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絵ッセイ 「頭の中心で9cmのあなたと巡り合った」

これは、実際にいる女の子「あーちゃん」のことを書いたお話しです。

「頭の中心で9cmのあなたと巡り合った」

北海道の海と小さな丘や山と広々な農園と馬や牛がのんびり過ごす田舎の町に、当時15歳のあーちゃんは暮らしていた。ママとおとうとたちと、近くに住むおじいちゃんおばあちゃんと過ごす毎日が大好きなひと。

ある日、あーちゃんは頭の中心で9cmのまん丸な腫瘍と出会ったのでした。
それまでいつからいたのか知らなかったから「あなたはだあれ?」という感覚でした。

対面するまでの少し前から、耳に激痛が走るようになった。あーちゃんは痛みには強いタイプなんだけど、あまりの痛さに目から涙さんが流れる日があって、すぐに病院へ。

中耳炎との診断。すぐに治ると思った。何度か繰り返しす中また激痛がやってきた!いつもの病院が閉まっていた。あーちゃんのママはすぐに別の病院へ車を走らせる。

すると、いつもとは違う展開になった。
病院の先生のムードがこれまで診ていただいた先生と違う。診察の内容や今の状態についての説明をしてくれた。

ちなみにあーちゃんはTVなどの手術シーンが手で覆ってしまうくらい苦手!!!なんだけど、病院の先生の説明を聞くとき鮮やかに私の顔の真ん中が映し出された画面で詳しくお話ししてくれたんだ。

最初は先生の話すことに集中していたんだけど、だんだん景色が揺れ始めピューンと気を失ってしまった!何となく視界がシャットダウンする寸前で、目の前に座ってる先生に正面版膝枕の状態で倒れたのが残像で覚えている。

病院のベットで目を覚ましママがすぐそばいいることに安心しつつ、少しそのことを思い出し「あれ?えー、うわー!」と恥ずかしくなったりと。

そしてすぐに検査入院と手術が決まって、本当にすぐまた病院にいたように感じる。それから、すぐに手術に。意識が3、2、1、スンと真っ暗になった。麻酔からさめ天井がぼんやり映る。

しばらくして、いつの間にかママが先生に呼ばれ検査結果へ。
氣がつくとママがいた。いつものママに安心し特に何も考えずベットに寝転がっていた。でもママがたった一人で聞いてきたことは、あーちゃんの頭の中にいたのが余命半年の上咽頭がんという悪性腫瘍ということ。
ちょうどチャクラで言うとね、第6チャクラにいらっしゃった。

その名もあーちゃんと同じ「あーちゃん」。又の名を「9cmのあーちゃん」
人間あーちゃんはこの後、言葉にならないほど大切なことを「9cmのあーちゃん」から学ぶことになるのだった。

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