こころのこびと


こころの淵まで涙がきっとたまってる

こんなにも君のことが好きなのに

こんなにも生きてみたいのに


僕の心の淵に立っている小人が

「こりゃもうだめだって」首をふっている

溢れるのは時間の問題だなって

渋い顔して途方もなく立っている


「どうにかなんないの」と聞くと

「どうにかしようと頑張っているんだ」って

小人がもう1人増えて言う


「じゃあ 僕も頑張るから」って言うと

「君は頑張りすぎだ」って

小人がもう1人増えて言う


「そんなはずはない、僕はもっと頑張れるよ」って言うと

「やれやれ」といった具合に

小人がもう1人増えて、4人で首をふっている


どんどん涙が膨れて行く

こんなに君が好きなのに

こんなにも頑張ろうとしているのに


目を閉じるとチャポンと音がした

とうとう最後の一滴が心に落ちたみたい


目を開くと君の笑顔とぶつかった


「どうしたらいいんだろう」

決して言いたくなかった言葉が口から零れてしまった


瞳からとめどなく涙が流れる

君の笑顔が見えなくなる

君の笑顔が見えなくなる


心のこびとは百人にも増えていて

「やれやれ」といった具合に首をふっている


すると君の手が僕の頬をそっと優しく抱いた



その瞬間小人はポンっと1人に戻って



赤い顔して僕を見上げた




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