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あさひ / Asahi
2024年7月8日 22:51
またたきおふろにしずんだのなら なんにもみえないくぐもった音と やわらかい水に ひたされているすきまから 溶け出て 滲んで もういちど うけいれる目をつむっているあいだほかのすべては 存在しているのか わからないうまれたて みたいなわたしまどは額縁のようにしんとしてむこうがわにちらばった好奇心は期待にみちた顔で こちらをのぞいている胸がずきずきしてあさくなる 朝
2023年12月4日 18:26
揺れる影が光っている。午前中は、部屋いっぱいにおひさまが届くから、私の家は森になるのだ。大きな木漏れ日が床にこぼれて、その上で犬が微睡んでいる。 ソファに寝転んで、その様子を眺めていた。もう冬だけれど、春のような陽射しだった。犬の目は開いたり閉じたりしていて、意識はゆらゆらとしている。私は、できるだけこの空気を揺らがせないように、静かに、息をひそめていた。 私の体温は39度あって、身体は、地
2023年7月11日 19:09
たいせつなことは、息を吸って吐いてを繰り返すこと。そのために、ご飯を食べて、眠ること。わたしたちはこれだけで生きていけるのだからなにも難しいことはないのだけれど、ことごとに気を揉み、焦り、たいせつな呼吸を乱している。 すこし前、家の裏にある森を眺めていた。 夏の目前、どの木もたんと茂っていて、風が吹くたびにざわざわと返事をする。足元では、植木鉢に芽立つ多肉植物と、その匂いを一心に嗅ぐ犬が
2023年5月26日 12:09
朝日がカーテンを透かして部屋がほんのり明るくなるとき、今日がようやく終わったと思う。眠れないわけではない。きっと目を瞑ればすぐに眠れるのだけれど、自らで今日を終わらすことがなんだか惜しい気がする。 日々が私を追いかける。なにもしていなくとも時間は過ぎて、お腹が減る。今日を正当化するために、私は眠らないで本を読む選択をする。布団の中、朝日が昇るまで。 これがだいたい十四のころ。普通の家族と、