見出し画像

インドのチベット、ラダック

標高3200m。
一変して、仏教圏。

中国と接するインド最北部のラダックは、チベット仏教。
仏教は、発祥地であるインドでは広まらず、アレンジされながら中国や東南アジアへと伝播していった。
チベット文化圏は主にヒマラヤ系の山岳や高原の閉ざされた土地で、原初的な仏教に近いものが継承されている。

中国のチベット自治区は漢族に侵されて存続の危機に瀕しているが、ラダックにはより純粋なチベット仏教が今もある。

ここに住む人々も、到底インド人には見えない。

言葉はチベット語に近いラダック語。
「ジュレー!」(こんにちは)とあいさつしてくれる。

これは、世界各地で見てきた男の子の手作りおもちゃ。

標高3000~4000mを登っては下り、登っては下り。
なにか棲んでそうな魔の峠道。

標高4100m。

地質は、カラコルムハイウェイで通ったフンザに近い。

工事しても舗装しても、どんどん崩れ落ちていく。
キャンプするなら落石要注意。

ここもやっぱりアンズがおいしい。

インダス川。

チベット高原からインド洋へと注ぐ全長3200kmの大河。

「インド」(India)も「ヒンドゥー」(Hindu)も、「インダス」(Indus)の語形変化。

今から4500年前に勃興した古代都市、インダス文明。
ハラッパーやモヘンジョダロなど、大部分は現在パキスタン領になっており、インドのインダス川はだいぶ上流の方。
BC4世紀にマケドニアのアレクサンドロス大王がインダス川までやって来て天下を制し、川の向こうの未知の世界が「インド」とされた。

標高3500m。
かつてのラダック王国の都、レー。

王宮のある丘の上から街を見下ろす。

レーは近年急速にツーリスティックになり発展してきているといわれているが、それでも毎日のように停電する。
ほとんどの宿でWi-Fiが飛んでいるが、せっかくのWi-Fiも街全体でバッシャーン!と電気が落ちてしまっては何もできやしない。

とある店のWi-Fi名が「FREE-TIBET」だったのが印象的だった。
お隣の中国では絶対的タブーワード。

とても好きな街だが、やはり耳をつんざくクラクションが鳴りやまず、車道側からはトラックがドス黒い排気ガスを横向きに噴射し、店側からは停電時用ジェネレーターがドス黒い排気ガスを吐き出し、歩いてるだけで寿命が縮んでゆく。

アンズも排気ガスをたっぷり吸い込んでいることだろう。

お隣の中国では絶対的タブーの御方。

ダライ・ラマ14世は、中華民国時代からチベット仏教の君主の座に就いていたが、中華人民共和国が建国されると、宗教を弾圧する毛沢東と折り合えず、1959年以来インドに亡命している。

中国では、ダライ・ラマの写真を飾ることはおろか所持することさえ禁じられている。

クルドと同じくチベットも、複数の国(中国、インド、ネパール、ブータン、モンゴル、ロシア)に分断され、ひとつにまとまることができていない。
独立は難しいにしても、多民族国家インドでは異文化も尊重され守られているように見える。

チベタンフードうまし!

モモと呼ばれる餃子。

蒸しモモ、焼きモモ、揚げモモ、スープモモ。
具材は、チキン、マトン、ベジ、チーズ、豆腐など、バリエーション豊かで楽しい。
日本の餃子もおいしいけど、使う材料が一辺倒なのはもったいない、もっと遊んでみてもいいと思う。

トゥクパ。

中華麺のような強いコシはないが、濃厚スープで野菜豊富。

チョーメン。

具材たっぷりの焼きそば、これもお気に入り。

チャイも、外国人用にアレンジしてくれているのかな、シナモンの香りが漂って味わい深い。

ヤクのチーズ。

サイクリストの腹は店一軒じゃおさまらない。
物価がとても安いこともあり、何軒も何軒もハシゴし、険しい山道で消耗したエネルギーを存分に補給する。

インド人ドライバーの民度は最低。

双方一歩も譲らず、互いにいつまでもクラクションを鳴らし続けている。
ケンカするんだったら車から降りて殴り合いでもすりゃいい。
どうして周囲の無関係な者がクラクションを聞かされなきゃならんのか。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?