『無敗という妄想』 (中高生たちの超短編小説 006)
「wwwwwwwwww」
何だこれは。ドメイン名か?
wwwの三文字だろ。何も知らないのにちょっとゲームうまいからってイキるんじゃねぇよ。
大体なにが最高ランクだ。お前何もわかってねーじゃねえか。見たことない挙動してるし、普通の人じゃないだろ。
俺は無敗なんで。負けたことないんで?
第一こんなゲームごときにムキになってんのかよ?人生無駄かよ。もっと生産的なことするべきだろ。
あれだろ?お前ずーっと家に引きこもって、親にたかって飯食ってきてんだろ?自宅警備員とかまじで需要ないから。一人あたりのGDP下げやがって。
でも、AIには奪われないなwww
じゃ、俺はいそがしーんで。構ってくんな。
そう言い残して、彼は画面の真後ろのドアを開ける。すると彼の思った通り、ドアの下の方が晩飯を乗せたお盆にあたった。彼はそれをむさぼり食う。なにかに追われてるわけでもないのにムキになってヤケ食いしている。ため息をついたあと、彼は再び画面の目の前に座る。
『対戦相手が見つかりました』
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