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「動く自動販売機」が創る近未来!?

突然ですが、読者の皆さまは「近未来」と聞いて、どのような世界を想像されますか?妄想が膨らみますが…
当社には少し先の未来をもっとワクワクさせるため、既存のビジネスに限らない新しい価値を検討している「未来価値探索プロジェクト」が存在します。本プロジェクトでは近未来の実現に向けて、現在実証実験中の取り組みがあるということで、担当者に話を聞いてきました!
 
<プロフィール>

左)古谷 和隆(ふるや かずたか)
アサヒ飲料株式会社 未来価値探索プロジェクト 兼 未来創造本部 経営企画部所属。
未来を想定した技術やインフラによる新たなビジネスモデルの構築を担当。
趣味はスーパー銭湯通い(サウナが好きです!)、野球観戦、おいしいごはん屋さん巡り。
 右)宮 広飛(みや ひろと)
アサヒ飲料株式会社 自販機戦略部所属。
お客様の笑顔に貢献する新しい自動販売機サービス開発を担当。
社内副業制度を活用し、「動く自動販売機」のプロジェクトに従事。
特技はラーメン作り。 

ワクワクを追求!新しい価値づくりへの挑戦


 ―――まず、未来価値探索プロジェクトとはどういったものか教えてください。
 
古谷 社会やビジネス環境が急速に変化する中で、世の中の兆しを捉え、未来の仮説を立て、新たな提供価値の創造とビジネスモデルの構築に取り組んでいます。新たな素材や先端技術を活用しながら、当社の既存事業に近い未開拓分野から全くの新規分野まで幅広く検討しています。
 
―――未来価値探索プロジェクトの一環で自動販売機の新しい取り組みを進めていますが、具体的にどのようなものなのでしょうか。
 
宮 「動く自動販売機」というものです。当社の商品を積んだロボットが、自らお客様のもとへ商品を運び販売するんです。ロボットはソフトバンク様に提供いただきました。お客様がスマートフォンから注文すると、商品が冷えた状態で届きます。

ソフトバンク様が開発された自律走行ロボット「Cuboid」を活用!
表情が可愛らしいロボットです!

―――どういったきっかけでこの「動く自動販売機」の検討が始まったのでしょうか。
 
古谷 未来価値探索プロジェクトにおいて新たな素材や先端技術を探索する中で、自動運転技術に注目しました。そして、新しい飲用体験の提供や、労働人口の減少や買い物困窮者の社会課題解決に貢献することを目的に「動く自動販売機」の検討を開始しました。
 
―――ずばり、「動く自動販売機」の魅力を教えてください。
 
宮 魅力は主に2つあります。1つ目は便利さです。飲み物を飲みたい時にスマートフォンで注文すれば、商品はお客様のもとへ自動で配送されます。お客様はお店や自動販売機などを探すことなく商品が届くのを待つだけです。2つ目は、冷えたおいしい状態でお届けできる点です。ロボットは運ぶ間も商品の鮮度を維持します。これは自動販売機の魅力である、買ってすぐおいしいという価値を実現しています。

左)ロボットがお客様のもとへ商品をお届けする様子 
右)販売する飲料を遠隔にて管理しています

―――実証実験でお客様や社員からの反応いかがでしたか。
 
古谷 実証実験は2回実施し、第1弾は社員向けに実施しました。第2弾は2日間で196組のお客様にご利用いただき、「買いにいく手間が省ける」や「未来の技術に触れてワクワクする」など、9割近くのお客様から「本サービスは魅力的」という声をいただきました。

第2弾の実証実験は23年9月に東京・竹芝にて一般の方向けに実施

 非常に多くの方から興味を持っていただけたと思います。実証実験の段階で、一般のお客様向けにサービス提供をすることはあまりないので、期待が大きい反面、お客様から満足いただけるか心配もありましたが、当日はロボットに興味を持ってくださる様子やドリンクが手元に届いたお客様が笑顔で飲んでいる姿を見て、改めてこのような取り組みができて嬉しかったです。また、さまざまな世代の方々からご関心をいただけて、世の中にニーズがあることを改めて実感しました。

左)第1弾の社内での実走風景(アスラテック社の自律走行型配送ロボット「RICE」)
右)第2弾では一般のお客様にも体験をしていただきました

―――実証段階ではありますが、これまでに取り組みの中で苦労した点があれば教えてください。
 
古谷 ロボットの走行スピードや段差の検証、お客様にとって分かりやすい表示や仕組み作りなどに苦労しました。また、第2弾の社外での実証実験は制約が多かった上、一般のお客様へのご提供が初めてで知見がないことばかりでした。そのため、パートナーのソフトバンク様と細かな意見交換を繰り返しながら、検討を進めました。
 
宮 商品を自動で配送できますが、裏ではまだ人のサポートが必要で、調整に苦労しました。省人化に向けては課題が残っています。

宮(左)と古谷(右)とPJリーダーの郷田

―――「動く自動販売機」の取り組みを通じて、100年先の未来がどうなってほしいですか。
 
古谷 お客様が必要なものを、必要な時に、必要な場所までお届けすることで、更なる利便性の提供を検討していきます。そして、お客様が動かなくとも、「動く自動販売機」がいつでもお客様のすぐそばまで商品をお届けするような、“お客様に一番近い自動販売機”を確立させ、皆さまに喜んでいただける未来を目指します。

本事業の目指す将来イメージ

―――ありがとうございました!
 

最先端のデジタル技術で未来を共創!


 「動く自動販売機」の実現に向けて欠かすことができないのが、ロボットを提供いただいているソフトバンク様です。共に取り組みを進める担当者の方にもインタビューしてきました!
 
<プロフィール>

花尻 健介(はなじり けんすけ)
ソフトバンク株式会社 法人事業統括 デジタルエンジニアリング本部
デジタルエンジニアリング第1統括部 デジタルソリューション開発第2部 第2課所属。
最先端のデジタル技術を活用してさまざまな業界や社会課題の解決に向けて取り組みを推進。

―――ソフトバンク様の自律走行ロボット「Cuboid」を活用した当社との取り組みを始めたきっかけを教えてください。
 
最初に、アサヒ飲料様から2030年に目指す長期ビジョンをおうかがいし、当社が持つデジタルソリューションと結び付けることにより、事業展開へのポテンシャルや可能性を感じました。当社は、デジタル技術を活用して社会に実装していくことで、あらゆる業界が抱える課題の解決に取り組んでいます。その中で、アサヒ飲料様が将来目指す姿の実現に向けて、ソフトバンクとしてもご支援をしていきたいと思い、約1年半にわたるディスカッションや実証実験を行ってきました。その中で飲料水の自動運転配送サービスの事業化に向けた検証として、国家戦略特区(※)である竹芝にて行われたイベントにて今回の「Cuboid」を活用した実証実験を行うことになりました。
 
※国家戦略特区: “世界で一番ビジネスをしやすい環境”を作ることを目的に、地域や分野を限定することで、大胆な規制・制度の緩和や税制面の優遇を行う規制改革制度
 
―――実証実験でのお客様の様子を見ていかがでしたか。
 
実証実験の段階で一般のお客様向けにサービス提供をすることはあまりないため、期待が大きい反面、お客様から満足いただけるか心配もありました。しかし、当日はロボットに興味を持ってくださったお子様やドリンクが手元に届くお客様が笑顔で飲んでいる姿を見て、改めてこのような取り組みができてうれしかったです。

 ―――実際にこの取り組みを通じて、今後当社に期待することやソフトバンク様としての展望を教えてください。
 
“飲料業界に留まらない新たな価値創造への姿勢”“さらに期待を超えるおいしさでワクワクと笑顔を生み出すこと”に期待しています。この絶対的な強みを当社との取り組みを通じてより発展させることで、革新的な取り組みにつながると考えております。ソフトバンクとして、業界を超え、社会の抱える課題をデジタルで解決できるようにしていきたいです。全く異なる業界のアサヒ飲料様とだからこそ発揮できるシナジー効果でより多くのお客様へ今までにない新たな体験、サービスが提供できるようにこれからも尽力していきたいと思っております。
 
―――ありがとうございました!
 
 
筆者はちょっと先の未来を想像し、ワクワクしてきましたが、
読者の皆さまはどのように思われましたでしょうか?
今後も「動く自動販売機」の検討は続いてまいりますので、ぜひ注目いただけるとうれしいです。
 
YouTubeでも今回のインタビューの様子をお届けいたします(※2月16日10:00公開予定)。
そちらもぜひご覧ください!
URL:https://youtu.be/DGDbhV8Dq8s


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