探究する中高生たち(エイスクール塾生)

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  • 中高生が書いた「超短編小説集」

    探究学習塾エイスクールの中高クラス「探究ラボ」に通う16名の中高生たちと4名のメンター・ファシリテーターが書いたオリジナルの『超短編小説(インスタント・フィクション)』を掲載しています。誰が書いたかわからない、ちょっと不思議な約400字の世界をお楽しみ下さい。

最近の記事

『ヒモ』 (中高生たちの超短編小説 030)

「はい、今月の作曲費用ね〜」 天女のささやきが僕の毎日を躍起だてるのだ。 築27年3LDKの5階建てマンションの3回の一番奥、311号室。生涯夜型であった僕がこんな毎日朝8時にスッキリと目覚めれるようになるなんて。 「じゃ、今日もよろしく〜」 悠空の声が次第に玄関口の風の音にかき消されていく。ああ、もう少しいてくれればいのに、天女よ! さて、僕は先程、『作曲費用』と呼ばれるものを手に取った。だが、よく考えてほしい。作曲に消耗品などあるのだろうか?あって弦の交換とかか

    • 『声が聞こえる』 (中高生たちの超短編小説 029)

      声が聞こえる。先週からずっとだ。声がするたびに聞こえる方向を向いているのだが誰もいない。日に日に音は大きくなっていく。僕は、耐えられなかった。次声がなったら、俺は耐えられないだろう。だけどこのまま何もわからないままは癪に障る。絶対に突き止めてやる。なんでこんなことしているのか。クソ、俺は、耐えられなかった。なんでこんなことになっているのか。声が聞こえる。怒っているような、現実から目を背けるような声が聞こえる。どうしてなのか。なんでこんなことになっているのか。気が遠くなるほどの

      • 『交通手段』 (中高生たちの超短編小説 028)

        今日は何でここまできたかな〜電車とか車とか自転車とか***とか*f*とか色んな方法でここまで来れるよね。でもその中でコスパがいいのはどれだろう。電車は同じところしか走らないけどだいたい安い。車は僕たちは関係ないけど維持費がすっごいかかる。自転車は普通に長距離の移動がむずかしいし***は***が辛い。*f*も***が辛いよね。だからやっぱり電車なのかなーって思う

        • 『あれ?』 (中高生たちの超短編小説 027)

          あれ?いつの間にかコンビニにいる。 なんでだろう。 さっきまで部屋にいたのに、 学校行こうとしたのに、、、、 もしかして、瞬間移動!? 「俺天才やん、瞬間移動まで出来ちゃった」 そう言いながら学校へ向かった。 「おはよう。」 と友達に言った。 でも、なぜか無視された。 と同時に、なんか変な音が聞こえた。 「;&=(;-/;(=&;&=(;%=(;([@,$_¥`^'」 他の人にも、 「おはよう。」って 言ったら、また聞こえた。 「;&=(;-/;

        『ヒモ』 (中高生たちの超短編小説 030)

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        • 中高生が書いた「超短編小説集」
          30本

        記事

          『23:39』 (中高生たちの超短編小説 026)

          中学でクラス一緒になって、そこからずっと……もう何年目?長いなぁ。それだけ長かったらまぁ思い出も多いか。 学校帰りよく道で駄弁って、どうでもいいことでずーっと笑って、それで門限すぎて怒られた。なのにまたおんなじことして超怒られて。 大学違ったけどしょっちゅう会ってた。なのに話し足りなくて夜中に長電話して次の日寝坊して……うちら本当馬鹿だなぁ。 遅刻多いのもドタキャン多いのも前からだった。仕方ないって笑ってたけど、毎回毎回は……なんかなぁ……。 いつものことなのにこの前

          『23:39』 (中高生たちの超短編小説 026)

          『ノットエンドレスキャットウォーク』 (中高生たちの超短編小説 025)

          時は20xx年、人類は猫に支配された…!! 猫の配下になった人類には、幸せだという猫派や屈辱に潰れる犬派、あるいは猫アレルギーで爆散する者が存在する中、彼だけは猫の支配に溺れずにいた。 彼の身長は猫ほどに小柄で、猫らしい灰色の髪に黒メッシュを入れている。 さらに彼の瞳孔は猫みたいな切れ長で、猫のようにツンデレな一面もある。 こんなふうに猫風の彼は、その猫さから猫達に馴染まれて猫界に生きていられる。 今日はバレンタインデーだから、あたし彼にチョコ渡したよ! たくさん

          『ノットエンドレスキャットウォーク』 (中高生たちの超短編小説 025)

          『不思議なゲームワールド』 (中高生たちの超短編小説 024)

          7時頃、徹夜でゲームをしていた僕は母に声をかけられ、ゲームの電源をおとし、学校の支度を始めた。朝ご飯を口に突っ込み家を出る。足早にいつもの通学路を歩いていると、視界の隅で何かが動いた。虫に見えたが何故かは分からない。少し立ち止まり次なったら考えようと、とりあえずスルーした。学校からの帰り道、行きと同じように歩いていると、また何かが動いた。それを見てようやく何か分かった。 「なんだ、むしだったのか。行きは暗くて分からなかった」 そんなことを呟いていると後ろから声がした。

          『不思議なゲームワールド』 (中高生たちの超短編小説 024)

          『僕の家』 (中高生たちの超短編小説 023)

          「あっのっっさ〜(怒怒)はやく出てってほしいんですけど!!」 ふぇ? 「ふぇ?じゃないんだわ。人ん家に勝手にきた挙句勝手にゴロゴロしないでくれますかね? こっちだって毎日毎日言うこと聞かん奴らの面倒で疲れてんの!良い歳して小学生かよ(怒)あいつら」 うんうんお疲れ〜いつも頑張ってるね。えらいえらい。 それと、人ん家って言ってるけど一応ココ僕の家でもあるからねー。 「良いじゃんいつもあんた居ないんだし」 ごめんって。僕が居ないと淋しい? 「…もういい。さっさとソフ

          『僕の家』 (中高生たちの超短編小説 023)

          『なんだろな』 (中高生たちの超短編小説 022)

          (これは山があってツルツルしてる) (この山は一定間隔で何個もある) (山の枠は正方形なんだ) (ここで直角に曲がって私と垂直になった) (横に手を滑らせたらまた直角に曲がってた) (触ったところ全部に山があったな) 「あ、分かった!」 「ソファでしょ!しかも革の!今回こそは絶対絶対当たってる!!」 「ぶっぶーーーーーーー違いまーーーーーーーす」 「正解はね………何もないでしたーーーーーーー」 「えぇ〜!」 「もうまた外したじゃん!ちゃんとやってる!?」

          『なんだろな』 (中高生たちの超短編小説 022)

          『絶望のオタク大統領』 (中高生たちの超短編小説 021)

          アメリカの大統領は、最新の戦争兵器として、武将の魂を宝石に封じ込めたロボットを開発した。 しかし、ある日、武将たちが脱獄し、大統領の肘を狙って襲ってきた。 大統領は、自分の愛するコーヒーを持って、戦った。 そして、武将たちを倒し、脱獄を阻止することに成功した。 だが、彼は気づいてしまった。 この戦いで、彼自身も武将になってしまっていたことに。 その悲劇を嘆いた彼は突如、自分自身を宝石に封じ込め、大統領としての権力を放棄し、オタクとして生きることを選んだ。 オタ

          『絶望のオタク大統領』 (中高生たちの超短編小説 021)

          『勘違い』 (中高生たちの超短編小説 020)

          友太は今すごく急いでいる。 ゲームをしてたらいつの間にか18時になっていた。塾の時間に遅れてしまう。 冬になり暗くなる時間が早くなった道に自転車を転がす。 ヘッドフォンをしてそれがバレないように黒いパーカーのフードをかぶり、走る。 そういえばさっきからずっと前を自転車で進んでいる女の子がいる。 もう3回ぐらい角を曲がったのにまだ一緒だ。ついでにスピードもほぼ同じ。 ちょっと速くしても差が縮まらない。 不思議だなと思いいつ急いで塾に向かった。 奈美は今ストーカー

          『勘違い』 (中高生たちの超短編小説 020)

          『壊れた天気』 (中高生たちの超短編小説 019)

          八月の東京、いつものように一日が過ぎていく。 だがその日は突然来た、8月なのに雪が降り始めた。 そこからだ、天気が壊れ始めたのは。 毎日のように東京で雪が降った。 雪が降り始めてからすぐは、子どもたちもはしゃいでいた。 だが何日もすると子どもたちは外出できず、大人も仕事に行けなかった。 そしてそんな日が5年も続いた。もうこんな世界に誰もが慣れてしまっていた。 そんなある日、僕は何故か気を失っていた。目を覚ますと東京の街が5年ぶりに晴れていた。 外を見ると、何故

          『壊れた天気』 (中高生たちの超短編小説 019)

          『らくらくな生き方』 (中高生たちの超短編小説 018)

          寝台から落ちて頭打って目覚める。このまま起きるのもめんどいしフローリングを転がって移動。 戸棚を開けて食べれそうなものをあさる。 おっと、年末以来電子レンジで爆発した卵入れを替えてなかった。今度やろ。 おいしそうなチーズがあったので食べた。 チーズの包装をとりあえず鞄へ。この鞄もティッシュ髪の毛消しカス以下略でいっぱいだなぁ。明日掃除しよ。 重い足を引きずって出勤。つっても自宅と仕事場は併設だ。 仕事場のボタンを押すと、電子音の強い私好みの音楽が流れてくるとともに

          『らくらくな生き方』 (中高生たちの超短編小説 018)

          『私の現実』 (中高生たちの超短編小説 017)

          起きたら昼の12時、それが 当たり前の生活 午後からはみんなが待っている 私を求めている お金稼ぐには可愛い声を作る必要がある 身バレしないよう気を付ける必要もある 細心の注意を払って生活しないといけない それが一番辛い 朝ごはん食べ PC起動し、準備する 3時間話すだけで結構稼げる なんて楽な仕事なんだ 少し寝たら、また始める 今度は同じ会社の人達とゲーム そして、騒ぎまくる そこでまたお金を稼ぐ あっという間に四時 ときどきアンチがいる

          『私の現実』 (中高生たちの超短編小説 017)

          『一緒』 (中高生たちの超短編小説 016)

          やぁ、君からすると「初めまして」かな? ん?僕は何者かだって? そうだなぁ、幽霊とでも言っておこうか。 そんな嫌そうな目で見ないでくれよ〜。 幽霊と言っても悪い幽霊ばかりじゃないんだよ。 まぁ、僕は良くも悪くもないけどね。 僕は君が生まれたからこの世に存在するようになったんだ。 君が明かりを消して寝る時に僕も寝て、 君がお日様の光で目覚めた時に僕も起きる。 僕はずっと君と一緒だったんだ。 だから多分死ぬまで一緒なんじゃないかな。 いや、待てよ? もしか

          『一緒』 (中高生たちの超短編小説 016)

          『俺と誰かの2週間』 (中高生たちの超短編小説 015)

          火曜日、図書館で本を借りた。返却期限は再来週の日曜日だ。 木曜日、今日は最近好きになったアイドルが音楽番組で曲を披露する日だ。このために定時帰宅頑張るぞ。 土曜日、お気に入りのアイスがスーパーで安くなっていたので買いだめしといた。これで当分は困らないだろう。 月曜日、もうすぐ3年目になる彼女から急遽水曜日にデートの約束が来た。丁度プロポーズを考えていたんだ。デートの後脱ぐ可能性を考えてジムで運動をした。 水曜日、彼女と遊園地に行った。とても混雑していた。別れ際に振られ

          『俺と誰かの2週間』 (中高生たちの超短編小説 015)