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【公認心理師が解説】 何をしでかすか分からない自分が怖い

「いつか子供を虐待しそうで怖いんです」

「もし自由が手に入ったら夫も子供も捨てちゃいそうな自分が怖い」

「ママ友ともっと本音で話したいんだけど、暴言吐いて傷つけそうで怖い」

「心の勉強とか好きなんですけど、ハマりすぎりて宗教に走っちゃいそうで怖いの」

「人を好きになるのが怖いんです。執着心から何をしでかすか分からない自分がいそう」


日々セッションをしていると、このように、

《自分の内側に「何をしでかすか分からない自分」がおり、今は、それを押さえて生きているような気がする》

と、そんな自分に怖さと不安を抱えている方が意外と多いんだなと気付かされます。

しかし、怖いと思っているだけで、実際に虐待していたり、傷つけたり、宗教に走ったりしている人はおらず、反対に、とっても人思いの優しい方たちばかりです。

《自由ってとっても魅力的なんですけど、もし、それが本当に手に入ってしまったらタカが外れ、何をしでかすか分からない私がドドド〜っと出てきて悪さをしそうで怖いんです》

この不安と怖さ、、、、。
どこからくるのでしょうか?

自由奔放だった子供時代から自由を抑え込む大人へ


このような方は、無邪気で自由奔放だった子供時代を過ごしていた方がとても多いんですね。


大好きな雲を見て1日中ぼーっとしていたり、

一人で冒険に出かけ2つ先の駅まで歩いてみたり、

知らないおじいちゃんと楽しく泥団子作ってたり、

坂道をノンブレーキで自転車で走ってみたり、

メリーポピンズみたいに傘で飛べるかと思い、塀から飛び降りてみたり、

親からするとヒヤっとする行動が多いのですが、当の本人は、それが普通で、そのまんまで、幸せいっぱい夢いっぱいなのです。

しかし、その無邪気で自由奔放なキャラクターを、

大人たちは、

「危ない」
「周りと同じにしなさい」
「落ち着きがない」
「このままだとダメな子になる」
「障害じゃなかろうか?」
「親の言うことを聞きなさい」


と、「そんなあなたはダメだ」と闇雲に押さえつけてしまっていたのです。

幼少の時期は、大人達の抑圧に最終的に抵抗することは難しく、自分認識の方を変更してしまいます。

インナーチャイルドができるまで


《無邪気でそのまんまの自分が幸せ!》だった幼少期

やりたいと思ったらまずなんでもやってみちゃう。

でも、あれ? 怒られた。ま、いいかと流す。

また自分の内側から無邪気な欲求が出てくるので、その欲求通りに楽しく行動する。

でも、あれ?あれ? 何故だかまた怒られた、、、。

怒られる理由が全く分からない、、、。
分からないから、また欲求のままに無邪気に行動する。

でも「考えてから行動しなさい!!!」

と、また怒られるので、その子なりに考えてみて行動する。

でも、考えて行動しても、あれれれ? なんでまた怒られるのぉ、、、、(涙)

そのうち、欲求通りに無邪気に行動しても、考えて行動しても怒られるんだと学習してしまう。
でも、じゃ、どうしたらいいのかが分からない。

しかもその無邪気さは怒られるだけでなく、親を悲しませたり不快にさせたり、誰かを傷つけているの? と疑問に思い始める。

でも、悪気はないんだよ、、、。
本当に、最初は悪気はないの。
わざとじゃないんだよ、、、。

そして、大人からのトドメの言葉。

「ああ、、、、本当にお前は、何をやっても、何かをしでかすヤツだな!いい加減にしなさい!!!」

すると子供の心の中では、

「そっか、私って、この無邪気な素直な気持ち自体があることが、とっても悪いことに向かっていってしまうんだ、、、。

そして知らず知らずのうちに誰かを傷つけ迷惑をかけている、、、、。

この無邪気な気持ちが出ないようにしなければ。
だって、何をしでかすかわからないんだもん」

あ、、、
インナーチャイルドが出来上がっちゃいましたね,,,,,(涙)


そして、この子がそのまま大人になっていくと、ただ、その怖さと不安だけが残り、自分の心にしたがって行動したくなると、

《何をしでかすかわからないので自分が怖くなる》

が、顔を出てくるようになるのです。

このように無邪気な子供は、行動のエネルギーも強いので、大人にとってはなかなかコントロールが難しく、権力という力で強力に抑圧していきます。


本当ならば、「考えなさい」と怒った時に、どのように考えたらいいかなどを根気よくサポートすることが必要なのですが、それをせず、闇雲に怒ってコントロールするだけだと、子供はどんどん混乱してしまいます。

そして、抑圧に反発ができないくらいまで押しつぶされた子供は、負け癖がついてしまい、自信を失い、何をしでかすか分からない自分が怖くなっていくのです。

そして、潜在的なメリットとしても、【何をしでかすか分からない自分が怖い】という、不安を持っていた方が、本当の自分が出てこないため、不安で怖いけど、痛みが避けられる安心感にもなってしまっています。


心の中、、、混乱してますよね。

本当の自分とは?


さぁ、思い出してみましょうか。

本当の自分ってどっちの自分?

【自由で、無邪気で、好奇心旺盛な自分(ワクワク)】

でしたよね。


しかし、

【自由で、無邪気で、好奇心旺盛な自分(ワクワク)】を、

=【何をしでかすか分からない怖い自分(ストレス)】と、

自分を守るためにくっつけていませんか?

あれ?
どっちが正解だったっけ??

《自分の内側に「何をしでかすか分からない自分」がおり、
今は、それを押さえて生きているような気がする》

このような不安や恐怖を抱えている方は、自分自身をみる(認知)が過去のストレスある経験と記憶のため、認知が誤作動してしまっており、間違った認知の自分の方を本当の自分と実は勘違いしているだけなのです。


小さい頃の心の傷が、大人私たちの行動に影響を与えてしまう。
それを【インナーチャイルド】と言います。

インナーチャイルドは、過去に傷ついた心の痛みから、痛みを避けるために行動を選択し、その影響で自分のセルフイメージと、そのセルフイメージに伴う価値観や能力までも捻じ曲げてしまいます。

それって、実は心が間違った世界を見ているだけだったりするのです。
ですから、本当の自分ではないのです。


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