太陽


子供の声が聞こえる気がして

光の方へ走っていったら

君が立ってた

恋は瞬く間に私を包んで

甘い夢を見させてくれた

子供の遊戯は残酷で

君がくれた四つ葉のクローバーは

君が忘れ去っても

私の手の中に握られている

振り回されて

抱きつかれて

疲れて逃げ出しそうにも

甘える君の目から目をそらせない

子供は育つ

一瞬でも瞳を閉じたら

次に目を開けた時には

遠く太陽の方へかけてゆく

逞しい後ろ姿


私はそちらへは行けない

君が手を繋いでくれないと

熱くてとてもじゃないけど

走って行けない


走り去った君に

ほっとしている自分がいる

次に子供の声が聞こえても

直ぐには駆け出さない


子供でなくて人間の男が立っているなら

私は光へ駆け出さない





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