『First Love 初恋』 もう一度最初から観たいドラマ
昨年 2022年にNetflixにて配信開始された『First Love 初恋』
日を分けて視聴し、昨夜 全9話観終わる
経験がないからか 恋愛ものにあまり惹かれない人間が
なぜもう一度最初から観たいと強く思ったのか、
まだご覧になっていない方に
徐々に明らかになっていく感覚をぜひ味わっていただきたいので
極力ネタバレなしで綴っていこうと思う
【 ざっくりあらすじ 】
宇多田ヒカルの存在が世間を賑わせていた90年代後半、
高校生の並木晴道〈木戸大聖〉と 野口也英〈八木莉可子〉は初めて恋に落ち
たくさんの思い出を共有しながら甘酸っぱい青春時代を送っていた
やがて時は経ち、
大人になった 也英〈満島ひかり〉はタクシードライバーとして
晴道〈佐藤健〉はオフィスビルの警備員として働きながら
不幸でもないけど どこか現状に満足いかない人生を送っていたのだが___
高校生の時に初めて付き合った男女が
紆余曲折の20年間を経て…
宇多田ヒカルの
「First Love(1999)」「初恋(2018)」を
効果的に、丁寧に扱いながら
二人やその家族・友人・職場の人々の心の動きと、20年間に起こった実際の出来事を混ぜ込みながら紡がれていく
壮大なラブストーリーだった。
なんとなくせっかくネトフリ加入しているならと、
恋愛ものにあまり興味がないけれど
ドラマ中毒者としてはどんなドラマも苦手意識を持たずに観ようと思い立って見始めたのが始まり
でも正直 3話の始め頃までは舐めていた
こんな調子で
↓
が、3話の後半辺りから二人の過去が明らかになって急激におもしろく感じてきたし、
さらに 晴道 が前職の航空自衛隊時代に
子ども時代から馴染み深い 小牧基地 が登場したりと 惹かれる要素が溢れ出てきた結果、
展開も含めて最終回まで心掴まれっぱなしに
きちんと謝罪。
↓
【 適量の葛藤、ヘビーな葛藤 】
このドラマには適量の葛藤、
いやヘビーな葛藤が散りばめられていると感じた
生きていくってきっと誰でも葛藤がある、
その葛藤の差は激しいorそれなりにと個人差はあるだろうけど
ただただ幸せにしか見えない高校時代の 也英 と 晴道 に待ち受けていた現実が
私にはかなり厳しく苦しいものに思えたので
「どうか二人には幸せになってほしい!」
という感情が芽生えながら
最後まで飽きずに視聴できたんだと思った
逆に言えばこれが生ぬる〜い展開だったら
「ケッ」
となってFireTVの電源落としてたと思う。
【 愛おしさすら感じる魅力的なサブキャラクター 】
〜おもな晴道の周辺〜
妹〈美波〉姪〈新津ちせ〉親友&義理弟〈中尾明慶〉
晴道 父〈岡部たかし〉母〈渡辺真起子〉祖父〈あがた森魚〉
彼女〈夏帆〉同僚〈須藤蓮〉
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〜おもな也英の周辺〜
母〈小泉今日子〉父〈井浦新〉
同僚〈濱田岳〉〈古舘寛治〉…
息子〈荒木飛羽〉その彼女でダンサー〈アオイヤマダ〉
也英の元旦那〈向井理〉と姑〈銀粉蝶〉や工場時代の上司などを除き、
その他の脇役たちみんな良い人ばかりで素敵だった
特に濱田岳さん演じる 也英に想いを寄せる占部旺太郎、8話のセリフにガツンときて印象的
なんか声質なのかなんなのか
存在が絶妙に可愛くて好きだった、
夏帆さん演じる カウンセラーの有川恒美 は
物分りよすぎで良い人すぎ…
もしこの役が盛大にゴネたらと思うと…って
かなり重要な存在だと思った
まあちょっと都合がいいキャラかもしれないけど そこまで気にならなかった、
井浦新さん演じる也英の父は憎めない…
言ったらクズいし、娘に要らぬ葛藤を与えてシクシク泣かせてるけど
端から見てるだけだと素敵に見える…
ズルい〜ってなったw
【 時事問題 】
東日本大震災やコロナ禍…
我々が生きてきた・いる時代と
晴道 と 也英 が生きる世界は同じように描かれている
何年経とうと癒えない傷を抱えている方にとっては少々辛くなる描写かもしれない
それと晴道が航空自衛隊時代、
小牧基地にいた2007年にイラクに派遣されるシーンがあった
当時 家族が働いていたので該当シーンを見せながら「こうやって門の前でデモする人って本当にいたの?」とたずねてみたり
「当時こうやって並んで隊員たちを見送ったよ」などの話を聞いた
それから自衛隊の海外派遣について気になって検索していたら、
過去イラクへ派遣された一部の隊員が帰国後にPTSDを患ったり
因果関係は認められていないとのことだけど
自殺した隊員が複数いることを初めて知って衝撃を受けた
晴道 と 恒美 が出会うきっかけとなったシーン、
↑のことを踏まえて
海外派遣された隊員の心のケア、
カウンセリングが重要視されるようになったのかなと思った
晴道の場合はタフで平気そうな描写だったけど
ラブストーリーだけかと思ったら、
まさか社会問題として考える必要性のあることに繋がるとは思わなかったし
知ることができて勉強になった。
【 けしてムダ遣いしない宇多田ヒカル 】
8話、痺れました
9話、思わず拍手しました…
「First Love」と「初恋」を流すタイミングが秀逸すぎたし、
ムダ遣いしないからこそ忘れた頃に
展開に気を取られていたら曲が耳になだれ込んできてキュンキュンできたんだと思う
ただでさえ楽曲が強いのに、
展開と合わさるとドラマティック以外の何者でもなくて
ほんとドラマってだいすき…最高…
恋愛未経験で最初辺り 舐めてた人間でも
こんな気持ちにさせてくれるって素晴らしいなぁと。
晴道 と 也英、
どこかで人生諦めてもおかしくなかったのに
生き続けていてくれてありがとうと思えたし、
改めてもう一度最初から観たいドラマでした👏
それと監督&脚本の寒竹ゆりさん、
なんだか上品な和菓子みたいなお名前だなって
スタッフロールの時 毎回思ってた🌸
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