芸術的な宇宙の創造者:アウグスト・ヴァッラ(アウトサイダーアート)
芸術的な宇宙の創造者:アウグスト・ヴァッラ(アウトサイダーアート/アール・ブリュット)
アウグスト・ヴァッラ(August Walla,1936–2001/オーストリア)-アウトサイダー・アーティスト(アール・ブリュット)
アウグスト・ヴァッラの作品には、絵画(絵画、壁画、落書き)、描画、テキスト、彫刻、インスタレーション、公共空間でのアート、パフォーマンス、写真が含まれる、いわゆるクロスメディア・アーティストだ。このテキストの部分について言うと、言葉への独自の「言語」を使うなど、ある種の表象に対する情熱が伝わる。
それら、全ての作品は、ヴァッラの、その生涯と密接に関連している。そして、「永遠」という言葉と「宇宙の終わり」という同義語は、彼の作品を通して表象されている。
by August Walla
略歴-August Walla
アウグスト・ヴァッラは、母親と祖母と、一人っ子として育った。そのこともあり、母親は、彼が兵士にならないように、彼を女の子の服を着せ、その教育した。ヴァッラは、当初は正常な発達をするが、7-9歳まで施設で過ごし、その後、特殊学校に通う事になる。そして、教育を受けることはできなかったと言われる。ヴァッラは、16歳で最初に精神科に入院して治療を受け、20歳まで入院していた。ただ、母親が病気になったのは、彼が36歳で、その時から、また、マリア・グギング精神病院(統合失調症)に戻る事になってしまった。
1970代には、グギング精神病院の精神科医レオ・ナヴィラティル(Leo Navratil)に、アーティストとしての才能を見出されていた。
1983年からは、芸術家の家(マリア・グギング/Gugging)に住んでおり、そこのアール・ブリュットの作家の中でも、広い範囲に対応する作家の1人だった。
具体的には、1986年頃からの表裏に塗装された大型キャンバスには、アクリル絵の具だけでなく、チョーク、チャコール(木炭)、フェルトチップペン、スタンプ、粘着石膏などが使用されている。
そこでは、Drafting(草案)、画家、写真家として非常に芸術性を追っていた。
また、彼の芸術では、既存のシンボルや神のような生き物たちをオブジェクトに描くことによって周囲を捉えている。
その人物(生き物)やシンボルは、彼のすべての作品に見られる。
そして、その最たるものは、グギング(Gugging)の彼の部屋は、まるで礼拝堂のようで、祭壇画を彷彿とさせる絵画や、地球と永遠の地との創造の物語の世界を描いているようだ。そして、これらの表象のドキュメンタリー記録に加えて、広範で本質的に異質な写真作品を作成した。それは、風景、インテリア、作業書類が含まれている。彼の写真のモチーフを、しばしば、アレンジしているが、そこには幾何学的な秩序がある。
そして、アウグスト・ヴァッラの作品では、女性の人物はよく、卍でマークされており、また、男性の人物は、ハンマーと鎌でマークされている。
アウグスト・ヴァッラは、ほぼ、完全な芸術的な宇宙を作ったのかも知れない。
August Walla
2000年以降の業績は:
”EA80”(PUNK-ドイツ)は、1992年のアルバム「Schauspiele」の作品GuggingでのAugust Wallの作品と関わり、2008年、ハンス・ヨアヒム・レーデリウス(Hans-Joachim Roedelius ,1934- /ドイツの電子音楽家兼作曲家)とカヴァ・ファブリック・レコードによる「ザ・ガギング・アルバム」も大きな関わりだ。
2012年の秋、Fabrique Records(ウィーンのレーベル)は、ペーター・トゥッリーニ(Peter Turrini,1944- /オーストリア)と共同で、Wallaからの選ばれたテキストと手紙を使ったオーディオブックをリリースした。
2013年には、フィリップ・ワイス(Philipp Weiss,1982- /オーストリアの作家兼劇作家)の演劇「(独)Ein schöner Hase ist meistens der Einzelne」登場人物となる。
また、August Wallaの作品は、デビッドボウイによって収集され、MoMA(ニューヨーク近代美術館)やミルウォーキー美術館(ウィスコンシン)など、世界中の多くのコレクションに存在している。
August Walla im museum gugging!
(註)アウグスト・ヴァッラは、芸術家の家(グギング/Gugging)の代表的な作家の1人だ。
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