中学生にウェイトトレーニングってやらせていいの?
こんにちは!
ストレングス&コンディショニングコーチでありムーブメントコーチの山越です!
今日はよくある疑問について私個人の考えを書きます。
「中学生にウェイトトレーニングってさせていいの?」
という疑問です。
皆さんも一度は思ったことありませんか?
トレーニングをやると背が伸びなくなるとかよく言われていましたよね。
これに対して、私的見解を述べます。
私としては中学生にトレーニングさせてもんだいない!と思っています。
現に今活動しているレオヴィスタバスケットボールクラブは小中学生の選手がいて、私がメインで指導しているのは中学生です。
自体重やペアトレーニングがメインですが、ガンガントレーニングさせます!
中学生でもトレーニングするべき理由①
身体の正しい使い方を覚えるためです。
もっというと身体のコントロールの仕方を覚えるためです。
例えばスクワットなら
①肩甲骨を寄せる(固定)
②体幹部を固め、骨盤-脊柱-頭蓋骨のラインを一定に保つ(固定)
③股関節、膝関節、足関節を曲げ伸ばしする(稼働)
という各関節毎に固定と稼働の役割をこなしながら僕の場合は
④重心位置を足の真ん中に保ちながら、地面・床を押す
という要素を求めます。
この真っ直ぐ真下に力を加える=押す、ということがムーブメントスキルの向上に繋がるからです。
※この時の足の重心位置の細かい説明についてはこちらの記事を参照してください↓
他にも例えば、ペアでタオルを使ってロウイング(引く)のトレーニングも行います。
このトレーニングの場合は
①体幹部、股関節、膝関節、足関節を一定の位置でキープ(固定)
②肩、肩甲骨は曲げ伸ばし(稼働)
その上で
③ややつま先を上げるような感覚で足の真ん中よりやや踵側で地面を斜め前下に踏み、前脚の腿裏、お尻の筋肉で耐える。
という要素を要求します。
この姿勢、力の加え方、使用する筋群(特に下半身)はブレーキをかける時に必要とされる要素です。
正しいブレーキ→減速やストップができることで怪我のリスクは大幅に減らせるのでそのムーブメントスキルを習得するためにも結構頻繁にこれ系のトレーニングは行わせます。
こういった理由で、ウェイトトレーニングを通じてムーブメントスキルの向上→競技スキルの向上にも紐づけられるので僕は中学生にも、明確な目的を持った上でガンガントレーニングをさせます。
中学生でもトレーニングをするべき理由②
成長ホルモンの分泌を促すためです。
成長ホルモンの分泌量が多いほど、筋肉や骨の成長は促進されます。
身長はどこまで伸びるかはほぼ遺伝で決まっているとはいえ、栄養状態が悪かったり、睡眠時間が足りなかったり、骨への刺激という観点で運動の量が不足していたりすると最大限に伸びることができません。
骨の主成分はリン酸カルシウムとタンパク質。
そして、成長ホルモンはタンパク質の合成を促進してくれます。
筋トレやスポーツをすることで成長ホルモンが分泌されることはご存知だと思います。
特に筋トレは、ゆっくりとした動きで行ったり、姿勢をキープしたりすることで筋肉に疲労がたまりやすく、その疲労を回復させるために、しっかりと追い込んだ筋トレ後は成長ホルモンが多く分泌されます。
この成長ホルモンを分泌する機会を睡眠と運動で増やし、栄養をしっかり補給することで筋肉や骨の成長を促進できます。
こういうサイクルで生活することでもともと伸びる予定であった分、身長が伸びてくれるのではないかと思います。
逆にこの伸び盛りの時期に夜更かしをしたり、栄養をしっかり摂らなかったり、運動を大してしていないと伸びるものも伸びないのではないかなと思います。(私がそうでした。。。中2から中3にかけてめっちゃ夜更かししてたからなー)
といった上記の2つの理由で私は中学生にでも絶対トレーニングをさせるべきだと思います。
ただし、そんなことを言いながら、中学生にトレーニングを行う際には、中学生ならではの問題が立ち塞がります。
中学生にトレーニングを行う際の問題
それは成長痛です。
主に成長痛は下肢にでますが、圧倒的一位は膝でしょう。
膝に成長痛が出ると、深くしゃがんだりすることが厳しくなります。
ではこういった時はどうすればいいか?スクワットができないではないか?
ということを考えるかもしれません。
そういう場合は膝が痛くない範囲で、浅いスクワットをするのもありです。
そして、両脚のスクワットに拘らず、脚を大きく前後に開くスプリットスクワットでもいいと思います。
こちらの方が、深くしゃがんだ時に膝の曲がる角度が浅くて済むため成長痛で膝が痛い選手にはお勧めです。
もっと大きく脚を前後に開くランジ系のトレーニングでもいいと思います。
とにかく膝の可動範囲が狭くて、それでも下半身にはしっかり負荷をかけられるトレーニングをチョイスすれば、成長痛による痛みを避けながら、成長ホルモンの分泌を促すためのトレーニングを行うことができます。
何事も工夫です。
選手たちが安全に、かつ最大限の恩恵が得られるように常日頃指導者も勉強し、思考し、指導に当たっていきましょう!
では、また!
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