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卒業:選択・正解を考えると、見えてくるあゆみ方

昨年2020年は多くの小中高校、大学で卒業式が中止となった。多くの児童・生徒・学生・その保護者は行き場のない感情を持ったことと思います。

10年前の東日本大震災のときも卒業式が中止になりました。そのときも日本中が不安と恐怖、悲しみにあふれました。

私は、そのような中で卒業式が中止になった卒業生へ向けた当時立教新座中学校・高等学校校長の渡辺憲司先生の言葉が胸に残っています。

今年は、学校の前を通ったり、SNSを見たりすると卒業式の看板や写真を目にします。

良い顔をしている子と保護者。やはり、ひとつの区切りの日。卒業式は子のためでもあり、保護者のためでもある。

本校では、生徒・保護者の座席に十分な間隔を置くことから参列できる保護者の人数に制限を設けて執り行うことができました。

卒業学年も今年はじめて全クラスが集ったのではないでしょうか。保護者も今年はじめて来校された方がほとんどだったと思います。

式後の保護者や卒業生の顔を見ると、教師として本当にほっとできました。さまざまなことが各家庭であったと思いますが、高校という子育ての大きな区切りを私もご一緒できたことは、何にも変えがたい特別な瞬間。そして3年間を共有できたことに感謝です。


そんな卒業シーズンでは、話す機会が増えます。私がよく話すことを今日はお話しします。

1)「選択」することの悩み
2)「正解」とは何か

大学を選ぶことも、学部を選ぶことも非常に悩むし、大学生活をどう過ごすかも悩むことと思います。

本当にこれでいいのかな。

そんな感情は特に大学生活ではよく起こるもの。

「もう成人になるんだし、親に頼らず自分で決めたいしな」

「俺は俺が決めたい!けどなんか周りに流されちゃう、、けどいいのかな」

高校までに出会い、深く付き合う大人は親か親戚か先生くらいなもの。

選択に迷ったら大人に助言を求めるのは1つの選択肢。理由は、大人は君より数十年長く生きているから。大学の先輩でもいいが、先輩も同じ大学生。長く生きている大人は長く生きている分、たくさん悩んできている。もちろん歩んできた道も違ば経験してきたことも違う。

注意するべき点は「大人の助言は君の正解ではない」ということ。上に書いたように経験してきた内容も時代も違うから、あくまで助言で従う必要はない。

じゃあ「正解って何?」となるが、その方法は1つ。

自分で正解を作る。

「大学を卒業する頃に、自分はこうでいたい。」

「働き始める頃は、こういう大人になっていたい。」

そういう自分の姿を想像することでレールを敷いていくことができます。自分の路線を作る感じですね。駅とレールのイメージ。駅がないとどうレールを敷いて良いかわかりませんから。

●英語ができて商社に勤めて28歳にはIT分野の起業をしたい。

●フェアトレードをもっと世界に広めていく仕事につきたい。

●AI技術が伸びている分野だから、その分野で多くの困っている人を助けたい。

●災害の多い日本が災害を恐れない、そんな強固な国づくりの一端を担いたい。

そんなふうに考えてみると、

・TOEICは850点は欲しいな。

・就職する前にインターンは3社くらい受けたいな。

・プログラミングはできるようにする。

・海外に10カ国くらいいきたいな。アジアもアフリカも南米も行きたい。

・各地のまちづくりを調べるために日本を縦断しながら、まちと人をしりたいな。

こんなふうに考えられます。

そうしたら選択する怖さは消えますよね。君が考えたものを行動することで、それが正解になります。

これは大人でも実はそうで、ベストセラー『7つの習慣』ではこう書かれています。

自分の葬式でどう語ってほしいかを想像してみよう。

そう考えると、行動は変わるものですね。

<まとめ>

規則があると人の行動は狭められ、案外自由よりも居心地が良いものです。それは、それに従っていれば文句を言われないから。

大学は、高校までと大きく違うことは規則が格段に減ることです。授業をサボろうが単位を落とそうが、教授も大学も出席しなさいとは言いません。「学費をおさめてくれればもう1年在学していいですよ」と言うだけです。

終わりを想像することで今が変わる。

そんなふうに新しい門出を迎えられるよう、3月残り2週間を過ごしてはいかがでしょうか。

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