マガジンのカバー画像

星色Tickets(ACT2)

28
〝創作大賞2024 オールカテゴリ部門〟に応募した「星色Tickets」のACT2(分岐あり)になります。
運営しているクリエイター

2024年5月の記事一覧

星色Tickets(ACT2)_SCENE22

星色Tickets(ACT2)_SCENE22

※共通(シナリオ分岐あり)

//背景:恭司の家_朝

勝負の日まで残すは二週間弱。

瑠奈の奮闘のおかげで脚本は完成したけど、問題はこれからだ。

大幅に改変した物語。それによって当然、台詞も大幅に変わり、となれば必然的に役者に負担がかかる。台詞を暗記しなくてはならないからだ。

さて、どうしたものか。

小波「やっぱり体調悪いの?」
恭司「いいや、ちょっと考えごと。ほら小波、そんな顔してないで

もっとみる
星色Tickets(ACT2)_SCENE20

星色Tickets(ACT2)_SCENE20

※共通(シナリオ分岐あり)

//背景:病院_夜

恭司「じゃあふたりとも、いい時間だから気をつけて帰るんだぞ」
すもも「えぇ~めんどいっ! 泊めてっ!」
恭司「公共施設だから云々って言ってたのお前だろ……」
恭司「それともなんだ、俺と一緒に寝るのか?」
すもも「アリよりのアリですな。子供の頃はよく一緒に寝てたし」
恭司「いや、子供の頃の話だし。もう高校生だし」
星「青海せんぱいが泊まってくなら、

もっとみる
星色Tickets(ACT2)_SCENE19

星色Tickets(ACT2)_SCENE19

※共通(シナリオ分岐あり)
 
※ACT3で攻略するヒロインが一足早くお見舞いにやってくる。
 以下、小波ルート(ノーマルEND)のシナリオ

//背景:病室_夜

恭司「んんっ……」
小波「お兄ちゃん?」
恭司「……小波か?」
小波「お兄ちゃんっ!」

胸にあたたかな温もりを感じる。

目を開くと、今にも泣きだしそうな顔をする小波が俺に抱きついていた。

小波「よかった……ほんとによかったよぉ…

もっとみる
星色Tickets(ACT2)_SCENE18

星色Tickets(ACT2)_SCENE18

※共通(シナリオ分岐あり)

//背景:喜多川書店_夕方

志那「最近元気ありませんね」
恭司「……」
志那「今日は恋愛もののライトノベルですか。昨日読んでいた阿刀田高はもう読み終えてしまったんですか?」
恭司「……」
志那「もしもーし先輩」
志那「……むぅ。無視ですかそうですか」

視界が真っ暗になり俺は我に返った。

志那「だ~れだ?」
恭司「喜多川書店店長代理の可愛い後輩」
志那「……先輩っ

もっとみる
星色Tickets(ACT2)_SCENE17

星色Tickets(ACT2)_SCENE17

※共通(シナリオ分岐あり)

//背景:校舎裏_夕方

梅雨が遥か遠くの出来事であったかのように、空は青々と晴れ渡っている。

葉はますます深緑に染まり、雨音はセミの合唱となり、気づけばもう七月だ。

七月。
 
俺たちの勝負の瞬間まで、残すところ四週間。

恭司「なんか違うんだよなぁ~」

にもかかわらず、企画の段階で言えよ、とツッコまれそうな不満を口にする監督がいた。

瑠奈「まだ足りない点が

もっとみる
星色Tickets(ACT2)_SCENE16

星色Tickets(ACT2)_SCENE16

※場所選択でヒロイン絞り込み⑧
瑠奈⑤→重要①&②で解放 
    相合傘をして帰る恭司と瑠奈
アリス⑤→重要①&②で解放 
     生徒指導に理不尽に怒られる恭司をかばうアリス
志那⑤→重要①&②で解放 
    お見舞いに来た恭司を引き留める志那
小波②→父親から手紙が届いて悲しむ小波を海に連れて行く

※小波シナリオ①・②どちらも読んだ場合、小波END(ノーマルEND)となる。

以下、小

もっとみる
星色Tickets(ACT2)_SCENE15

星色Tickets(ACT2)_SCENE15

※場所選択でヒロイン絞り込み⑦
すもも⑤→重要①&②で解放 
     住宅街・星と瑠奈が恭司を好いていると伝えるすもも
星⑤→重要①&②で解放 
   校舎裏・演技を建前に恭司の頬にキスする星
あげは⑤→重要①&②で解放 
     演劇サークル部室・お揃いの必勝お守りをもらう
小波①→恭司の家・いつだって小波が最優先の恭司

※以下、小波①シナリオ

//背景:恭司の家_朝

恭司「え、授業参

もっとみる
星色Tickets(ACT2)_SCENE14

星色Tickets(ACT2)_SCENE14

※共通

//背景:演劇サークル部室

恭司・瑠奈「終わったぁ~」

六月の終わり間際。日に日に下がっていく冷房の温度は、まるで締め切りという名の巨人の足音のようで。

けれど、そんな不穏な気配に悶々とする日々とも今日でお別れらしく……

恭司「ついにやったんだな、俺たち」

藤沢は二週間ちょっとで原稿を書き上げた。

執筆期間と中間テストが重なっていたから、多少予定が後ろ倒しになるかと懸念してい

もっとみる
星色Tickets(ACT2)_SCENE13

星色Tickets(ACT2)_SCENE13

※場所選択でヒロイン絞り込み⑥
すもも④→廊下・告白されるも好きな人がいるからと断るすもも(重要②)
星④→校舎裏・友人に恭司と付き合っているのかと問われて強く否定する星(重要②)
瑠奈④→演劇サークル部室・瑠奈が小説を通して想いを伝えるも察してくれない恭司(重要②)
志那④→校門・志那の自転車がパンク。二人乗りして帰る恭司と志那(重要②)

以下、星④シナリオ

//背景:校舎裏_夕方

星「わ

もっとみる
星色Tickets(ACT2)_SCENE12

星色Tickets(ACT2)_SCENE12

※場所選択でヒロイン絞り込み⑤
すもも③→演劇部部室・演劇部に出向いて必死に練習するすもも(重要①)
あげは④→あげはの家・双子の監視をあげはに頼まれる(重要②)
アリス④→演劇サークル部室・寝ている恭司にビズするアリス(重要②)
志那③→街・スーパーで志那とばったり出逢う

以下、アリス④シナリオ

//背景:演劇サークル部室_夕方
//SE:扉の開く音

アリス「失礼しま……恭司くん?」
恭司

もっとみる
星色Tickets(ACT2)_SCENE11

星色Tickets(ACT2)_SCENE11

※共通

//背景:家庭科室_夕方

米山「こんな感じの衣装に仕上げようと思うのですが……どうでしょうか?」
恭司「さすがは福原先輩の後継。完璧だよ」
米山「ありがとうございます。では明日、雛鳥さんを家庭科室まで連れてきてください。正確に採寸したいので、スリーサイズまでしっかり教えていただけるとありがたいです」
恭司「わかった、伝えとく」
恭司「改めて米山さん。俺のわがままを聞いてくれてありがとう

もっとみる
星色Tickets(ACT2)_SCENE10

星色Tickets(ACT2)_SCENE10

※場所選択でヒロイン絞り込み④
星③→校舎裏・星の演劇練習を見守る恭司
瑠奈③→街・疲労の蓄積で本音を包み隠す余裕のない瑠奈(重要①)
あげは③→演劇サークル部室・あげはと演劇鑑賞
アリス③→街・息抜きする恭司とアリス

※以下、瑠奈③シナリオ

//背景:図書館(過去)

恭司『努力家なんだな藤沢って』
瑠奈『……っ!? ストーカーなんて趣味が悪いわね。冷やかしにでもきたの?』
恭司『そんなこと

もっとみる
星色Tickets(ACT2)_SCENE9

星色Tickets(ACT2)_SCENE9

※共通

桜の花びらがひらひらと地上に降り注いでいる。

恭司「うぅ、アリシアぁ……」

一枚、また一枚と。命の燃えゆくさまを示唆するように、中庭の大木についた桃色の花弁が徐々に地上に散り落ちていく。

瑠奈「ふぅ。ようやくゴーサインの出せる企画書ができたみたいね」

春の薫りをふんだんに孕んだあたたかな風が、大木に背を預けて寝付くひとりの少女に吹きつける。

アリシアは、春の精だった。

春の精

もっとみる