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静かな呼吸

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早いもので2月が終わろうとしている。毎日毎日が実に早いものだ。仕事でさえ、気づけば午前中が終わっている生活。最近体調も精神的にもボロボロ卵ボーロ(お菓子)。
何度もリセットをしなければという暗示を心で唱えても唱えても頭の中のスイッチが切り替わらない。

前兆はあった。

すべてにおいてバランスがうまくとれなくなっていた。
新体操に例えると平均台にのって両手を広げて、うまくいったらきちんと着地ができて。なのに、最近は平均台にものれない、もしくはのれてもすぐ落ちちゃう。そんな日々が続いていて。笑顔も引きつっていたと思う。

会社の同僚から「大丈夫?」とありがたい言葉をかけてもらい、友人から電話で励ましてもらい、周りに恵まれていると改めて感じた。これからも自分を支えてくれるこの人たちを一生大事にしようと誓う。


前職の同期から連絡があった。今はお互い会社を辞めて別の会社で働いている。普段は飛行機くらいでしか会えない距離で生活をしているのに、突然出張で私の住む街にやってきた。

彼とは戦友だ。

夜に着いてから、二人でご飯を食べた。
彼とは新卒で入った会社の一番最初の配属で同じ部署だった。
私は当時地元を離れた場所で大学生活を送り、そのまま就職。
田舎の女の子が都会の会社で働くことは驚きのことが多く、それは時としてショッキングなことの方が多く、常に会社と社会との戦いだったように振り返る。彼は出身も就職も地元だったけれど、大人の世界をわたしと同じく少し居心地が悪いように感じていた。彼とは会社のあんなことやこんなことを話して、そのときは私も彼も希望を持っていた。少しでも大人の世界に馴染めるように自分自身と戦っていた。

退職は私の方が早かった。私は地元に戻った。
会社を辞めてからも彼とはちょくちょく連絡を取っていたが、ある日私に会いにわざわざ私の住む街に遊びに来てくれた。ストレートに何度も何度も口説いてくれたが私は彼に対してそういう気持ちになれなかったのだ。


そんな彼と久しぶりに会った。彼から結婚すると報告を受ける。
心から嬉しかった。「おめでとう」を伝えた。彼も何度も照れた。

「俺の知る女の中でお前は一番いい女だ。お前も幸せになれ。」

彼から返ってきたこの言葉に私の方が照れた。最高の誉め言葉だよ。ありがとう。解散するときにはお互いに大人の世界を見た瞳になっていて、彼はこれからの未来に期待が込もっていた。私は私で自分のできることを、今を精一杯生きようと思うと同時に少しだけ未来が明るく見えた。案外、未来は悪くないと信じて。なんとかなるさと信じて。これからも私たちは人生のいろんな場面に戦っていくんだと思う。

だから、最後に私はもう一度言う。彼との関係は戦友だと。


今住んでいる家の近くに出雲大社の分祠がある。
おこがましいのは分かっているが、神頼みとはこのことで神様に良いバランスが戻ってくることをお祈りした。家に帰って掃除をしていたら、どこで失くしたか忘れたおいせさんのお清め塩スプレーがでてきた。えへへ。いいことあった。ラッキー。

今日は静かに呼吸をしながら、眠りにつこうと思う。明日は今日よりも良い日になると信じて。


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