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経営陣に聞く、「成長」をドライブさせるアクアリングの評価のあり方|役員インタビュー

アクアリングではここ数年、目標管理や評価の制度改善を重ねています。

アクアリングのバリューのひとつである「理想へ背伸びをする」ことを実現するために、経営陣はどのような想いで評価制度の改善に取り組んでいるのでしょうか。

評価制度の変遷からOKRの導入までを振り返り、今後どのように社員の成長をバックアップしていきたいのか。また、OKRに取り組む上で大切にしてほしいことを聞きました。

※OKR…Objectives and Key Resultsの略称。高い目標を達成するための目標管理のフレームワークのこと。
参考:https://rework.withgoogle.com/jp/guides/set-goals-with-okrs/steps/introduction/

プロフィール
茂森仙直:2002年入社。2019年にアクアリング代表取締役社長に就任。
水野幹久:2020年のアクアリングのCTVグループ参画に伴い中京テレビからアクアリングへジョイン。代表取締役副社長に就任。
藤井英一:2011年入社。2019年に代表取締役副社長、2020年に取締役
副社長に就任。

インタビュアー・ライター:菊地 美幸
アクアリング入社5年目のWebデザイナー。インナー広報に所属。


従来の評価制度に感じていた課題感

——まず、OKRを導入する前の評価制度の変遷について教えてください。

藤井:2018年に各自が希望給与を申告できる自己申告型給与制度を導入するまでは、5段階の自己評価を参考にリーダー・役員が総合評価をする一般的な評価方法でした。
ただ、当時は評価方法に対して社員からの納得が得られていなくて。

社内基準を超えてより高いレベルで仕事をしてくれる人を柔軟に評価できる制度じゃなかった。評価制度によるメンバーのモチベーション低下を見て、評価って何のためのものだったっけ?と。

茂森:評価面談が前向きな会話にならないことが少なからずあったんだよね。たとえば、自分はすごく頑張ったし成果も出したからS評価だと思っていた。でも、社員全体を相対的に見ている役員からはA評価だと判断されることもある。そんな状況にモヤモヤしていたメンバーも多かったと思う。

藤井:評価面談を前向きな場にするためにはどうするべきか?ということが大きな課題でしたね。

——そういった課題感があって、2018年に自己申告型給与制度を導入したんですね。

藤井:そうだね。改善策として、社員の業績をランクづけで評価しない“No Rating”という手法を取り入れたいと考えて。コンサルタントにも話を聞き、“No Rating”に基づく評価制度へと移行していくことを決めました。その一環として、キャリアデザイン支援の観点もあって採用したのが自己申告型給与制度。

——なるほど。制度移行をうけて、メンバーの反応はいかがでしたか。

藤井:1〜2割のメンバーは最初から前向きに捉えてくれていて、挑戦的な目標を立てていい結果を出してくれた。全員がいきなり前向きに取り組んでくれるとは思っていなかったけど、成功例が生まれてくれば流れは変わると考えていたから、まず結果を出せたことはよかったです。

茂森:ただ、当時のマネージャーはチームメンバーの給与まで管理することになったり、経営陣と現場の板挟みになったりと、予想以上の負荷で苦労をかけてしまった。
その後の代表交代をきっかけに役職は撤廃して、面談など直接役員と話ができる機会をつくったり、一歩ずつ課題を解消しながら今に至るという感じです。


一人ひとりが「成長」と向き合う仕組みをつくりたい

——現場の声を届けやすくなったことは、メンバーのモチベーションにつながった実感があります。その後OKRを取り入れるまでにはどんな経緯があったのでしょうか?

藤井:アクアリングは2020年に新たなミッション・バリューを定めましたが、会社が目指すゴールとメンバーが掲げる目標が紐づいていないことを課題に感じていて。
組織的に目標を達成するための手法であるOKRの存在を知って、アクアリングに合う形にチューニングしながら試験的に導入してみることにしたんです。

茂森:OKR導入に際して、ミッション・バリューを軸とした9つのゴールと27の指標を示した「VISION GOALS」を経営側からリリースした。今は、それを起点に個人の目標を検討してもらってるよね。

VISION GOALSの9つのゴール

——OKRや「VISION GOALS」を取り入れたことで、変化を実感していることはありますか?

藤井:
経営側としては、「VISION GOALS」と紐付けることで各ユニットの役割や個人の目標が明確になって、整理しやすくなった。

ユニット制度についてはこちらの記事で解説しています。
https://note.com/aquaring/n/nb3640d964a4a

茂森:共通のゴールができてメンバーとも議論しやすくなった実感がある。僕がいつも言っている心理的安全性の向上についても、メンバーの目標に具体的に反映されて、アクションに結びついている。結果として見えるとやっっぱりうれしいし、意義があったなと思う。

——これまで目標設定で使っていた「貢献検討シート」も、「OKRプランニングシート」に変更されましたよね。そこにも意図があったのでしょうか?

藤井:従来アクアリングでは会社に貢献するという思想で目標のことを「貢献内容」と言っていたんだけど、貢献という言葉に違和感を覚えるという声が上がってきて、確かになと思って。
会社への貢献だけにフォーカスしてしまうと、自分が「どう成長していこう?」と考える部分が薄れてしまうんだよね。

特に若手メンバーには自分が成長することが結果的に会社への貢献にもつながると捉えてほしいから、「貢献」という呼び方やフォーマットを変えることにしました。

——確かに、「貢献」という名称に引っ張られて自身の成長についてしっかりと考えられていなかったかもしれません。

会社から「VISION GOALS」が示されていても、自身がどう成長し、どんなキャリアを築いていきたいかに向き合わないことには、前向きな目標は立てられない気がします。

一人ひとりが自身の成長やキャリアと向き合うために、会社としてできることについてアイデアがあれば教えてください。

藤井:いま、メンバーが伸ばしたい専門性への理解を深めるために、専門性に関するヒアリングを行なっています。ゆくゆくは各自が専門性を高めるためにどういうステップを踏めばよいのかまで見える状態にするのがベストかなと。

そして実際にキャリアステップを踏むためには、プロジェクトでの経験が必須になる。だからこそアサインも工夫して、経験の土壌を作っていかなければいけない。受注からアサインへの動きと、キャリアを考えるという両視点から、メンバーの成長を支えていきたいですね。

茂森:他にも、フィードバックの仕組みを取り入れようと動いている。フィードバックすることは自分を律することにも繋がるし、人の成長にも貢献できる。そういう人は価値が高い。

藤井:フィードバックを「もらう」スキルも大切ですよね。自分の何を見てほしいかを伝えていかないと、適切なフィードバックはもらえない。こういうことを出来るようになりたい、だから改善点があれば指摘してほしい、と普段から伝えていれば、周りはしっかり見てくれる。自ら機会を作るのが大事だと思う。

——フィードバックは「する」ことに意識が向きがちですが、成長に繋げるにはいかに「もらう」か、も重要なんですね。

茂森:お互いにフィードバックしあえる文化をもっと会社に根付かせて、メンバーの成長を加速させていきたいよね。


成長できない目標は、達成しても意味がない

——経営側のアクションの意図がよく理解できました。逆に、OKRに取り組む上でみなさんがメンバー側に求めたいことってあるのでしょうか?

茂森:少し頑張れば達成できる目標ではなくて、本気で取り組まないと達成できないくらいの挑戦的な目標を掲げてみてほしいかな。

現時点では、自分が価値を発揮できることと「VISION GOALS」をうまく結びつけて貪欲に目標を立てている人もいれば、まだまだ画一的な目標の枠を超えない人もいる。
プロジェクト、ユニット、タスクチームなど機会はたくさんあるから、受け身になりすぎず柔軟な視点で自分の課題や目標を捉えてみてほしいと思ってる。

水野:振り返りで100%できました、って書いてあったら、本当にその目標でよかったのか少し怪しいよね。

——なるほど。「挑戦的な目標」のレベル感をしっかり認識できていないことも課題かもしれません。
私も少し置きにいってしまった自覚があります。高い目標を立てて、それに対して頑張るからこそ達成できなくても成長している状態が理想、ということですね。

藤井:そうだね。この制度の目的はより自分の成長の度合いを上げることだから、達成できたら万々歳くらいの感覚を持ってほしいかな。考え方は人それぞれだから絶対にそうしないといけないって徹底することはないけど、会社のバリューにあるように背伸びしてほしいと思います。

水野:面談の場で、茂森さんがこの半期成長したと思う?と聞くとするじゃないですか。そのときに、私はこう成長しました!ともっとはっきり言ってもらえると嬉しいですよね。
自身が成長するために、会社が成長するために、みんながこの制度をうまく使っていけるといいと思う。


インタビューを振り返って

今回のインタビューは、自分は成長のために高い目標を立てられていただろうか?と振り返るきっかけになりました。
半期ごとにキャリアデザインについてしっかり考える機会が設けられているのはありがたいことだと感じると同時に、成長するための目標設定や、どう成長していきたいか?といったビジョンをしっかり持つことが大切だなと思います。

フィードバックについても、「受ける側の意識が大事」というお話に深く共感しました。成長を加速するために、自ら積極的にフィードバックをもらいにいく。そのスキルを伸ばすことが「理想へ背伸びすること」につながってくるのかもしれません。

一人ひとりがキャリアデザインや自らの成長について考えることが、会社全体の成長にもつながる。そんな好循環を回していきたいと強く思いました。

茂森さん、藤井さん、水野さん、ありがとうございました!




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