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テスト前になるとする”テスト計画”は本当に必要なのか
勤務校の中学校では、テスト3週間前になると”テスト計画”を行う時間を学活の時間を用いて1時間ほど取ります。
具体的に何をするかというと、「テスト範囲の確認」「テストまでの日数を確認」「提出物を確認」「テストに向けて自分の学習をどう進めるのかを計画する」ということを1時間の授業で行います。
結論から言ってこの様なテストの計画をする時間は要らないと強く思います。
理由は4点あります。
1.計画を立てることが目的になる
2.計画通りやらないといけないと感じる生徒がいる
3.計画通りいかないと作業化する
4.学習意欲を掻き立てる時間にする方が長期的に有効
まず、1.計画を立てることに目的になるについてです。
もちろん計画を立てることは良いことです。
自分自身も提出しなければならないものなどをカレンダーのタスク管理で常に確認しながら今日は何をするか確認しながら生活しています。
しかし緻密な計画を立てることは、その計画自体が目的になってしまうことがあります。
例えば、テスト計画をする中で◯日に数学のワークのP.15~25、社会のワークP.10~12をやる、などの計画を3週間分を立てると毎日が細かすぎる学習計画になり表をぱっと見るとやった気になります。
すると、緻密な計画表を立てたはいいものの、それで満足して計画通りやれているか聞くと「できていない」という生徒をよく見てきました。
そう言った生徒は決まって緻密な計画を立てていました。
緻密な計画を立てる様に教員から言われているのも原因かと思いますが……
次に2.計画通りやらないといけないと感じる生徒がいることです。
自分の立てた計画をしっかりとこなしていくという作業化しているということがよくあります。
「もっと進めよう」「理解できる様になってきて面白くなってきた」と思っても、「今日はここまで」と終えてしまうことがあるそうです。
学習をたくさんすることはいいことではあるものの、計画を立てたが故に、学習の時間に制限をかけてしまうことがあるということを話してくれた生徒がいました。
多くはないと思いますが、計画した内容を終えれば学習は終わりという、学習を作業の様なものにしたくはありません。
次に3.計画通りいかないと作業化するということについてです。
2でも書きましたが、一番よくないのは作業化だと思っています。
もちろん知識を獲得して理解していくためには繰り替えし学習する作業も時には必要なのかもしれません。
しかし、その作業がずっと続いてしまうと主体的に学習する習慣は失われてしまいます。
特に計画通りいかなかった時、根性がある生徒はいいですが、そうでない生徒は糸が切れた様に学習に対する意欲が失われてしまいます。
例えば、宿題などでワークがあるとただ答えを写して提出してくる様な感じです。
それって意味ある学習なのかなと思ってしまいます。
最後に4.学習意欲を掻き立てる時間にする方が長期的に有効ということです。
学活の時間は唯一学級ごとの裁量が認められる活動だと思います。
学級として集団の高まりを目指して話し合いをしたりするのも学活です。
そう言った活動の時間が足りなくて総合の時間を多く使っているのが現実です。
尚更、テストに向けた計画なんていうものの費用対効果は小さいとしか考えられません。
学習はなぜするのか、学習をどんどん進めることが自分にとってどんな良さがあるのか、学ぶことって楽しいよねと感じさせることができる体験を行う方がよっぽど長期的に見た時、学習効果があると感じます。
その場しのぎの管理型の指導はやめたいと思います。
最後に、もちろんテストに向けて計画することのメリットもあります。
そのメリットを考えたとしても、計画を立てる意味がわかりません。
結局は学習する意義を自分事として捉えることができるのかどうかではないのでしょうか。
テストは学びの過程でしかなくゴールではないはずです。
もっと大きな視点で”学び”というものを見ていかなくては計画やテストは作業化し価値のないものへと変わってしまうと思います。
来年度には自分の担当学年のテスト計画を行う時間を廃止し、希望する生徒のみ計画表を配布→進行具合をチェックするという流れにしていきます。
他の先生たちがテスト計画をしている”学びがない時間”に、少しでも”学ぶことが楽しい” ”いろんなことを学びたい”と感じる生徒を育てる時間にしていきます。
また、自分の職場の先生たちにも意見を聞きながら、”学び”についての認識をアップデートしていきたいと思います。
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