見出し画像

梅雨の季節に読みたい本 3選

こんばんは。考える葦です。

連日の雨ですが、本を読むにはいい季節だなと思います。
雨の音も心地良いですし、本のページも心なしかめくりやすいような気がします。
初夏に向かうこの季節に、毎年なぜか読みたくなる本をご紹介します。

1:谷崎潤一郎「陰翳礼讃」

日本の暮らしと住まいの中の闇、暗がり、影、これほど様々な趣の黒があるのだなとはっとさせられます。
建具など住まいの在り方や道具の描写に、当時の暮らしの様子が見られるのも興味深いですし、漆塗りの椀や羊羹について書かれた部分は、特に魅力的で何度も読み返してしまいます。

2:俳句歳時記「夏」

たくさんの季語が収められた俳句歳時記は季節ごとに読みたくなる本ですが、特にこの「夏」の一冊は、梅雨が明け夏へと向かう風や光、陽射しや夕立など、多彩できらめく言葉が多く散りばめられた一冊です。
生活や行事、動植物など様々な種類のある季語ですが、特に面白いなと思うのは「生活」の項。
「扇風機」「線香花火」「プール」「ナイター」「ソーダ水」など、魅力が満載の言葉たちが並びます。
雨の音を聴きながら、今年の夏をどう過ごそうか、思いを馳せてしまいます。

3:徒然草 吉田兼好

「つれづれなるままに」で始まる、鎌倉末期に書かれた随筆集。
人生訓、暮らしの工夫、世にあった出来事とそれへの考察など、244の短い文章で構成されています。
講談社学術文庫の全訳注シリーズは現代語訳や解説がとても読みやすく、原文を味わうことも、訳文で内容を正しく知るのにも、とても良い本だなと思います。
鎌倉末期に書かれた古典ですが、内容は現代に通じるものが多く、暮らしの知恵などは生活を振り返る良いきっかけになりますし、人間関係の事柄など、読みながら頷いたり考えたり。
一つ一つがちょっとしたコラムという趣で、隙間時間に少しずつ読んだり、眠る前や、パラパラと見て気になったところを読んだり、いろいろな楽しみ方ができます。

以上、3選でした。

1と3は原文を青空文庫でも読むことができます。

全国的な梅雨明けにはもう少し時間がありそうですが、雨の音を聴きながら、読書を楽しめたらと思います。


この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?