あさどん@精神訪問ナース

看護師5年目。新卒で精神病院に入職→死生観を学ぶため在宅ホスピスの世界へ→人間的成長を…

あさどん@精神訪問ナース

看護師5年目。新卒で精神病院に入職→死生観を学ぶため在宅ホスピスの世界へ→人間的成長を経て、現在は精神訪問看護として奮闘中。家で暮らすって、当たり前だけど素晴らしい。看護師として大切だと感じたことなど発信していきます。柔道二段/フルマラソン完走

最近の記事

精神訪問ナースの奮闘記〜「知らない人」が「知っている人」に〜

地域には、たくさんの人が暮らしています。私たちは、その人たちの何人と出会えているでしょうか。 私は、訪問看護をしていますが、そのなかで地域の人たちとの出会いがたくさんあります。今回は、そのことについて触れてみたいと思います。 まず、利用者さんとの出会いがあります。訪問看護という制度が、地域で暮らす人との出会いをつくってくれます。 次に、病院や保健所、福祉事務所などの関係機関の人たちとの出会いです。利用者さんの暮らしを支えるために、関係機関の人たちと連携をとります。連携を

    • 精神訪問ナースの奮闘記〜「間」が持つ意味〜

      人と話をしている時に、「間」ができることがありますよね。沈黙の時間と言っても良いかもしれません。 私は、精神科の訪問看護を仕事にしているので、人と話すことが日常になっています。その中で、「間」というものによく遭遇します。 以前の私は、「間」というものを、できれば回避したいと思っていました。なぜなら「間」が出現した時に、「会話が途切れてしまった。」「会話を続けなければいけない。」と焦って「間」を埋めようとしていたのです。そして、「間」を埋めるために、会話を続けるスキルが必要

      • 精神訪問ナースの奮闘記〜専門性って何だろう〜

        こんな私も、気がつけば看護師になって5年目に突入しました。 時々、看護師になったばかりのことを振り返ってみたりもします。 当時は、、、といっても5年ほど前ですが。私は、看護大学を卒業し、新卒で精神病院に入職しました。 精神病院を選択した理由は、人との関わりが深められるって素晴らしいと思ったからです。精神看護には正解はない。正解がないからこそ、やりがいがある。そして、そんな精神看護ならではの専門性がある。そう思っていました。 私は、看護の世界に入るなり「よし、精神科の看

        • 精神訪問ナースの奮闘記〜自分の感情はどこにいる〜

          感情って、自分の中に当たり前のように存在しているけど、どこまで自分自身で気づく事ができているのかと疑問に思ったりしています。 最近、音楽を聴いている時に、ふと亡くなった祖父のことを思い出しました。その時に、「懐かしさ」や「楽しかった出来事」が、頭の中を音楽と共に駆け巡っていったのです。そして同時に「もう会えないという悲しみ」を、自分の中で感じたのです。 日常は慌ただしく過ぎていきます。ぼーっとしていたら自分の感情に気がつかない。いや、ぼーっとしていなくても感情を見失ってい

        精神訪問ナースの奮闘記〜「知らない人」が「知っている人」に〜

          精神訪問ナースの奮闘記〜どちらかは苦しい〜

          赤塚不二夫さんの漫画「天才バカボン」。 そこに登場するバカボンのパパは、数々の名言を残しています。 そのなかに、「賛成の反対なのだ。」「反対の賛成なのだ。」という言葉があります。 つまり、どっちなのだ。 思わずそう言ってしまいそうです。 賛成なのか反対なのか、どっちなのか。いろいろと議論ができそうですが、この言葉には、何か別の大切なメッセージがあるように思うのです。 賛成か反対かって2択ですよね。白か黒かみたいに。世の中ってこういったことが多いように思います。良い

          精神訪問ナースの奮闘記〜どちらかは苦しい〜

          精神訪問ナースの奮闘記〜私にとって、あなたにとって、「ゴミ」とは〜

          みなさん、ゴミって知っていますよね? そうです!ゴミの日に出すアレのことです。 でも、不思議なことに、人によってゴミに違いってありませんか。 つまり、自分にとってのゴミが相手にとってもゴミとは限らないということです。 私はこの経験を何度もしていました。「これはどうみてもゴミだな。」って決めつけてみたり、「なんで、捨てないでいるのだろうか。」と疑問に思ったり。でも、実はその人にとっては、まだ使おうと思っていたものであったり、想い入れがあるものだったりと、私たちから見た物

          精神訪問ナースの奮闘記〜私にとって、あなたにとって、「ゴミ」とは〜

          精神訪問ナースの奮闘記〜理解しようとする能力〜

          最近、ある本との出会いがありました。 それは、「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」という本です。 この本のなかに、私のココロに響く言葉があったので紹介します。 みなさんは、エンパシーって知っていますか。 私はこれまで、聞いたこともありませんでした。 エンパシーと混同されがちな言葉に、シンパシーがあります。私は、シンパシーについても、どこかで聞いたような気がしましたが、意味については分かりませんでした。 私は、この本に出会うまでシンパシーもエンパシーも知ら

          精神訪問ナースの奮闘記〜理解しようとする能力〜

          精神訪問ナースの奮闘記〜ダイアローグが生み出すもの〜

          ダイアローグって、カタカナだし分かりにくいですよね。 日本語で言う「対話」なんですけど、その意味は少し違うのです。 〇対話:2人以上が向き合って話をすること 〇ダイアローグ:お互いの言わんとする意味を深く探求する会話(アメリカの物理学者) ちなみに、会話は「2人以上が話をすること」とされており、その範囲が広いことがわかります。 私は、去年の4月から精神科の訪問看護をしているのですが、それがきっかけでダイアローグについて考えるようになりました。というのも、フィンランド

          精神訪問ナースの奮闘記〜ダイアローグが生み出すもの〜

          精神訪問ナースの奮闘記〜「つながり」を大切にしたい〜

          「つながり」って言葉はよく耳にしますよね。でも、それについて深く考えてみることはあまりないかもしれません。私も、これまであまり考えたことはありませんでした。「つながり」について、意識し始めたのは、今の職場に来てからだと思います。今回は、私が感じている「つながり」をテーマにまとめていきたいと思います。 つながりの向こうまず、「つながり」って、対象があると思うんですね。例えば、「自分と誰か」みたいな。それって、人だけに限らず、物だったり、地域だったり、指定の場所だったり、いろい

          精神訪問ナースの奮闘記〜「つながり」を大切にしたい〜

          精神訪問ナースの奮闘記〜精神訪問看護とは〜

          今回は、私が精神科訪問看護を仕事として経験している中で、どのように理解しているか、まとめたいと思います。 そもそも、精神科訪問看護について、多くの人はイメージが湧きにくいかもしれません。精神疾患の治療に関して、日本は他の国に比べ、病院中心の医療になっています。国としては、治療の場を病院から地域へシフトしようとしているわけですが、なかなか進んでいないのが現状です。それでも、一応、病院では退院促進が進められています。つまり、これからは、精神疾患を抱えた人たちを退院させて、地域で

          精神訪問ナースの奮闘記〜精神訪問看護とは〜