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ロジックの強さには3段階のレベルがあるというお話①

戦略コンサルタントのアップルです。

この記事では、「論理的思考力」「ロジカルシンキング」とちまたで言われるものには大きく3段階のレベルがあり、あるレベルを超えると強力な武器になるということをお話します。

<想定読者>
・そもそもロジカルシンキングとは何かを知りたい
・ロジック力を強くしたい
・戦略コンサル流のロジックの鍛え方を知りたい

左脳はコモディティ化したのか?

左脳と右脳。よく使われる言葉です。
一般的には、

左脳:ロジック力・計算力・言語化力
右脳:発想力・創造力

と捉えられています。

仕事をしていく上でどちらも大切ですが、昨今、「左脳の時代は終わった、これからは右脳が大事だ」ということを言う人がいます(アップルが所属するファームでもそういうことを主張する人が少なからずいます)。

その人たちの主張は、次のようなものです。

ロジカルシンキングについては、それを論じた本があまた出ており、そのノウハウやテクニックは既にコモディティ化している。

また、論理的思考から導かれた解は一意なので、オリジナリティという観点でも面白みがない。

確かに、初歩的なレベルのロジカルシンキングは、しばらく前からコモディティ化していると思います。一方、深いレベルでのロジカルシンキングは、依然できる人は相当限られますし、それをひとたび持てば十分な武器になると私は考えています。

つまり、一口に「論理的思考力」や「ロジカルシンキング」といってもレベルがあり、どのレベルまで到達すれば競争優位性があるのかということを理解しておくのが重要だと感じます。

そこで、今回の記事では、「ロジック力のレベル分け」についてお話したいと思います。

ロジック力の3段階のレベル

アップルの感覚では、大きく3つのレベルがあります。レベル①、②、③の順に難易度が増します。

レベル①:MECE、So Whyが自然にできる(易)
レベル②:フレームワークが作れる(やや難)
レベル③:全体の構造化ができる(難)

では、解説していきましょう。

 レベル①:MECE、So Whyが自然にできる

ロジカルシンキングの本を開くと、まず出てくるのがこの手の話です。MECE(もれなく、ダブりなく)に分解して事象を捉えよ、とか、So Why(なぜ?)を常にセットで答えよ、という話です。

MECEに分解することは、ロジックツリーという概念とともに説明されることが多いです。ロジックツリーについてはいくらでもネットに解説記事がありますので(例えば以下)、ここでは詳しく説明しませんが、例えば「なぜ店舗の売上が落ちているのか?」という問題を、「客数が減っている+客単価が落ちている」と分解し、さらに客数が減っているのを「新規顧客が減っている+既存顧客のリピートが減っている」と分解していく作業です。

このようにもれなくダブりなく問題を分解していくことで、売上が落ちている原因を探っていくわけです。

※ロジックツリーについては例えばこちらのサイトを参照

また、So Whyは、ある種当たり前の思考で、「私の主張はXXXである。なぜならば、YYYだから」という思考を徹底せよという話です。コンサルやビジネスの世界だけでなく日常的に使っている思考です。

レベル①のロジック力とは、こういう基本的なことを無意識のうちに自然にできる状態を指します。コンサルタントの初心者がまず基本として身に着けることが求められます。

 レベル②:フレームワークが作れる

この辺からやや難易度が上がってきます。

戦略コンサルティングのプロジェクトにおいては「フレームワーク」を作ることが非常にキーになります。

フレームワークとは何かしらの全体像をとらえる枠組みです。対象は市場の全体像のこともあれば、ある業界におけるプレーヤーの全体像のこともあります。その時々で何かしらの全体像をとらえることは検討や議論を前に進める上で非常に重要で、全体像を的確にとらえるフレームワークを考案できるかどうかが戦略コンサルタントには問われるわけです。

公開情報で一つイメージをお見せしましょう(アーサーDリトルの報告書のスライド)。

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これはモビリティサービスに関わるプレーヤーの全体像を示したスライドですが、
・横軸に「バリューチェーン」
・縦軸に「移動の対象」
という2軸をとることで、MECEにプレーヤーの全体像を表現しています。

こうしたフレームワークを作って各種情報をマッピングするのは、物事をMECEに整理する力なので、ロジカルシンキングの範疇に入ります。

フレームワークを作る難しさは、軸をどう設定するかという点にあります。フレームワークは、スライドに落とすことを念頭に縦軸と横軸の2軸で整理することが多いですが、軸の取り方というのは唯一解があるわけではないので、しっくりくるように設定できるかどうかが肝になります。

軸のとり方に「センス」と「経験値」が求められるわけです。

フレームワークを自ら考案する。
難易度がやや高い故、これがある程度できると競争力になります。


今回の記事はここまでです。

次回、最も難易度の高いレベル③を解説するとともに、ロジック力をどう高めていけばよいかのヒントについてお話します。引き続き以下をお読みください。

ロジックの強さには3段階のレベルがあるというお話②|アップル|note

最後までご覧いただきありがとうございました!

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