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造形する脚本家

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脚本家ですが、造形もしているため、具体的に作ったものを紹介していきます。表紙はJOJOの石仮面です。
運営しているクリエイター

#ガンプラ

「手の演技」について

「手の演技」について

 表紙画像のギャンについている左手は商品名「SHAKA」つまり釈迦の掌を模したインディーズの造形作品(再生工場さん)で、販売されているハンドパーツです。市販のメーカー品とは一味違う形をしています。簡単に言えば「小指の位置が上がっている」わけです。

 これは同じパーツで違うポーズを取らせた時のもの。モビルスーツにあるまじき色気がただよっています。サーベルを持つ方の手は、厳密に言えば、指の隙間は二ミ

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生まれも育ちも

生まれも育ちも

 80年代当時、小学生のぼくにとって、プラモデルを作るということは「あきらめ」の体験を積み重ねることだった。

 プラモデルとは、未完成の「キット」を買って自分の手で完成させるホビーのことだ。バラバラのパーツ(部品)を組み立てて、自分の手で完成品を作り上げる感覚は、他の何物にも替え難い魅力がある。

 だけど、当時のぼくには、プラモデルを作る友達がいなかった。専門誌に書かれている言葉は高尚で難しく

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大人になったら

大人になったら

 あの頃。30年前のガンプラブーム、雑誌には華麗な改造作例が並び「君も簡単に!」なんて言葉が躍っていたあの頃。ぼくも多分にもれずガンプラ少年として近所の玩具屋でガンプラを買っていた。まともに作って塗装して仕上げればいいものを、針金用のニッパーやカッターナイフで切り刻み、タミヤパテを盛っては「なんか、違う」と諦めて箱にしまう。

 モヤモヤした気持ちは晴れないまま、最近のガンプラを組んでは「やっぱあ

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不用意に光らせようぜ(ガンプラを)

不用意に光らせようぜ(ガンプラを)

 プラモ、改造とかすると永遠にプラバンのくっついたよく分からない物体に変わってしまうので、最近はさささっとスミ入れして(専用の塗料とかあるのよ)棚に飾ってるんですけど。

真ん中のガルスJが「改造するぞ〜、うーん、疲れてきた、君ちょっと休んどいて」状態。その奥のヘルムヴィーゲ・リンカーは塗装して腹部のパイピング増やしたので、きっと健康状態が良かった時に作ったやつ。そのさらに奥で偉そうに浮かんでるハ

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ミニチュアリズム

ミニチュアリズム

 子供の頃からプラモデルが好きで、でも作るとなんか違うなって思ってた。ランナーと呼ばれる棒に、作られるべきパーツ(部品)がついている。その状態は完成品までの途上で、作られるべき姿への無限の可能性を秘めている。でも、パズルのように説明書を見ながら組み立ていくと、なんだか思っているものとは違うものができあがる。出来がいいとか悪いとか、そういう話じゃなくて、ぼくはランナーに収まった状態のパーツを美しいと

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