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エレファントカシマシとスピッツの研究

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エレファントカシマシ とスピッツを詩的に感じるマガジン。
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#オーストリア・ハンガリー帝国

「エレファントカシマシ とスピッツの研究」 (第九回)

「エレファントカシマシ とスピッツの研究」 (第九回)

邂逅

他人に対して傍観者の態度がとれる人であるか、それともつねにともに苦しみ、ともに喜び、ともに罪を受くる人であるかどうかは、決定的な差異である。
後者は真に生きている人だ。(注1)

 

こんな言葉をある男は残した。

 ザ・バンドの名曲「The Weight」が脳裏を流れていく様な心地がする。

 あまりに早熟だったこの男は、判っていた。
 あまりに早熟だった故に、後者の生き方には成りきれ

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「エレファントカシマシ とスピッツの研究」  (第八回)

「エレファントカシマシ とスピッツの研究」  (第八回)

「仮装」と「嘘」の『意志力』

 もし人間論的にリルケを研究しようとするなら、彼が母親から受け継いだものに最大の力点をおかなくてはなるまい。
(「ゲオルゲとリルケの研究」昭和35年11月10日 第一刷発行 手塚富雄著 株式会社岩波書店 P128)

 

 詩人リルケはドイツ系の家族としてオーストリア・ハンガリー帝国はプラークという激動の地に生を受けた。
 父ヨーゼフは陸軍士官を目指したが志をとげ

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