浅地亮の自転車旅で見る世界

自転車で世界を走り倒します。

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ひとこぎ、ひとこぎ

自転車による海外総走行距離 170824km 訪問国数 111 2006-2024年 5分割 ひとこぎ、ひとこぎ 同じ動作の繰り返しが映しだしてくれる 二度と繰り返されることのない 一瞬、一瞬

    • 世界の高所作業者たち

      旅先の街歩きは、観光そっちのけで同業者たちの観察に耽る。 石油成金国家、アゼルバイジャン。 炎をモチーフにしたFlame Tower。 高さ182m。 ズーム。 着地するまでトイレも行けやしない。 水分補給はしてるのかな。 オイルマネーを象徴するこのビルは、夜になるとメラメラと燃え上がる。 ドバイで肉体労働しているのは南アジアからの出稼ぎで、ほぼインド人。 僕に気づいてニッと笑う作業員。 いや笑ってる場合じゃないよ。 下で待機していた人たちがこの人をロープで引

      • 過去の国内走行歴と、これから

        赤線 - 1996〜 黒線 - 2024〜 2001年に日本一周してから23年の時を経て、ノスタルジーに浸るのではなく、今の自分の目で、今のこの国を、ゆっくり見ていきます。

        • 東京→札幌

          成田空港。 2年ぶりの日本。 わずかの間に世界は様変わりし、海外旅行も以前のような感覚はもはや通用しなくなった。 旅をしながら耳に入ってくる日本のニュースも絶望的なものばかり。 いざ帰国すると、空港でもコンビニでも飲食店でも、あまりに懇切丁寧な対応をされて、ウルっときてしまう。 なんてちゃんとした人たち。 世界各地、クオリティは低いままでプライスだけが日本を追い越してしまった。 ロークオリティ&ハイプライスが当たり前となってしまった世界旅行から帰還すると、日本の超絶ハイ

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        • 雑考
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        • 自転車旅:中東
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        記事

          雑考:「自分」とかいう錯覚

          長いことひとりで旅をしていると、自分がどんな人間だったか忘れる。 日本にいる時は、同じ日本人、同じ世代、同じ男性、といった類似性の中で他者との差異が浮かび上がり、その差異が自分の性格だったりキャラとしてみなされる。 帰国すると、忘れかけていた日本での自分のキャラを思い出し、またそれを演じて生きていくことになる。 旅をしている時は、「現地人という他者⇄日本人としての自分」という対比しかしなくなる。 現地人という他者は、僕を「突如現れた自転車に乗った日本人」として見るため、僕

          雑考:「自分」とかいう錯覚

          雑考:宗教

          宗教とはファンクラブだ。 キリスト教はイエスのファンクラブ。 イスラム教はムハンマドのファンクラブ。 仏教はブッダのファンクラブ。 日本ではよく、特定のアーティストやグループの熱狂的なファンを「信者」といって揶揄したりするが、言い得て妙だ。 「皆で同じ神を信じて、皆で同じ教えに従う」 そういう意味で、一般的な宗教と一般的なファンクラブに本質的な違いはない。 人類は、強大な群れを形成することで繁栄してきた。 直立二足歩行を始めて両手がフリーになり脳を増大させた引き換えに、鈍

          雑考 : 肌の色

          アフリカではその広範囲で僕は「白」と呼ばれる。 たとえばマラウイでは、村が近づいてくると何十という子供たちが湧いてきて、大興奮状態で「アッズングー! アッズングー!」と僕に向かって大声で叫び、村中が騒然となる。 「アッズングーってどういう意味?」と聞くと、答えは「ホワイト」。 村を通り過ぎた後も、僕の姿が見えなくなるまでかれらは「アッズングー! アッズングー!」と叫び続ける。 一日何百回もだから、いつまでもこの言葉は忘れず記憶に残っている。 また旧ポルトガル植民地のギニア

          大いなる飛躍

          世界は記号。 記号はどこまでも記号のはず、そこに意味が発生する瞬間。 それはたとえば無生物世界に生物が誕生した瞬間のような、大いなる飛躍がそこにはある。 記号世界から意味世界への飛躍。 このあいだには何が? 人間もコンピューターも、ただひたすら記号を処理するだけの存在。 コンピューターの内部には、生成された映像を見たり音声を聞いたり文字を読んだりする何者かは存在していなさそうだ。 人間の内部にはそういった何者か、つまり意味理解する者が存在している。 人間は意味づけせずにいられ

          意味の意味

          すべてが記号だとするなら、記号が持つ意味もまた記号であるというパラドクスに陥る。 意味の意味なんてありはしない、記号の使われ方が意味と呼ばれているだけだ、ウィトゲンシュタインによれば。 意味という記号の使われ方で泥沼に堕ちてゆくのは、ある意味で意味がない。 それでも僕は意味そのものをつかまえてみたかった。 だって意味を理解した瞬間って、たしかに何かが起きているでしょう?

          では行ってきます

          東京都台東区 不忍池より

          世界の湖 2

          Lake Bakalar (Mexico) 湖畔は、ホテルやらレストランやらのリゾートでギッシリ占有されている。 一般人は湖へ近づくことはおろか、眺めを楽しむことすらできない。 わずかな隙間からズームで撮影したり、一部例外的に一般立ち入りできるところもある。 Lake Titicaca (Bolivia - Peru) ボリビアとペルーの国境をまたぐ古代湖。 湖面標高3812m。 面積は琵琶湖の12倍。 チチカカと発音するのはおそらく日本人だけで、正しい発音はティティカ

          ただいま

          ただいま、世界でいちばんメシが美味い国。 今この地球上で、僕以上に和の味をかみしめている人はいないでしょう。 また一段とミニサイズ化したような気がしなくもないけど。

          モンゴル再訪、やっぱ地球でけぇや

          6年ぶり二度目のモンゴリア。 やっぱ地球でけぇや。 こんなん、写真で伝わるかっ! お好きな道でどうぞ。 ロシアと中国にはさまれた内陸国、モンゴル。 その系統はロシアでも中国でもなく、モンゴル語はアルタイ諸語に属し、トルコやカザフなどの遊牧民と源流を同じくする。 形質的にはその名のごとくモンゴロイドで中国人とも似ているが、ソ連の衛星国であったためロシア文化の影響も色濃い。 アジアには、世界の人口の60%が集中している。 他の地域の人口をすべて足し合わせてもアジアより少

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          韓国、一国まるまる自転車道で突っ切れるサイクリスト天国

          自転車旅111ヶ国目、初めての大韓民国。 韓国では、Google Mapsのルート検索ができない。 北朝鮮とは休戦中であって終戦はしておらず、国防上の都合だとか。 他の機能は使えるのに、どうして国防上ルート検索だけできなくなるのか、理由は不明。 「KakaoMap」と「Naver Map」ならフル機能で使える。 韓国は自転車道が網羅されており、いずれのマップでも自転車ルートを表示させることができる。 ただしいずれもオフラインだとルート検索できない。 仁川からソウル、では

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          若きフィリピン、成長する未来はあるものの過密さと汚染と貧困の渦

          首都マニラ。 空港から走り出すと、たちまちバイクの波に飲み込まれる。 自転車レーンあり。 しかし交差点が近づくと右折車が自転車レーンに侵入して迫ってくる。 信号が赤になると、右折車が自転車レーンをふさいで進めなくなる。 バスもいちいち自転車レーンをふさぐ。 この矛盾を解消できないでいる国は多い。 想像していた以上の近代的大都市。 しかしクラクションは鳴る。 そして格差。 あちこちにセブンイレブン、ミスドもある。 セブンイレブンの中にもミスドコーナがある。 肉まんや

          若きフィリピン、成長する未来はあるものの過密さと汚染と貧困の渦

          スリランカ、受難の最中でも平穏さを失わない人々の気質

          スリランカ民主社会主義共和国。 最大の都市コロンボ。 モワッと熱帯の湿気に包まれる。 風景は、インドまたは東南アジア的。 もちろんキチガイクラクション文化圏だが、人々からは尖ったものが感じられない。 穏和な国民性であることがすぐにわかる。 偶然にも、独立記念日。 1948年、イギリスより独立。 当時の国名はセイロン。 スリランカという国名は1972年から。 長らくイギリスの植民地だったため、英語の通用度は非常に高く、道路は左側通行。 スリランカ史上最大の経済危機→

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