![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/94429888/rectangle_large_type_2_8682fdb3999af96a561146571584b224.jpeg?width=800)
映画 『失楽園 (1997年)』 不倫快楽に溺れた中年男女の末路
ここ数日『パコと魔法の絵本』→『ペンションメッツァ』→『三度目の殺人』と、
役所広司さん目当てで観ていた訳ではなかったけれど 気づいたら出演作品 連続視聴してて
改めてカッコいいなぁ 表情など凄いなぁと深掘りしたくなり
とても有名な『失楽園』を昨夜 初見。
【ざっくりあらすじ】
忙しく働いていた敏腕編集者 久木祥一郎は
少人数の暇な部署へと移動になり、
今までになかったゆっくりとした時間ができる。
カルチャーセンターで書道教室の講師をしていた美しい人妻 松原凛子と出会ったことで
中年になって再び恋をし、互いに激しく惹かれていく___
1997年、今から25年前の作品とのことだけど、
思ったより古臭い感じがせず
撮り方がバリエーション豊かでエロティックかつ美しいシーンやBGMが印象的、
全体的に映像がマットな感じで落ち着いていて
都会的でオシャレに感じた。
作品の中の季節は秋→冬→雪降る新春、
時代は異なるのに今の時期と重なるので
なんだか不思議な感覚がした。
内容は不倫快楽に溺れる悲劇のWヒロインが
両者不倫をしたことで仕事も家族も親からの信用も失ったという自業自得の結果、
自分ファースト不倫相手ファーストで結合したまま服毒死したという流れだった。
途中久木の同期?水口(平泉成)がガンに侵され病床で語った人生観の話が
結合死へと久木の背中を押すことになったのかなと感じたし、
まあ一理あるよなと思った。
それと同時に今のガンに対する認識や描写の違いに時代を感じた。
【 失楽園ブーム 】
当時この作品に触発されて
不倫する中年男女が増加したとか してないとかの話をネットで読んだことがあるけれど、
憧れる要素そんなにあった?と思ったり。
なぜそう思ったかというと
露天風呂で致す前に話の流れで
湯船につかる久木が 景色を眺めながら佇む浴衣姿の凛子の陰部に触れながら
「なによりここが良かった」と話すシーンを観て、
そこまず胸の中心に手を当てて心じゃないんだ…結局性器なのかと引いて
まあでも体の相性は重要って聞くし、体を褒められるのは嬉しい…のか…?
いやいや、心が伴ってないことが言葉で表れた時点で冷めないんだな〜と、
ちょっと一瞬ぐるぐると疑問が渦巻いた。
これが男女の違いってやつかと思ったし
凛子の母親も言っていたけれど、
結局体で惹かれ合っていただけに思えた。
【 濡れ場について 】
R-15+指定でありながら、
撮り方の工夫が凝らされているのが伝わってきて
R−18並のエロティックさを感じた。
特に迫りくるようなBGMと共に性行為する場面で、途中凛子が久木の頬を叩くところが記憶に残ったり、
クライマックスで久木の口から凛子の口へと毒入りワインが注がれ
捕食するかのようにねっとりと久木の唇が凛子の唇を包み込むアップのシーンは一番官能的だった。
ほんと結合部を見せられたくらいのインパクトがあった、なのに下品に転ばないところが映像マジック感じた。
【 キャストについて 】
なにより役所広司さんと黒木瞳さんの気品やビジュアルが素敵でうっとりした。
自称 おじさま俳優専門家としては
役所さんの存在感たっぷりなカッコよさは見逃せない…
今もだけど、特にこの1997年当時のお姿は本当にため息が出るほど、いい。
もちろん見た目だけではなく、表情が魅力的。
あれは妄想なのか、凛子とピロートークする回想後にタクシーの中でみせる久木の表情がなんだかチャーミングで好き。
黒木さんは、普段夫に抑圧されていた分
久木に出会ったことで大人しく しおらしい女性がのびのびと大胆に快楽に溺れて変わっていく姿を体現されていた。
役所さんの大きな肉体と、黒木さんの華奢さの
バランスがよく感じた。
また役所さんの娘役が木村佳乃さんで「えー!」ってなったし、
娘婿は村上淳さんでまたまた「えー!」ってビックリした。
久木が家を出ていく時の木村さんの表情にグッときたなぁ。
【 フフってなったシーン 】
・居酒屋で最近中年がモテるという話が出て
女性社員に誰がこの中でモテそうかと男性社員が聞いてくるダルい質問シーン
・会いたい、会えない、死んじゃう(女々しい久木さん)
・イチゴ味のジョアの件(めちゃくちゃロングセラー商品なんだなと知ったし、鉄&葉酸のマスカット味がすき)
既婚者で恋をしてしまったなら離婚してからまた本格的に恋愛を始めるか、
トキメキがほしいなら推し活するか、
快楽を味わいたいならセルフプレジャーを極めるとか…
いけないことをしている背徳感も魅力のひとつなんだろうけど、
失うものを考えたら不倫はあくまで妄想やフィクションの中に留めておくことが最善に思った。
予告
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?