『声が聞こえる』 (中高生たちの超短編小説 029)
声が聞こえる。先週からずっとだ。声がするたびに聞こえる方向を向いているのだが誰もいない。日に日に音は大きくなっていく。僕は、耐えられなかった。次声がなったら、俺は耐えられないだろう。だけどこのまま何もわからないままは癪に障る。絶対に突き止めてやる。なんでこんなことしているのか。クソ、俺は、耐えられなかった。なんでこんなことになっているのか。声が聞こえる。怒っているような、現実から目を背けるような声が聞こえる。どうしてなのか。なんでこんなことになっているのか。気が遠くなるほどの時間がたった気がした。音はもう聞こえない。何も聞こえない。
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