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ハチオーグが支配する街へ行ってみた&シン・仮面ライダー再鑑賞。

s 初回鑑賞時、見覚えのある光景に気付いた。
「これって、高崎だな?」
 昨日夕方、2回目の鑑賞も兼ねてその場所を訪ねてみた。
 高崎・中央銀座通りアーケード街である。

ここがハチオーグの支配する街だ!

 間違いない、ココだ。
 アングルもこれでほぼ合っていると思う。右側にチラと写る本屋で特定出来た。すぐ近くには名画座・高崎電気館があるため、上映時間までの暇つぶしに散策していたのが役に立った。
 公式のツイートでもロケ中の一コマを紹介している。

 古くからあるアーケード商店街ゆえか、映画やドラマのロケ地としてよく使われている。東映の場合は、大泉の撮影所から関越道一本で行けるアクセスの良さもあるので重宝するのだろう。今後も何かしらの映像作品で高崎の何処かが出てくるはずだ。


 さて、二回目となれば初見時の驚きも落ち着いての鑑賞となる。とはいえ自分の熱が冷めないうちに、鑑賞後に知った情報や考察を確認する意味でも極力早いうちに再見しておきたかった。さらに上記のロケ地巡りも兼ねていたため一石二鳥といえる(※つまり高崎の映画館で観た)。

 改めて思うに、敵怪人の狂気、というかイカレ度合いが半端ではなく、実に分かりやすい。そして元となった彼ら、彼女らがどう絶望したかは何となく察せる。自分の才能を誰も認めてくれない(コウモリオーグ)のは分かりやすいが、あらゆる人間を支配したい(ハチオーグ)という願望は、その逆の立場にいた、つまりは搾取か使役される側にいたということか。クモオーグやサソリオーグは快楽的殺人者といえるが、これも根底にドス黒いものを抱えていたか、相当歪んだ性格の持ち主なのだろう。
 そんなイカれ度満点の怪人達を、本作ではそのイカれた感じに合わせたかのような雰囲気で描いている。サソリオーグなどは本当に分かりやすいが、少々イカれすぎたか。なお演じていたのが長澤まさみだとは初見時に一切気付かなかった。彼女なら高笑いせずとも微笑みながらバンバン殺戮してくれた方が余程怖く感じられただろうに。ハチオーグも現代的にしたとはいえ、ちょっとチャラく思えたのも気になる。緑川ルリ子との関係性から対比を持たせたのだろうが、キャラ設定は良く思えただけに色々勿体無い。

 そしてイカれた怪人をイカれて描いたのと同様に、アクションはアクションとして激しく描き、苦悩する時はしっかりと苦悩するという、実に分かりやすい演出になっている……のはいいが、誰かが自らの心の中と向き合ったり、訴えかける場面では何ともキラキラしすぎてて、少々照れくささを感じてしまうのも事実。例えばルリ子が本郷に残したメッセージも、伝えたかった想いは十分すぎるほど伝わるし情感を持たせたいつもりは分かるが、少々「間」があるのは気になった。その後に見せる本郷の涙で十分「間」は取れるような気もしたが、これは観ている我々の受け取り方次第か。

 いずれにせよ、今までの「シン」シリーズとはかなり毛色が違う。登場人物の濃さやキャラクター性の作り方は流石だが、本作はそのキャラの描き方や間の取り方がてんで変わっているのだ。いずれの作品もオマージュやマニア泣かせの要素をてんこ盛りにしつつ、いろいろとキャラを立たせながらもあらすじを複雑にせずに120分ほどの尺で納めてしまう脚本はやはり上手い。しかし全体的な雰囲気で観ると『シン・仮面ライダー』だけは異色なのである。普通のようでいて歪んでいる、そんな作品に仕上がった。

 それでもなぜか、ラストで一文字隼人が本郷とルリ子の意思を引き継ぎ、新たに仮面ライダーとしてショッカーと戦う決意をする場面を見ると
「何やかんやあったけど、納まるところに納めてくるんだよなぁ……」
と納得出来てしまう自分がいた。初見時の「そう来ましたか」という感想もその感情から湧いてきたのだろう。そうに違いない。


 余談だが、自分が高崎で観た回では後ろの席に女子二人組が鑑賞してて、上映終了後に「面白かったね」と言いながら入場特典のシン・仮面ライダーカードの封を開けて喜んでいた。柄本佑さんの名前も挙がっていたので、もしや一文字隼人のカードを引き当てたのかな?

2回鑑賞分でゲットしたカード。ちゃんとライダー(変身前)も引き当てたぞ

 劇中で何だかんだあったのを「心がスッキリすること」をモットーとする一文字隼人が全て救ってくれた、そんな気分である。

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