見出し画像

工房の増築、その後

基礎の打設、柱の刻み、建て方、その他諸々、色々と作業はやっていたのですが、写真がありません。

大変申し訳ありません。_o_

タイトルの写真は、刻みが終わった柱類。

ヤフオクで買った中古の電動角のみ、手持ちの丸ノコ、のみ、手鋸などで刻みました。寸法は事前にCADで図面を書いていたので、それに従って墨付けします。

素人なんで、あまり複雑な仕口は用いていませんが、一部、追掛大栓継ぎなども使ってみました。

一番手前の下から2本目の仕口が追掛大栓継ぎ

使った材は、基本、ホームセンターで買った3.5寸角の杉で3mの材です。
これだと、長さが足りないところが何か所かあって、腰かけ鎌接ぎの様な比較的簡易な仕口だと強度に不安があったので、やってみました。

ちょっと複雑な形をしていますが、やってみたら、案外簡単にできました。

このような刻みの作業を正確に行うコツは、実際に加工を行う前に、材料の矩(直角のこと)と寸法をきちっと出しておくこと、反りやねじれの様な材の狂いを抜いておくことだと思います。

なのですが、意外とこれが手間がかかります。
手持ちの電気ガンナと水準器を2つ使って、まず基準となる面を一つ作り、それに合わせる形で電気ガンナで削る作業を繰り返しました。

人工乾燥材で、乾燥後、日が浅い材だと狂いは少ないので、このような作業を行わないでも大丈夫な事もあります。

ただ、建築用材の3.5寸角の角材は、基本、心持ち材です。
人工乾燥が入っていれば、それほどではないかも知れませんが、心持ち材はプロペラの様にねじれたり、大きく割れたりと狂いが大きい傾向があります。

これらは時間の経過に伴って大きくなる傾向があるので、早目に墨付け、加工をしてしまう事が無難な気がします。

「そんなこと言っても、組んだ後で狂いが出るじゃん」と思われるかもしれませんが、逆に、木と木が干渉して締めこんでくるので、かえって好都合という面が有ります。

刻み作業の写真がありません。なので、間を飛ばして屋根工事。(^^;

勾配がきつくて怖い。ひもみたいなのは命綱

杉の野地板の上にアスファルトルーフィングを貼りました。固定はタッカーでバシバシと。

ルーフィング材は軒から棟に向かって貼って行きます。逆にすると、雨漏りの原因になるので要注意。

屋根は1尺の幅に対して5寸持ち上がる5寸勾配なので、上に乗ると結構急角度です。座っているとズルズルとずり落ちる感じ。見た目には一番カッコいい勾配ですが、施工はちょっと大変です。

ルーフィングを張ったら、その上にガルバリウム鋼鈑の横葺の屋根材を直接貼りました。

本来ならこの上に桟を張り付けて少し空間を開けるべきなんでしょうが、面倒だったのと、ルーフィング材の上に木材を貼るというのに何となく違和感があったので、そうしました。

風通しが悪く湿気もこもりがちな、こういう悪条件の場所では木材は直ぐに腐朽する様な気がしたんです。多くの施工例が有るので、そんなことは無いんだろうと思うのですが。

増築前の工房の屋根も同じように直接、屋根材を貼っています。もう、20年近く経ちますが、全く問題ないので、これでも良いんだと思います。

屋根材も軒から葺いて行きます。トタンなので滑る。

ガルバリの横葺材を所定の寸法にカットして、一枚一枚、軒から貼って行きます。

下から見るとたいした高さでは無いのですが、上に載って作業するとかなり怖いです。それも軒先の作業は相当怖い。
高所恐怖症では無いんですが、ガルバリ材は表面がツルツルしているので、結構、滑るんですよね。

転倒したことはありませんでしたが、そうなったらコンクリの地面まで真っ逆さまです。何時も命綱を握りながらの作業でした。

下の写真は、葺き終わったところ。軒先の処理がまだですが、金切りばさみとディスクグラインダで切断し、板金用の「つかみ」で形を整えました。

壁は30mm厚の杉のフローリング材を使いました。柱に「ミゾキリ」という電動の丸ノコみたいな形をした機械で、溝を掘り、その間に板を落とし込みました。

壁材の色がまちまちなのは、増築前の工房を一部解体した時の材を再利用しているからです。

普通のセンスだと塗装して色合わせとかするんでしょうけど、普通じゃないので、そのままです。(^^;

「フローリング材を壁に使うなんて贅沢だ!」と売って貰った製材所の方に言われてしまいましたが、これで外壁・断熱・内装を兼ねるので一概にそうとも言えないと思っています。

確かに、構造用合板を貼った方が単位面積当たりの単価は安いですが、外壁に合板をむき出しには出来ないですよね。室内はローコストと割り切れば、出来なくもないですが。

杉材だと、表も裏もそれなりに見えるので、こういう施工方法もアリだと思っています。フローリング材は本実加工がされているので雨がかかっても余程の強雨でない限り、中に浸み込んでくることはありません。

なので、防水シートも貼りません。ただし、本実の凸面を上にしないとマズいかも知れませんね。

下から屋根を見上げたところ。

屋根の下地となる野地板は、12mmの杉の荒材を買って来て、自動ガンナで表面をきれいにした後、「ミゾキリ」を使って相決り加工を施しました。

これがミゾキリ。丸ノコのチップソーと違って幅21mmの凶悪な刃物が付いています。(^^;
動作音も「ブォーっっ」て感じの爆音です。

写真でも一部写っていますが、ミゾキリや自動かんな盤を使うと、盛大におがくずが発生します。とても、家庭用のゴミなんかで捨てられる分量じゃないです。

根太の設置

屋根と壁が出来ると何となく安心します。とりあえず、雨が降っても大丈夫ですしね。

続いて床の工事を行います。まずは根太の設置。3.5寸角の角材を使います。通常は91cm間隔で設置すると思うのですが、木工機械は重いので半分の45cm間隔で設置する事にしました。

柄の位置がバラバラだ…

柄も大体、45cm間隔くらいで設置しました。間隔はチョー適当。(^^; 後で後悔する事になるんですが。

基礎パッキン。根太に切り欠きが入っているのは失敗した材を再利用しているから。

土間コンクリートと柄の間には腐朽防止のために、基礎パッキンを挟みました。
建設資材屋さんに行って「正方形のください」って言ったら、「正方形???」と怪訝な顔をされました。

通常は基礎と横架材となる土台の間に挟むものだから、基本、長方形なんですよね。柱や柄の木口面に使うのは、反則なのかも知れません。まぁ、素人の仕事ってことで勘弁してやってください。

45cm間隔でも不安になってツーバイ材を間に入れました。

全体の水平だしを終えて、コンパネを貼って行きます。目に見えて出来上がっていく作業は愉しいです。

集塵の配管作業

コンパネを貼りながら、集塵用の配管の設置も行いました。当初、屋根側を通す予定だったのですが、気が変わって床下配管にすることにしました。

ここで、柄の位置を適当に設置したことを大いに後悔する事になります。
柄が邪魔して配管が通せない箇所が出来てしまったためです。

どうにかこうにか、スペースをやりくりしました。計画性の無い作業は効率が悪いです。

何とか配管を通した後、コンパネを全面に貼りました。さらにその上に、床の断熱も兼ねて壁材でも使った30mm厚の杉板を貼って行きます。

こういう作業は成果がはっきり表れるので楽しいです。
飛び出しているのは集塵用の床下配管

窓用の建具も作りました。道に面している側は、窓を開け難いので突き出し窓にしてみました。

ガラスの代わりに板が入っているのは遊びです。
引き違い戸も作ったんですが、寸法間違えた…
手押しガンナが2台ありますが小さい方は放出予定

そんなこんなで、出来上がった室内。

大型の手押しガンナ盤が入っていますが、補強のおかげで床は軋みもしませんでした。

この手押しカンナ盤の話は、また、後日。

ここまで来るのに丸1年掛かりました。もっと早く完成する予定だったんですが、思ったより掛かっちゃいましたね。

施工作業は、全て一人でやりました。(手伝ってくれる人が居ないんで…)
唯一、落っこちていたペンを「それ拾って」って子どもに頼んだくらいですね。

見た人は、「これ、全部一人でやったの!?」って驚かれますが、やる気と工夫で何とでもなるもんです。

この後、電源工事が入ります。

しっかり稼がないとね。(笑)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?