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『声が聞こえる』 (中高生たちの超短編小説 029)

探究学習塾エイスクールの中高クラス「探究ラボ」に通う16名の中高生たちと4名のメンター・ファシリテーターが書いたオリジナルの『超短編小説(インスタント・フィクション)』を掲載しています。誰が書いたかわからない、ちょっと不思議な約400字の世界をお楽しみ下さい。感想(コメント)もお待ちしております。

声が聞こえる。先週からずっとだ。声がするたびに聞こえる方向を向いているのだが誰もいない。日に日に音は大きくなっていく。僕は、耐えられなかった。次声がなったら、俺は耐えられないだろう。だけどこのまま何もわからないままは癪に障る。絶対に突き止めてやる。なんでこんなことしているのか。クソ、俺は、耐えられなかった。なんでこんなことになっているのか。声が聞こえる。怒っているような、現実から目を背けるような声が聞こえる。どうしてなのか。なんでこんなことになっているのか。気が遠くなるほどの時間がたった気がした。音はもう聞こえない。何も聞こえない。

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