語表現(Audebit autem et hoc dicere vera ratio 真の理性はこれを言うことにも挑戦するでしょう。)が,際立っていることを見ました。
 その内容も「彼自身がすべてのものの原因であり、善の卓越性によってすべてを愛し、すべてを創造し、すべてを包み込み、すべてを変え、また最高の最高の神聖な愛です

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ChatGPTによる真理の勇気その5 反パレーシア体制とキュニコス派によるパレーシアの生き残り戦略

ChatGPTによる真理の勇気その5 反パレーシア体制とキュニコス派によるパレーシアの生き残り戦略

 前回までで偽ディオニシオスのギリシア語文書のパレーシア部分のラテン語に翻訳されているかChatGPTを活用して覗き見して、エリウゲナはパレーシアした翻訳をしたのではないか、と考察しました。パレーシアが使ってある原著の部分は聖書に見られるようなポジティブなパレーシアで「神への信頼、最後の審判への信頼」が感じられる内容でした。エリウゲナはパレーシアをギリシア語からラテン語に、「真の理性はこれを言うこ

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