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思想・哲学・宗教・人物(My favorite notes)

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思想・哲学・宗教など心や意識をテーマにしたお気に入り記事をまとめています。スキさせて頂いただけでは物足りない、感銘を受けた記事、とても為になった記事、何度も読み返したいような記事…
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2022年9月の記事一覧

般若心経の意味(超簡単解説)

「般若心経」というのは260文字程度の短いお経ですが、仏教の基本と言われていて、多くの解説書が出ています。とは言え、それを読んでもよくわからないのが正直なところ。なので例によって少々乱暴ですが、分かりやすさを重視した解説を試みます。実はこの内容はずいぶん前に書いたものなのですが、今一つ肝心なところがスッキリしないこともあってずっと寝かせていました。しかし今回仏教シリーズを見直した機会でもあったので公開しておきます。 「超簡単」とは言ってますが、いくつかの前提知識や背景知識は必

マハラジのニサルガ・ヨガ

少し前に投稿した「ラマナ・マハルシの真我探究」が、なぜか、多くの人に閲覧され、「スキ」をいただいているので、マハルシと似た思想を持っているインドの聖者、ニサルガダッタ・マハラジ(1897-1981、以下「ニサルガダッタ」と表記)について紹介する投稿をします。 マハルシは、「ヨガ・スートラ」にも書かれているような、何らかの対象に集中するような瞑想を否定し、あらゆる想念・表象をなくして、本当の主体である「真我(アートマン)」を見出することを説きます。 この点で、ニサルガダッタも

確定する認識という燈明 意訳 2

前回のミパム・リンポチェの続きです。 ニンマ派の空の見解の意訳になります。 写真はネパールのお祭り、ティージ祭りにネパールの方からご馳走になったカレーです。大変美味しいかったです。 以下本文 ②(仏・菩薩が理解するように)声聞・縁覚の阿羅漢は人無我と法無我を理解するのか 一部の方々は声聞・縁覚の阿羅漢は(人無我のみを理解し)法無我を理解しないと言います 「(私の)五蘊」という五つの括りを(他と関わりない実体のある)「私」だけに属する存在などと把握する(錯覚上の)本体・

高間大介(NHK取材班) 『人間はどこから来たのか、どこへ行くのか』 角川文庫

これも職場で言葉について一席ぶつのにあれこれ下調べをする中で読んだ。本書を知ったのは山﨑努の『柔からな犀の角』(文春文庫)を読んだときに、その中で触れられていたからだ。山﨑の本を読んだのは、ほぼ日の「俳優の言葉」という不定期の連載を読んだのがきっかけだ。 本書は2008年10月から翌年10月にかけてNHKで放送された「サイエンスZERO シリーズ ヒトの謎に迫る」をもとに構成されたものだ。本書のタイトルはゴーギャンの晩年の作品に因んでいる。ちょうど2009年の夏に東京国立近

八正道を調和させる(全訳)

アチャン・チャー  皆さんは、自分が実践している瞑想について、どれくらい確信を持っていますか? なぜこんな質問をするのかというと、最近では僧侶でも在家でも瞑想指導者がたくさんいて、皆さんが瞑想について疑問に思うことがよくあるのではないかと思うからです。自分が実践している瞑想法について正しく理解をしていれば、不安になることなく、確信を持って実践に取り組むことができます。    瞑想実践をするにあたって、私たちは八正道、言い換えるなら、戒(シーラ)、定(サマーディ)、慧(パンニ

心について

アチャン・チャー  私たちの心というものは、本来なんの汚れも無いものです。本来の心というものは、清らかで、平安に満たされたものです。もし、あなたの心が穏やかでないというのなら、それは感情に惑わされているだけなのです。本来の心というものは、そのような感情とは関係なく、ただ自然の一側面であるようなものです。その心が、感情によって、穏やかになったり、興奮したりしているだけです。訓練されていない心というものは、愚かなものです。外部の感覚的な刺激によって、私たちは喜んだり、苦しんだり

ブッダの教えは誰もが「充実した人生を生きるための指針」。『ブッダが説いた幸せな生き方』最終回

誰もがブッダの教えによって有意義な生き方を始めるために、『ブッダが説いた幸せな生き方』(今枝由郎 著 岩波新書)を読んでいます。 前回はブッダが説いた、幸せになるための経済生活について述べました。 最終回のこの記事では、ブッダの教えは誰もが「充実した人生を生きるための指針」であり、ブッダとしての生き方は誰にでも実践可能であるということについて述べていこうと思います。 ここまで取り上げてきた、普段の心がけである「四無量心」や、日常生活において守るべき生き方のルールともいえ

ブッダが説いた、幸せになるための経済的生き方とは? 『ブッダが説いた幸せな生き方』⑬

誰もがブッダの教えによって有意義な生き方を始めるために、『ブッダが説いた幸せな生き方』(今枝由郎 著 岩波新書)を読んでいます。 前回は、ブッダの教えを日常生活のなかで実践していくために守るべき「五戒」を取り上げました。 今回はブッダが説いた、幸せになるための経済生活について述べてみようと思います。 「仏教」(ブッダの教え)は「心の修養」というものに重点が置かれていますが、 『ブッダが説いた幸せな生き方』の著者である今枝由郎氏は、 「ブッダの関心は、第一に人々の幸せ

ブッダの教えを日常生活で実践するための、守るべき「五戒」とは❓ 『ブッダが説いた幸せな生き方』⑫

誰もがブッダの教えによって有意義な生き方を始めるために、『ブッダが説いた幸せな生き方』(岩波新書)を読んでいます。 前回は、ブッダの教えのなかで大切なのは心の修養、サティ、マインドフルネス習慣であるということについて述べました。 今回はブッダの教えを日常生活のなかで実践していくためには、何が必要なのかということについてです。 実は、「仏教」というと「出家」が必要であると考えられがちですが、お坊さんにならなくても、自分の心がけ次第で、ブッダ(目覚めた人)を目指していくこと