絵ッセイ 「MRI中の、フィルハーモニー。」
これは、実際にいる女の子「あーちゃん」のことを書いたお話しです。
目次
・はじまり
・頭の中心で9cmのあなたと巡り合った
・あなたはだあれ?
・心の声と風が届けた自由
「MRI中の、フィルハーモニー。」
あーちゃんはたくさん治療もしたけど、本当にたくさん検査のため医療用機械に入りました。MRI、CT、PETなど。その中である体験をしました。
MRIは、X線は一切使用しておらずとても強い磁場と電波で様々な方向から体の断面像を撮影することが可能です。
磁場と波動から瞬間瞬間のからだの様々な情報を収集しからだの奥を詳しく観ることができるのです。
15歳のあーちゃんはそうとも知らず案内されるまま検査をし、まんまるな白い塊が鼻から頭の真ん中にドドーンっとある撮影データを毎回眺めていきました。
ある日、いつも通り頭を機械に入れて点滴をしてMRI検査をしていました。
検査中は自己流ながら呼吸法を取り入れ心身の力みを緩めることもありました。目を閉じていろんな音がグワングワン鳴る中、こんな映像が浮かんできたのです。
それは色々な定まりのない色のような色でないようなのがあって、その間に細くあるようなないような線のような波紋のような言葉にならないものが織り合った美しい立体の模様が銀河のようでどこまでも広い宇宙みたいに広がる映像でした。
決して眠っているわけではないので意識はあるのでした。そして、あーちゃんの中にそれが振動し合うものとしないものがあると感じました。
そこからあーちゃんの頭にある塊の起源は自身が創り出したんだと感じました。
けれど、恐いとか怒りとかそのような感情は一切ありませんでした。
ただ、エラーが起こっていたことをスルーして気が付かなくて「ごめんね。」と感じました。
そこを含めて全てが一つになった交響曲みたいな感じに包まれたように検査を終えました。
あーちゃんは、主治医に余命宣告と完治はないと告げられていましたが、より9cmのあーちゃんはともだち。一緒に生きればいいし愛そうと感じました。
一方、自分ががん患者であることをすっかり忘れて、元気になって叶えたいことにいーーーーーっつも想いを馳せて過ごすことも多かったのでした。
9cmの塊も交響曲ように色々な波動があってハーモニーになる。全てが生きている。あーちゃんはこのカラダは宇宙なんだな!だから、などうにもならないこと少しはあると思うけど、こんなに美しくてエネルギーに溢れてるんだ。
波動の映像を観れてからある確信がよりはっきりし、あーちゃんは、その確信を深めていってみようとワクワクしたのでした。
楽観的なあーちゃんは部屋に戻っても、あの映像が蘇ってなんだか至福な気持ちになってたのでした。
つづく
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