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【外資で働く】理系大学院生が英語習得のためにUpworkで働いた話

こちらは、外資系企業に内定した筆者が最短でビジネス英語を習得する方法をまとめた記事です。英語学習のために海外フリーランスサービス(Upwork)で働いている方を見たことがなく、将来的に同企業を目指す学生や海外留学・就業を予定している方のために書き残しています。

実践に必要なもの
・英語習得に対する圧倒的な危機感
・何があっても立ち向かうメンタル
・困ったときに自力でリサーチする力

不必要なものは、開始時点での英語力です。むしろ、何らかの専門性(ITやマーケティングなど)の方がクライアントに喜ばれます。

ちなみに、Upworkで働くとは言いますが、稼ぐことそのものは目的ではありません。稼ぐことを通して自分に英語学習を強いることが目的です。始めたばかりの報酬は、コンビニバイトよりやや劣るほどです。それらを踏まえた上で、読み進んでいただければと思います。

背景

筆者は、旧帝理系大学院生です。TOEICは800点台です。リスニングとリーディングは受験勉強の要領でそこそこのスコアは取れましたが、スピーキングとライティングは一切できません。似た境遇の人は少なくないと思います。

外資系企業に内定後、社員の方や採用マネジャーから英語だけは完璧にするように何度も言われました。それもそのはず、内定先は1日目から上司やチームがみな外国人。英語ができないと何の仕事もできません。おそらく外資でここまでの水準を求めるのは、日本支社ではそうそうないのではないでしょうか。(GAFAだとしてもGくらいなのでは?)

以上の理由より、入社までにビジネスレベルの英語は容易に話せていなければなりません。(英語習得に対する圧倒的な危機感)

ビジネス英語習得のためにやったこと

自分が実践したことは、大きく分けて次の2点です。

Upwork:海外サイトで翻訳フリーランス(今回のメイン)
レアジョブ英会話:毎日30分の英会話(今回は省略)

英語が最短で話せるようになる方法は、なんでしょうか。

「英語を使わざる得ない状況に身を置くこと」です。

意図的に英語を使うようにするとか、毎日英会話ラジオを聞くとか、目に入った全てのものを英語で言ってみるとか、意識の高いことを言う方はぜひそれを続けてください。私なら5億年かかります。

「英語を使わざる得ない状況に身を置くこと」の代表例
・留学(ホームステイ)
・海外インターン
・海外旅行
・外国人との交際

具体例はこのようにいくつもあります。しかしながら、海外渡航は躊躇われる情勢ですし、英語学習目的で外国人とコミュニケーションをしようと思うと、どうしても億劫な自分がいて、外国人そのものが嫌いになってしまいそうです。

そこで、翻訳の仕事をはじめました。しかも、海外の会社で。

決断に至った理由は3点あります。

ビジネス英語を使う:言わずもがな海外の会社ではたらくため
英語学習が手段である:仕事をこなすことが目的とし、英語をツールとして使うため
給与により責任感がある:自分の仕事が給与やそれ以降の評価に直結するため

そもそも英語を学習する目的は、英語が話せるようになることではないはずです。

〇〇したいから、英語が話せるようになりたい。英語は、何かを叶えるためのツールでしかありません。なのに、英会話スクールは英語を話すことをゴールに置いてるため、自分の目的と齟齬が生じてしまい「なんでこんな会話しなきゃいけないんだろ」とモチベーション低下に繋がるのではないかと思います。

また、「リアルなビジネス英語」のような謳い文句がある英会話スクールなどあると思うのですが、「リアルな」はリアルじゃない時に使う言葉だと考えています。自分にとっての真のビジネス英語は、ビジネスに他なりませんでした。

Upworkとは

海外のフリーランスサイトのことです。プロジェクトごとに企業や個人に雇用され、千円〜数万円の給与をいただいてお仕事をするサイトのことです。日本では、クラウドソーシングなどとも言われ、lancers、Crowdworks、最近ならココナラというのがあります。

私は、英日翻訳の仕事をしました。

Upworkでの日英翻訳の代表例
・メールの翻訳(E-mail translation)
・英語記事の翻訳(Article localization)
・製品説明書の翻訳(Product documentation)
・プレゼンテーションの翻訳と実行(Virtual presentation)
・ミーティングの電話通訳(Voice translation)

Upworkでの業務プロセス

まず、Upworkの募集中の仕事リストから、自分ができそうな仕事を選びます。しかし、経験のない私にいきなり仕事をさせてくれるはずもありません。

仕事の受注には、提案書(Proposal)を提出する必要があります。ざっくりいうと、数百語の英語のエッセイで10人〜くらいの志願者の中から雇用を勝ち取る必要があります。(下図は、エッセイの例)

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つまり、英語で自分自身の営業をしなきゃいけないわけです。大分大変ですね。ただし、翻訳の仕事を取りにくるフリーランサーは、大体合間に翻訳をしている主婦か、日本語がチョットワカル外国人なので、しっかり内容を読んでエントリーシートのごとく死ぬ気で書けばちゃんと通ります。

書類選考が通れば、仕事を始められる!

と思いきや、そんなに甘くはありません。これも就活同様、さらに翻訳テストや英語面接を受ける必要があります。めちゃくちゃ面倒です。でも私の心境としては、「エッセイ通ったのめっちゃ嬉しい」とか「もうちょっとでひとりのビジネスパーソンとして認めてもらえる」で、「英語面接に臆してるやつ、外資で仕事する気ないだろ」と自分に言い聞かせてました。

英語面接は、意外とハードルは高くないです。先方もフリーランス相手に何度も面接する暇ないので人数は限られているし、世の中の人はそこまで日本人に英語の上手さは求めていません。それより、自分の正しいかわからない英会話でいかに堂々とできるかの方が重要です。(何があっても立ち向かうメンタル)

もし契約成立したら、あとは仕事をするのみです。分からないこともたくさんありますが、クライアントに聞いたり自分で調べたりしていたらできるようになっています。(困ったときに自力でリサーチする力)

お金をもらって英語学習すること

仕事が完了したら報酬が支払われます。結果的に業務に費やした時間を考慮すると、初めのうちは時給$10を下回ると思います。初めに言った通り、稼げません。でも、誰かに必要とされて、何かを達成するために英語を使って、お金がもらえるなんて最高じゃないですか?自分はゲームのように楽しんでいます。(今回は省きましたが、この他にクライアントと何度も英語でメールのやりとりをしたり、報酬の交渉をしたりすることもあります。)

この学習法は、(個人的な感覚でしかないのですが)200~300万円の価値はあるかなと勝手に思っています。内定者のうちに英語を用いてなんらかのビジネスを経験した人と、入社までに英語学習をなあなあにした人とでは、生涯でどんなに少なくても6ヶ月分くらいの業務コスト差が生じるのではないでしょうか。そこから平均年収から計算して、数百万円の効果はあると考えています。

もっと少ないかもしれませんが、これは自分自身が英語学習を続ける動機として納得できていればいい話で、このような雑フェルミ推定はモチベーションの支えになることがあると考えています。

今日も私はビジネス英語習得のためにUpworkで働きたいと思います。

(実際に仕事を獲得するまで・仕事の進め方は、タイミングがあればまた後日まとめようと思います。)

おわりに

ここまで読んでくださってありがとうございます。私も書いた甲斐があります。

さて、私は世の中で信じられない言葉が2つあります。1つは、悪名高い「行けたら行く(やれたらやるよ)」です。もう一つは、

「TOEICの勉強してる」

です。この言葉を発して勉強をしている人を見たことがありません。ろくな人生を歩まないことでしょう。900点以上取ってる人は、この言葉を発する前に勝手に勉強しています。「TOEIC 1500(仮)」みたいな単語帳を常に持ち歩いている人は大体クロです。距離をおきましょう。

本記事でも単語帳なんて野暮なことはわざわざ書きませんでした。単語帳の他に、メールのやりとりや英会話でわからない単語は勝手に調べてメモしておくといいと思います。ちなみに自分はシス単&DUO3.0派でした。

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