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手書きロボット、果物収穫ドローン、Figma買収の話(コンワダさん51週目)

 こんにちは、株式会社アーキロイドの津久井です。今週も社内で話題になった事例(コンワダさん)からいくつかをご紹介します。バックナンバーはこちら

写真から筆跡を学習し、ペンで代筆するAI手書き「手書きくん」を正式リリース

記事より

―――概要
 手書きDX事業を展開するエスパリアール合同会社が、AI手書きロボット「手書きくん」を法人向けサービスとしてリリースしました。ユーザーが書いた手紙から、筆跡・筆圧・文字の大きさを学習して代筆、更に送付してくれます。自分の文字に自身のない人は、書道家の文字を学習済みの「手書きくんプロ」を使うことで綺麗な文字で手紙を送ることができます。
 想定される利用シーンは、営業のDM、電話がつながらなかった相手へのアポイントの連絡、感謝のお手紙などだそうです。営業マンの手書き文書作成にかかる負担を40分の1に、リスティング広告などのWeb施策に対して単価が5分の1にと、工数・価格ともにコストが大幅に削減されます。

―――この事例について
 法人向けに限定してサービスを始めたのが素晴らしい判断だと思いました。証券会社の営業マンだった友人から聞いた話で、一日に数百枚のはがきを書くことがあると言っていました。飛び込み訪問と手書きの手紙の効果は絶大だと言っていたので、自分に向けられた労力や行動に対して好意を持つ人が多いという証です。きっと彼の右手は手紙の書き過ぎとインターホンの押し過ぎで腱鞘炎になっていたのだろうと思います。これがインターホンの押し過ぎだけになるのなら現場の負担も激減ですね。(コロナ禍では飛び込み訪問もなかったようですが)
 残念ながら私は業務で手書き書面をつくることも、営業で受け取ることもありません。最近は手書き文字に触れることはほとんどありません。それでも過去に思いを馳せれば、恋人や友人の手紙、家族の書き置きや、学生時代に授業中に回しあった手紙など、手書き文字とそれにまつわる経験は皆さん少なからずあるでしょう。今回は法人向けサービスですが、一般向けにも展開されるとノスタルジーに浸れる気がしています。それだけでなく、例えば麻痺などの理由で文字がかけなくなってしまった人の文字を学習して手紙を書くなどの意義もあるでしょう。(CoeFontの声帯摘出者に対する意義からインスパイアされています。CoeFontについてはこちらのノートを御覧ください。)
 「話す」こと「書く」(手書き)ことは、人間に出力機能・表現機能であり、その人がその人であることを証明可能なアイデンティティです。声色に文字、人間の外部出力の手法がどんどん外部化可能になっているのは面白いですよね。人類の進化を感じると同時に、自己の鎧が少しずつ剥がれ落ちるような感覚もあります。アイデンティティが外部化されるということは、オリジナルである私自身を証明することができなくなるからです。私の文字を学習した手書きくんが作成した手紙と、私が書いた手紙、この区別がつかないのであれば、手紙のつくり手が私自身であることを証明することはできないのです。もし周囲の人が、私を文字で認識しているとしたら手書きくんを私だと認識しだすのです。

その他の事例

果物を収穫するドローン「TEVEL」

公式サイト:https://www.tevel-tech.com/

 イスラエルの農業テックTevelが開発した「フライングフルーツピッカー」です。自律したドローンが昼夜問わず自動で、正確に、効率よく果物を収穫します。来年にはスペイン、アメリカ、イタリアの100ヘクタール以上のリンゴ農園で動くそうです。
 世界的には人口は増加傾向ですが、日本を筆頭にいずれ他の先進国も減少していく予測があります。一次産業に従事する労働者が減っていく中でこうした技術に置き換わっていくと、ゆくゆく私たちは本当に働かなくても良くなるのかもしれません。決して怠け者的な願望ではなく、人間よりも高効率で正確に稼働するのであれば現実的な選択肢となりますね。農業テック・フードテックのニュースが増えていきますので引き続きウォッチしていきます。

AdobeがFigmaを買収

 デザインコラボレーションツールFigmaが、Adobeに200億ドルで買収されました。Figmaについては本連載のArcolの事例で触れました。現在ではGoogle、Microsoft、Twitter、Uber、国内でもヤフー、LINE、楽天、富士通などが採用しています。数百万のユーザーを抱えるツールだけに、Adobeが今後FigmaをどのようにAdobeのサービス郡と位置づけ、関連させていくのかが注目ですね。ちなみに、Figmaの創業者CEOディラン・フィールドはAdobeのPhotoshopを打ち負かすというモチベーションでFigmaを創っていたそうなので、どの様な心境なのか気になるところですね。noteとFigma、miroやnotionなどはユーザー層がある程度重なっていそうだなという推測できるので、この記事を読んでいるみなさんにとっても衝撃のニュースだったと思います。

まとめ

 今週も最後まで読んでくださりありがとうございました。ロボット回とも言える回でした。今日までの10年、ITで世の中が便利になるのを何度も目撃してきました。これから先の10年はロボットで肉体的な労働から開放されるシーンがどんどん起こるかもしれません。18-19世紀、社会に多くの発展と経済の成長をもたらした産業革命の核は「工業化」でした。次なる社会の変革には「ロボット化」が大きな鍵となることに疑いの余地はありません。工場の中で機械が稼働していた時代から、どこでだってロボットが稼働する時代です。それがSFや夢物語では終わらない、現実のものとなる片鱗を最近のニュースで感じています。今回のnote自体が全体的に夢想っぽい雰囲気をまとっていて、いつも以上にふわふわとしており締め方に苦心しておりますので、このあたりで…
 最後に「スキ♡」を押してくださると今後の励みになります。皆様良い週末を。


「今週、社内で話題になった事例」 について
株式会社アーキロイドの社内で話題になった事例(ニュース、リリース、書籍、動画、論文などなど)のうち、いくつかをご紹介します。元記事の配信時期は必ずしも今週とは限りません。数ヶ月前、数年前のものもあるかもしれません。

社外にこれを発信することで、
①アーキロイドメンバーが日々どのようなことに目を向けているのか、を知ってもらいたい。
②せっかく読んでもらえるなら有益な情報をお届けするために、自分たちの情報感度をもっと高めていきたい。
という目論見があります。

メンバーも大半が30代に差し掛かってきたので、備忘録という意味合いが一番強いかも。ご笑覧ください。

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