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精神訪問ナースの奮闘記〜「間」が持つ意味〜

人と話をしている時に、「間」ができることがありますよね。沈黙の時間と言っても良いかもしれません。

私は、精神科の訪問看護を仕事にしているので、人と話すことが日常になっています。その中で、「間」というものによく遭遇します。

以前の私は、「間」というものを、できれば回避したいと思っていました。なぜなら「間」が出現した時に、「会話が途切れてしまった。」「会話を続けなければいけない。」と焦って「間」を埋めようとしていたのです。そして、「間」を埋めるために、会話を続けるスキルが必要だ。そんな風に思っていました。

会話を続けるスキルなんて言っても、そんな簡単なものではありません。私ができる事と言えば、思いついた事を、その場しのぎに話すことくらいです。でも、それって無理に言葉を出しているんです。心からの言葉ではないんですよね。だから、こうした時の言葉というのは、自分が思っている事と異なっていることが多いのです。言葉を出した後に、「言いたかった事とちょっと違っていた。」と感じてしまうのです。

しかし、多くの「間」を経験する中で、私の考え方に変化が出てきました。「間」の持つ意味を自分なりに感じるようになったのです。

その意味とは、「自分の想いを言葉にする時間」であったり「受け取った言葉を心で感じている時間」であるということです。

言葉は、会話の中でテンポよく、早く出せば良いというわけではないですよね。ならば、急がず、焦らずに、もっと言葉を大切にしたいと思うのです。

「間」は、言葉を大切にするために、もたらされる現象のように思います。「間」を埋めることは、言葉を生み出したり、感じたりする余裕さえも埋めてしまうのではないでしょうか。

もっと、言葉を大切に。「間」を味わってみたいものです。

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