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自転車旅:アジア

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#インド

大熱狂の国境閉鎖式、因縁のインドvsパキスタン

大熱狂の国境閉鎖式、因縁のインドvsパキスタン

積年の敵対関係にあるインドとパキスタン。
その黒幕は他でもない、宗主国であったイギリス。
民族や宗派を敵対化させる支配構造を意図的につくりだし、本当の支配者に対する不満をカモフラージュする分割統治はイギリスのお家芸であった。

パレスチナにしても香港にしても、そもそもの火種をまいたのは、かの大英帝国。
いまだ解決しえない紛争の数々、張本人は知らぬ顔を決め込んでいる。

独立の際に勃発したカシミール

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イスラムとヒンドゥーが混じり合うシク教の世界

イスラムとヒンドゥーが混じり合うシク教の世界

国境を越えると、そこはインドだった。

アムリトサル。

インドといえばヒンドゥー教だが、ここはシク教の本拠地。
シク教はイスラムとヒンドゥーのハイブリッド。
一神教のイスラムと多神教のヒンドゥーを融合させてしまったトリッキーな宗教。
シク教は一神教で、反カースト、禁酒、禁煙。

シク教徒はインドの人口のわずか2%だが、商才に長け、海外に進出して各地で影響力を持っている。
僕も世界各地でシク教徒に

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山岳地帯でテント暮らしする流浪の民カシミールと一緒にテントを張らせてもらった

山岳地帯でテント暮らしする流浪の民カシミールと一緒にテントを張らせてもらった

再びイスラム圏。

標高1700m、シュリナガル。

シュリナガルにあるダル湖の湖上には、ハウスボートと呼ばれる1200もの家屋が浮いている。

住居だけでなく、売店やレストランまである。
湖上に街が成立しているのだ。

旅行者用の宿も数多くあり、湖の上に泊まれる観光地としてにぎわっている。
商魂たくましすぎる客引きが次々に群がってきて、僕が泊まった宿の主もツアーに連れて行こうとしたり高額な土産物

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インドのチベット、ラダック

インドのチベット、ラダック

標高3200m。
一変して、仏教圏。

中国と接するインド最北部のラダックは、チベット仏教。
仏教は、発祥地であるインドでは広まらず、アレンジされながら中国や東南アジアへと伝播していった。
チベット文化圏は主にヒマラヤ系の山岳や高原の閉ざされた土地で、原初的な仏教に近いものが継承されている。

中国のチベット自治区は漢族に侵されて存続の危機に瀕しているが、ラダックにはより純粋なチベット仏教が今もあ

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アジアの超絶僻地ラダック、標高4500mに浮かぶ天空の湖

アジアの超絶僻地ラダック、標高4500mに浮かぶ天空の湖

標高4800m。
まさかの雪。

まだ9月だよ!?

決断を迫られた。
ラダックが走行可能なのは夏季のみ。
冬季は道路閉鎖されて陸の孤島となり、アクセスは空路のみとなる。
これは一時的な雪なのか、それとも冬の到来なのか。
本格的に降って積もるのなら、今のうちに撤退するのが懸命だ。
退くべきか、進むべきか…

・・・特攻だ!

初めての標高5000m。

気圧は550hPa。
体力の消耗がハンパない

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ガンジスから流れ出るヒンドゥーの世界

ガンジスから流れ出るヒンドゥーの世界

ラダック最後の街、マナリ。

あ、、、明るい!
夜なのに昼みたいだ。
二度ほど短い停電があったものの、まばゆいばかりの大都会。

宿で、12日ぶりに鏡で自分の顔を見た。
きったないヒゲヅラになってて愕然とした。
日焼けと乾燥で鼻の皮がボロボロにむけて、下唇はパッカリ割れていた。
服を脱ぐと、もうガリガリのヒョロヒョロ。
痩せすぎだ。

屋台とレストランを何軒も渡り歩き、バキュームのごとく喰らい尽く

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デリーで感じたインドのクリーンさと健全さとポテンシャル

デリーで感じたインドのクリーンさと健全さとポテンシャル

首都デリー。

長きにわたって宗主国イギリスの食い物にされてきたインド。
今やそのGDPはイギリスを抜いて世界5位。
2030年までに人口は中国を抜いて世界一の人口大国に、GDPは日本を抜いて世界3位の経済大国になるとの予測。
ポテンシャルしか感じない。

この国にはビーフカレーもビーフバーガーもありませんよ。

自由の国、インディア。

自分でも何を言っているのかわからないが、僕はこのきったない

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むき出しのインドで死ぬほど見つめられ続ける日々

むき出しのインドで死ぬほど見つめられ続ける日々

旅行者皆無、観光要素皆無、完全ローカル仕様のインドの田舎へ。
大都会でもなく大自然でもない、むき出しのインド感。

踏切。

誰も守ってねー。

しかし、待てど暮らせど列車など来ないし踏切も開かないので、結局僕もくぐった。
車はどうするんだろうな。

人々は、生まれて初めて外国人を見るかのような目で僕を見る。
終始、無言無表情、ただジッーと僕を凝視する。

踏切待機中も、かれらは1秒たりとも僕から

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