なぜバッドエンドの映画が魅力的なのか
最近社会学部の授業で「自己のエスノグラフィーを趣味を通して分析する」という授業がありました。その中で洋画について発表している人がいましたが、その中で「ハッピーエンドよりバッドエンドの方が面白い」という発表者の意見に「なんで?」という意見がすごく多かったです。私はそんな中「今まで見た中で一番印象的だったバッドエンドムービーは何ですか?」という空気の読めない質問をしてしまったのですが、それは私の「共感」の気持ちを最大に表したものでした。
私自身が考える映画も魅力は「非日常性」や「共感性」「予想不可能」を体験できることが醍醐味だと思っています。
そんな中で「なぜバッドエンドが魅力的なのか」を考えた際に私がひねくれているのもありますが、ハッピーエンドは先が見えている場合が多くせっかく「非日常」を味わうなら最悪なバッドエンドを迎えたほうがストーリーとして面白いのではないかと思います。また同時に「人生そんな甘くないんちゃうか?」というネガティブな考えもあり、ひねくれものの私にはちょうどいい感覚なのではないかなと感じます。次にバッドエンドの映画には「共感性」も潜んでいると感じます。「私もこんなひどい経験したことあるわー」「この主人公の嫌な部分友達に少し似てるかも」など人はネガティブな感情よりもネガティブな方に共感するのかはわかりませんが私はネガティブな共感はポジティブな方より深いと感じます。
「予想不可能」を体験できるのもバッドエンド映画の魅力です。「こんなひどい境遇に立たされたらどうしよう」「え!この人が死ぬの?!」などの意外性や未知の世界を体験しているような感覚が刺激的です。
今回はバッドエンド映画の魅力を伝えると同時に実際におすすめ映画を紹介したいと思います。
1.Black Miller
シーズン6 第2話「ヘンリー湖」
主人公のデイビスは、自身が生まれ育った故郷、スコットランドの田舎の街に彼女とともにやってくる。デイビスは映画製作者の卵で、地元の農家についてドキュメンタリーをピアと共に撮るための帰省だった。しかし地元のパブで旧友のスチュアートらと話すうちに、ピアが過去にこの街で起きた、とある殺人事件に興味を持ち、それのドキュメンタリーにすべきだと提案する。渋々ではあるが、ピアの説得もありデイビスは了承し、本格的にその殺人事件を深堀りすることになるが、、、
後半からのどんでん返しがたまらなく怖いエピソードでした。最後は家族・愛する彼女を失い無の感情でたたずむデイビスのアップのシーンで映画が終了します。過去のブラックミラーの作品の中でも1・2を争うくらいのバッドエンドでした。
ミスト(2007)
激しい嵐が過ぎ去った翌日のこと。デヴィット(トーマス・ジェーン)は買い出しへ行くため、息子のビリー(ネイサン・ギャンブル)と隣の家のブレント(アンドレ・ブラウアー)とスーパーへ向かう。嵐の翌日ということもあってか、店内は大勢の客でごった返していた。昨日の影響で停電している個所がほとんどだが、客は気にせず買い物を続ける。そんな時、外ではパトカーや救急車が出動しており、何やら騒がしい。人々が騒然となったところ、ある男が店内へ駆け込んでくる。「何かが霧の中にいるぞ!」と叫んだのも束の間、あっという間に外は濃い霧に包まれてしまった。戸惑いながらも身動きの取れない住人らは、店内に留まることしかできない。デイヴィッドらも致し方なく、この場で立ち往生するのだが……。
ラストはもう少し辛抱していれば助かったのに、、といった絶望感と悔しさのみが残る作品でした。霧の中にいる怪物も気持ち悪いですが、やっぱり人間が一番怖いことを思い知らされた作品でした。
ミリオンダラーベイビー(2004)
クリント・イーストウッドの監督25作目にしてアカデミー賞主要4部門を制したヒューマンドラマです。うらぶれたボクシングジムの老トレーナーと、ボクサーを目指す愛を知らない女性。やがて女性はボクシングの才能を開花させていきますが、試合中の事故で全身不随に…。最終的に老トレーナーの取った決断とは…。
最初はボクサーがどんどん成功していき最後は頂点に立つようなシンデレラストーリーをイメージしていましたが、結末は全くの反対でした。クリントイーストウッドとモーガンフリーマンという名俳優が演じていたのもあり、終始重くシリアスな雰囲気。モーガンフリーマン主演の「セブン」もバッドエンドで有名ですが、私は登場人物の暗い過去や複雑な人間関係が反映されたラストであったミリオンダラーベイビーの方が好きでした。
他のバッドエンド作品としてとりあえずデンマーク映画は暗く思い作品が多いです!「特捜部Q」シリーズや「ダンサーインザダーク」などがあります!
一つ注意点ですが、私の場合は自分に心の余裕がある時間や気持ちが暗い時にバッドエンド作品を見ると自分まで憂鬱な気持ちになるので、ある程度明るい気候で、心に余裕があるときに見ることをお勧めします。(私は絶対デンマークではみませんでした(笑)
それでは今回はここまで!読んでいたきありがとうございました!
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