AOZORA YUKIKO

絵本を書きます。物語も書きます。詩も書きます。エッセイ的なものも書きます。いろいろ、書…

AOZORA YUKIKO

絵本を書きます。物語も書きます。詩も書きます。エッセイ的なものも書きます。いろいろ、書いちゃいます。 youtubeに自作の絵本の読み聞かせの動画も出しています。 https://www.youtube.com/channel/UCDgEHLNorx4mmJjfU4kWZeQ

最近の記事

自分だけの自分がどのようなものであるのかを思い出せないでいる

久々の休みに、一人でランチに街にきた。 食後、クーラーの効いたハンバーガー屋で、窓の外を行き交う夏服を着た人々をぼんやりと眺める 友達も来るかしらとラインを送り、携帯を閉じる すると、しっとりとした疲れが訪れる 休みなのだから何かをしなければならないと焦っていた自宅での心が嘘のように落ち着き出した 全てが終わったような気がするほど 疲れが身体全体に巡りはじめた 日々、沢山の人に会うこと、相手に適した自分を引き出し、演じること、 この疲れにあらゆるものが含まれている気が

    • ケーキの切れない非行少年たち

      2019年に出版されたこの本、非常に流行ったので、一度は表紙を目にした方も多いのではないのだろうか。 私も表紙だけを見た中の一人である。 本の内容は非行少年が集まる少年院にて矯正に向けたサポートを行う精神科医の先生が、そこで知った非行少年たちの苦しみ、そしてどのような社会になったら、そのような少年たちが非行に走らずに済むのかが描かれている。 文章は淡々としており、読者は宮口先生の感情論ではなく、事実を論理的に読んでいく事ができる。 論理的な分、初めは少しだけ冷たい感じ

      • 最寄りの天国 3月31日

        たまたま両親が休みだった昨日の朝、9時頃に 家の愛犬が天国に旅立った。 母の腕の中で発作を起こし、たぶんそのまま逝ったのだ。 発作は老犬の家の犬にとって珍しい事ではなかった。 母も、「今回の発作は長いな。」くらいにしか思っていなかった。 発作後、母は洗い物やらをするために愛犬をふかふかの毛布の上におろした。 私がその頃に起きてきて、Jazzを流しながら大学のレポートを書き始めた。 小春日和、温かいリビングに、柔らかなJazzと共に3人は居た。 私は、レポートを書き

        • わたしには分からない。

          わたしには分からない、なぜ人を殺してよいのか わたしには分からない、なぜ女性以外だったらよいのか わたしには分からない、なぜ子ども以外だったらよいのか 住民ではなく兵隊だったら、殺してもよいらしい 夫、恋人、友達、兄弟が人を殺しに行くらしい 人に殺されに行くらしい わたしには分からない、なぜこの戦争が平然と行われているのか なぜ? なぜ? なぜ? なぜ、人を殺してもよいのか わたしには分からない。

        自分だけの自分がどのようなものであるのかを思い出せないでいる

        マガジン

        • 読書日記
          17本
        • はぐはぐ犬
          2本

        記事

          春!

          春が来た〜! お散歩してたら、暖かい風がおでこにあたって 切りたての前髪が揺れました。 春の日差しの中、ふんわりとしたテンポで歩く、私の手のひらに握手するみたいに、風が触れて、 とっても幸せです。

          太陽

          子供の声が聞こえる気がして 光の方へ走っていったら 君が立ってた 恋は瞬く間に私を包んで 甘い夢を見させてくれた 子供の遊戯は残酷で 君がくれた四つ葉のクローバーは 君が忘れ去っても 私の手の中に握られている 振り回されて 抱きつかれて 疲れて逃げ出しそうにも 甘える君の目から目をそらせない 子供は育つ 一瞬でも瞳を閉じたら 次に目を開けた時には 遠く太陽の方へかけてゆく 逞しい後ろ姿 私はそちらへは行けない 君が手を繋いでくれないと

          どんぐり!

          どんぐり!

          2021年 10月5日

          すみません。ちょっとネガティブな事書きます。 ただの私の最近の事です。 来年にでも読み返して、「あぁこの時はこんなだったなぁ。」て思いたいんです。 正直、忙しすぎる。 どんどん、いろんな事をしていかないと見えてこないし、予定も立たない。 準備の準備の準備をしているような段階で、思ってもないような変更も次々出てくるし、全く触れたことのないものに毎日接していって、未消化でまた次が来るような感じ。 やりたいことあるけど日常が大変すぎて全く手が回らない。 涙がたまってい

          2021年 10月5日

          深くて浅い

          最近、思考の広がりについて考えてます。 物事を深く、深く考える時に、考えすぎて思考が狭くなって独りぼっちな感じがして寂しい時と、広がって温かい感じがしてぽわって柔らかくなる時があります。 うんと若いころは、寂しい感じの思考の行き止まりにたどり着くことが多かったと思います。 でも最近、温かい思考、またそこからどこまでも広がって行けそうな所に行く事も多くなりました。 なにか私の中で変わったのかなぁ、なんて思いますが、正直何が変わったのか分かりません。 ただ、何度も、寂し

          深くて浅い

          再生

          ちょっとしずかにしてくれませんか?

          お母さんがお出かけの日、お兄ちゃんは赤ちゃんのお世話を頼まれます。 赤ちゃんが眠ろうとする度に、音がして赤ちゃんが起きちゃう! 「ちょっとしずかにしてくれませんか?」 みんなに言って周ります。 初めて作った絵本です。 うさぎのシーンがお気に入りです。

          ちょっとしずかにしてくれませんか?

          再生

          元気になる日々

          「今日も疲れたぁ」 なんて家に帰って、玄関に座って靴ひもをゆるめ窮屈な靴を脱ぎ、臭くなった靴下も脱いで、洗面所に直行して手を洗って、コンタクトを外して、鏡を見るともなく見ると普通に自分の顔が映っていたりして、「今日の前髪イケてたかな?」なんて前髪を触ったりして、 「ふぅ、自分お疲れ!」 なんて思って、冷蔵庫に向かって扉を開けて、「ハンバーガーとか入ってないのかぁ」なんて思って、作ってあるお茶に手を伸ばして、それをミルクパンに注ぎ、お腹の弱い自分の為にあっためて飲む。

          元気になる日々

          はぐはぐ犬 2

          「わんちゃ〜ん!」 泣き声にも似た坊っちゃんの声が聞こえます。 はぐはぐ犬は、急いで坊っちゃんの声がする方へ走っていきました。 涙で頬が汚れた坊っちゃんがはぐはぐ犬をきょろきょろと森の中を探しています。 そんな坊っちゃんの姿を見つけると一目散にはぐはぐ犬は坊っちゃんに駆け寄りました。 「わんちゃん!」 「坊っちゃん!」 「ごめんなさい!」 2人同時に言います。 はぐはぐ犬は、坊っちゃんの頬を舐めてあげます。 「わんちゃん、ごめんね。ママもわざとじゃなかった

          はぐはぐ犬 2

          開いた時

          大好きな姉がいる。 基本的に私達は仲が良すぎて、常に話している。 話す内容はありとあらゆる事、天気が悪くて頭が痛いとか、今日はうどんが食べたいとか、昨日見た夢とか、リアルな事から抽象的すぎることまで何もかも全部話す。 物理的に距離が離れていても、遠くに感じる事はない、私の心の直ぐ側に姉専用イスが置いてあっていつもそこに座って居てくれている感じがする。 でも、何年に1度だろう「あ、今開いてる。」と感じるときがある、しかも喧嘩中とかでも、物理的に遠くにいる時でもなく、すぐ

          こころのこびと

          こころの淵まで涙がきっとたまってる こんなにも君のことが好きなのに こんなにも生きてみたいのに 僕の心の淵に立っている小人が 「こりゃもうだめだって」首をふっている 溢れるのは時間の問題だなって 渋い顔して途方もなく立っている 「どうにかなんないの」と聞くと 「どうにかしようと頑張っているんだ」って 小人がもう1人増えて言う 「じゃあ 僕も頑張るから」って言うと 「君は頑張りすぎだ」って 小人がもう1人増えて言う 「そんなはずはない、僕はもっと頑張れ

          こころのこびと

          私は何?

          歯磨きもしてお風呂も入ってパジャマも着て、みんなにおやすみなさいの挨拶をして、一人ぼっちでベットの上にいる時、ぽわんと謎がやって来る。 普段は考えないよ。 朝の光の中じゃ、疑問に思わない。 昼の人々の中じゃ、見つけられない。 「私って何?」 たしか、女で、 たしか、日本に生まれて、 たしか、、、、、 いいや、こんな事じゃこの疑問への答えにはならない。 「私は何?」 小さな声で呟いてみる。 そうすると、 か細い女の声がして、 「あぁ、私はこんな声だった