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氣の施術その背景~施術者プロフィール【6】東京・九段での施術について( 2017.11.30 FaceBook )

 2020年11月6日 群馬県富岡市にて、とあるセミナーの講演者を務めて参りました。内容は簡単に申しますと「氣」について。演題は「氣の施術を続けて観てきたもの~心の風景」といたしました。

 後日、私はこの講演内容を材料に、またこれまで書き留めてきた文章とも併せ再編集した「施術者プロフィール」の小冊子を作製しました。初めこれは私の施術を受けてくださる方々にお読み頂くことが目的でしたが、このたび小冊子の内容を記事にしてマガジンにまとめてみました。

 タイトルは「氣の施術その背景~施術者プロフィール」でありますが、実のところ言葉のみで「氣」のお話を進めるのは至難の技です。このマガジンは私の施術の背景、大袈裟に言えば思想となるのでしょうが、結局は私自身の心の風景なのだろうとも思います。内容は、身体と氣と心、セルフコントロール、浄化と解放、癒し、心の成熟をテーマとしております。全9記事。もしも最後までお付き合い頂けましたら幸甚です。

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講話者さま ありがとうシート …はこちら

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東京・九段での施術について( 2017.11.30 FaceBook )


 個人の名刺を作りました。九段の案内用です。この 12 月、父が脳内出血で倒れてから丸 9年が経ち、来年は節目の 10 年目になります。私も先日 47 歳となり、これまた来年は歳男です。実は今、どこかそれまでの試行錯誤が一山越えたような感慨にありまして、その気持ちを整理していたら、肩書を外した一個人の名刺を作りたくなりました。裏面は簡単なプロフィールといったところです。もちろん会社の名刺はもともと別に作ってありまして、個人としての新たな旗揚げみたいな感じです。

当時の名刺の表面
裏面


 思い返せば、父や多くの仲間と触れずに痛みを取ること( ヒーリング )をひたすらに行っていた 10 年前。その痛み取りをしても亡くなって行く人々を目の当たりにしたその後の数年間。死を前にしてその心を救ってくれるものは何なのか、⾧いこと思索を煩わせ、うつつを抜かしたような瞑想を繰り返しながら、ようやくここ数年は自分なりの納得を少し得られたように思えています。それがリアルに発揮されたのは自らの入院経験ではありましたが、それでも実際の死そのものには、もっと現実的に身近に考え、その事実をより真摯に受け取って、人生にもっと還元させるべきと感じているこの頃です。

かれの意思に反して人は死ぬ。
死ぬことを学ぶことなく。死ぬことを学べ。
そして汝は、生きることを学ぶだろう。
死ぬことを学ばなかったものは、
生きることを何も学ばないだろう

『 死ぬ技術の書 』


 父が倒れた後、ある時から私は触れずに行う痛み取り( ヒーリング )を活かした氣の整体を行うようになりました。氣の整体を行っていると相談者の方の納得を身近に感じることが多々あります。やはり、身体が落ち着くと心も落ち着き、呼吸が深くなると安心が広がるからなのでしょうね。そしてそのような中にあって、末期癌の方への施術も幾度も経験させて頂きました。苦しみや痛みの最中にあるお姿に畏敬の念を抱きつつ、たとえ束の間でも安らぎを感じてもらえたときは、心から嬉しく、むしろ私の方が癒されたものでした。それは正に氣の整体が心を癒すことを感じた瞬間でした。

 一方、触れずに行う痛み取り( ヒーリング )はある種の不思議体験でして、種々の条件が整うと驚くような結果も得られますが、期待したことが毎回起こるかどうかは何とも言えません。誰でもできると言いながら、正直、ちょっと父は特別とも思います。ただ、問題の原因探しなどには向いているかなと思います。人は原因に納得すると一安心するのも事実ですし、それはそれで大事なことと感じています。

 ここで私が申し上げたいのは「納得」の重要性です。人は納得が済むと前に進める生き物だと私は思います。そして何より納得の当事者は自分自身に間違いなく、他者による強制的な納得はあり得ません。身体を納得させることが出来れば明日を迎えられるし、心を納得させることが出来れば人生は豊かになります。もし、死について深い洞察と納得があれば、生きる意味と自分がここにいる理由を見出せるのではないかとも思うのです。

人生は美しい
この世は美しい
人の命は甘美なものだ

『 釈尊 / 大般涅槃経 』


 以前は、母の影響なのでしょうが、真言密教について、貪るように知識欲を満たしたかった時期がありました。最近は当時より歳を重ねたせいなのか、やけに釈尊の言葉に癒され励まされます。特に中村元先生の解説を聞いていると尚更です。とかく仏教は漢訳になると難しい述語が出て参りまして、頭の回転が良いうちは結構なのですが、段々に面倒くさくなって来ているのかも知れません。しかし、大事なことは心のあり方だと思います。そしてその風景ですね。その心が幸福であることが求められるのです。その為にはどうしても心の成⾧、成熟が課題となってきますし、結局、私の最大の関心はここにあります。


 かれこれ九段に来てから一年半ほどが経ちました。ワンルームで大して広くもありませんが、これからも心のあり方に焦点をあてて、氣の整体や健康相談はもちろんのこと、瞑想会や少人数での勉強会なども開く予定でいます。宗教の枠を超え、より実際的に人間そのものを対象に、自分で自分を深めていく「場」にしたいと考えています。どうぞ東京にお越しの際は是非ともお声がけください。施術に限らず少しお喋りでもして、ゆっくり過ごしてもらえたらと思います。心よりお待ちしています。ありがとうございます。合掌。

己こそ 己の寄る辺、
己をおきて誰に寄るべぞ
良く整えし己こそ、
まこと得難き寄る辺をぞ得ん

『 釈尊 / 法句経 』

現在( 2023.11.25 )は出張のみです。
九段での施術は行っておりません。

【7】父の葬儀を終えて&チベット死者の書
…に続く

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施術者プロフィール【 Title 】

2020.11.26 【1】小冊子冒頭挨拶文
2020.11.06 【2】講演会 あんちょこ①
2020.11.06 【3】講演会 あんちょこ②
2020.11.06 【4】講演会 あんちょこ③
2020.11.06 【5】講話者さま ありがとうシート 
2017.11.30 【6】東京・九段での施術について
2019.12.17 【7】父の葬儀を終えて&チベット死者の書
2020.06.26 【8】死を見つめる。いかに生きるのか。
2020.11.26 【9】あとがき「 浄化と解放、癒し…そして 」

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