「姉妹で作る、心癒される空間」
中野駅南口を出てまっすぐ南に歩くと辿り着く、五差路になった交差点。
その一角にあるビルの前で、ふと良い香りに導かれて見上げた細く長い階段の先に見えるSapinの文字。
アロマオイルや手作りの雑貨が並ぶ店内から、笑顔で出迎えて下さった三川恵美さんにお話をお伺いしてきました。(以下敬称略)
with you05 三川恵美さん
楽しいこと、そして余裕を持つこと
―よろしくお願いします。
今日は中央線芸術祭2021のテーマでもある「with you」にまつわる質問からお話をお伺いできたらと思っています。まず最初に、三川さんにとって「遊び」とはなんでしょうか?
三川 遊び...そうですね。遊びは楽しいことですかね。私は楽しいことが好きなので(笑)。それから、余裕を持つこととか。余裕を持たないと遊べないし、気持ちの余裕やその他いろいろな余裕が必要だとは思うんですけどね。一杯一杯だと、遊びもできない気持ちにしかならないかなと思います。
―お店の中には三川さんのお姉さんによる手作りの商品が並んでいますが、三川さんにとって身近にあるアートとはどういうものでしょうか?
三川 アロマを勉強するようになってから、ボタニカル的なイラストが好きですね。絵を見に行く機会とかはそんなにないんですけど、ピエール・ボナールとかモネとか、庭の絵が多いので良いなと思います。部屋にポスターとか貼ったり、ポストカードも貼っているですか、それは全て植物の絵ですね。あとはデザインが良いなと思ったものとか。好きだなと思ったものや、植物とかの絵を見ていると癒されます。そこに綺麗な色とか、好きな色とかが入っていると尚更癒されますね。
布って絵なんだ
ーお姉さんが作られる小物に使用されている布は、カラフルで色の組み合わせが素敵ですよね。
三川 そんなに深く考えたことなかったんですけど、姉が作るものを見ている時に、布って絵なんだと思いましたね。プリントする技術とかあると思うんですけど、本当に面白いなと思いました。無地のものだとわかりづらいですけど、柄物だと絵画的な雰囲気だなとか、昔はそういうこと思わなかったですけど。きちっとプリントされたようなデザインのものもあるけど、描いたような絵画的なものを見たりすると、誰がデザインしたんだろう、どんな人が描いているんだろうと想像したりします。
一人では生きてゆけない
―最近感じた人との繋がりについてお話を聞かせていただけますか?
三川 いろいろ仕事をしてゆく上で、必ず人との関わりが必要な、ほとんどがそういう業種だなと思います。コロナでいろいろな業種へ影響があり、うちも飲食店ほどではないですけど多少の影響がある中で、お店に来ていただいているお客さんとか本当にありがたいなって思います。人との繋がりで生きているんだなって。会いたいけど会えない。だけど、それでは生きてゆけないんだなっていう。一人では生きてゆけないんだなっていうのは感じますね。
ーお店を始められてどのくらいになるのですか?
三川 6年経って、7年目です。
ーこの場所でお店を開かれたのは何か特別な理由があったのでしょうか?
三川 中野に拘っていたわけではないんですけど、でも中央線沿いでしたいなという気持ちはありました。以前は品川の方に住んでいたんですけど、西の方に住みたいなという気持ちがあったり、なんかおしゃれというか、空気感や雰囲気が違うイメージもあったり。それに、私の好きなバンド(フィッシュマンズ )のイベントとかが結構こっちの界隈であったので、すぐに行ける!というのもあって(笑)。中央線いいなって。
心と体のほぐしや
三川 吉祥寺とか高円寺とかも見に行ったんですけどなかなか良い物件がなく、最後に中野を見て回っていたんです。ある時、すごい強風の中、不動産屋さんが看板を押さえているのを見て気になって、その看板を見ていたら「物件お探しですか?」と声をかけてくれて、そこで紹介してもらった先がここだったんです。大家さんも普段はなかなか連絡取れない方なのに、その時は次の日にはもう連絡が取れたんですよ。それですぐ中を見て、一目惚れして、この場所に決めたんです。ギリギリちょうど良いサイズだなと思って。
ー当初からリラクゼーションと雑貨というスタイルでお店をやろうと思っていたのですか?
三川 そうですね。元々は雑貨屋をしたかったんですけど、そう思っていたところで体に関わる仕事を始めて、そっちに私がのめり込んでしまって。それでも雑貨屋はしたくて、姉が手作りのものとかを作っていたので「一緒に売っちゃっても良いよね」って話して始めました(笑)。だから面白い組み合わせだねってよく言われます。
ー「心と体のほぐしや」とあるのですが、もみほぐしとアロマテラピー同時に興味を持たれたんですか?
三川 子供の頃から体は弱くて、健康には興味があったんですよ。何か手に職をつけたいと思った時に、体をケアするという分野が思い浮かんで、民間のリンパのスクールに通い始めて、最初はそこからだったんです。自分でお店を持つ時には、アロマとほぐしは両方やりたいと思っていました。
ーアロマオイルはその人に合ったものを選んで使われるんですか?
三川 そうですね。あと体の状態、内面的なものとか凝りがあるとか冷えがあるとか、そういうのに合わせた香りを嗅いでもらって、良いなと思うものを使うようにしてます。苦手な香りを嗅いでしまうと脳が反応してしまうので、体に力が入るんですよね。緊張が出ちゃうというか。鼻、嗅覚ってすごいんです。嗅いですぐ、良い匂いだったら一瞬でいい匂いって思うじゃないですか。逆に嫌な匂いだと「うわっ」って思う。それは脳の中枢の自律神経とかホルモンとか免疫とかを司っているところが判断しているということなので、そこで判断して、いい香りだなと思うとブワーッと体が緩む、力が抜ける、癒される。それがアロマテラピーなんですね。
ー効能優先よりも、その人の好みを優先させたりするんですか?
三川 一番は好きな香りを選んでもらっています。日によって香りの好みも変わってきますし、面白いですよ。
心休まる香り、カラフルな色合いの雑貨の数々。そして何より、温かさに満ちた三川さんの人柄。長年のファンだというフィッシュマンズのお話からご自身の仕事に関するお話まで聞かせていただく中で、Sapinを訪れる方達を心から癒す、三川さんの強さを感じました。
雑貨&リラクゼーションSapin
三川さんのもみほぐしとお姉さんの作るカラフルな雑貨。体も心も温かくなるSapinでの時間をぜひ楽しんでみてください。
お店の詳細はこちら ↓
https://sapin.shopinfo.jp
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