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パッチワーク・キャリアが人生にもたらしてくれたもの

先日、あらためて自分のキャリア・ストーリーを棚卸しして、まとめてみました。

23歳で結婚してから、夫の転職や転勤、出産や育児、転居など家庭の都合に合わせて9つもの職業を転々としてきました。

退職のときはいつも後ろ髪を引かれる想いでしたし、仕事を覚えて充実感をもって働けるようになり、昇格や昇給の打診を受けるあたりのタイミングで退職せざるを得ないことが多かったので、悔しい思いもたくさんしました。

新しく仕事を探すのはとても大変です。
年齢が上がり、子どもも増えて、条件は厳しくなっていきましたが、できるだけ妥協をせずに仕事を選び、勇気を出して門を叩きました。

転職の回数が多いことは、一般的に採用の場面では不利になると言われていますが、私が出会ってきた経営者やリーダーの中にはプラスに捉えてくださる方が少なくありませんでした。

バラバラの経歴をおもしろがってくれたり、何でもできる(何にでも挑戦できる)人として肯定的に受けとめてくれたり。

そんな風に人を見ることができる方だからこそ、一緒に働きたいと心から思うことができましたし、そこで出会った素敵な人たちとのご縁は宝物です。

今になって感じるのは、すべての経験が今の自分を形づくる大切なパーツになっているということです。

色も柄も違う生地をクリエイティブに縫いあわせてつくるパッチワークのように、すべての経験があったからこそ人生がより自分らしく、彩り豊かになったと実感しています。

私の大好きなキャリア理論家、サニィ・ハンセンさんも、人生をキルトにたとえ、人生におけるそれぞれの「役割」が組み合わさって「意味ある全体」ができる、と言っています。

そして、人生における役割を4つの「L」で表現しています。
4つの「L」とは、Love(愛)、Labor(労働)、Learning(学習)、Leisure(余暇)のこと。

すべてを同じ分量にすることが良いのではなく、これらの役割と職業をどう組み合わせれば、自分らしいキルトができるのかを考えることが大切です。

あなたの今と今までをキルトで表すと、どんな織柄になりそうですか?
4つの「L」の中で、充実していると感じるもの、不足していると感じるものは、それぞれ何でしょうか?

自分らしいと思えるバランスに織りあげていくために、どんなことができそうでしょうか?

そんな視点でキャリアと人生を捉えてみると、ちょっと新鮮でおもしろいと思いませんか。

「キャリアデザイン」という言葉が示す通り、主体的に中長期的なキャリアプランを設計し、それに基づいて計画的に行動を積み重ねることはもちろんとても大切です。

でも、人生には思いがけないハプニングがつきものです。

予期していなかった出来事が起こったり、予期していた出来事が起こらなかったり。それによって生まれる偶然の出会いなどを、すべてチャンスと捉えて柔軟に適応していく、「キャリアドリフト」という考え方もまた、長い人生を自分らしく生きていくためにはとても大切ではないでしょうか。

「すべてはうまくいくようにできている」
そう信じて、これからも自分の人生を愛していたいと思うのです。

明日はきっといい香り
明日香


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